時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

その日は突然やってくる。

2025年01月18日 | 時のつれづれ・睦月 

多摩爺の「時のつれづれ(睦月の59)」
その日は突然やってくる。

ここんとこ、南海トラフを震源とした地震情報を・・・ 気にかける日々が続いていたが、
昨日は、兵庫県神戸市に天皇皇后両陛下をお迎えして、
30年前に阪神淡路地方を襲った大地震で亡くなられた方々を追悼する鎮魂の式典が行われていた。

ちょっと気になったのは、昨年地震と水害でダブルの被災をした能登の方々の視線だった。
何年か経ち、心が落ち着いてくれば・・・ 「あのころはこうだったね。」なんて、
お茶でも飲みながら、振り返ることが出来る日がくるとは思うものの、
能登の方々のいまを思うと、美しい四季の国ながらも、地震大国に生まれ住むことを憂いてしまう。

振り返ってみれば「あれが前触れだったのか?」なんて、思うようなこともあるにはあるが、
その日は、なんの断りもなく、ある日突然やってくる。
「備えあれば憂いなし。」とはいうものの、
経験値のある方々と、端から見ていただけの者の思考には・・・ 自ずと差がでてくるはずだ。

当たり前だった日々が、当たり前じゃなくなったとき、
その国の教育レベルや、その国に暮らす人々の民度などの・・・ 本物が見えてくるはずなのに、
ネットという情報過多の中に自分を置いて、そこからものごとを見るようになってくると、
客観性よりも主観で捉えてしまい、他者への配慮を欠くことが増えてしまう。

なに気にそう思ったのは・・・ 年明け早々にアメリカ西海岸で発生した大規模な火災被害に、
この国の政府が、見舞金を送ると表明すると、
すかさず「能登の復興が先ではないか?」という声が、ネットやSNSに挙がったことにある。

ホントに悲しくなってきた。
困ってる方々に分け隔てがあってはならないと思うし、
世界の方々から、これまでにどれだけ助けてもらっていたのか、
地震大国が受けてきた計り知れない恩義を・・・ もうすっかり、忘れてしまっている。

災害対策の指揮命令系統は、混乱を防ぐため「あれはあれ、これはこれ。」で良いが、
支援する立場の視点は・・・ 「あれもこれも。」であり「やれることをやる。」はなかろうか?
こういったときにこそ、本物か否かが見えてくる。
そこら辺りをうろつく、しょうもない爺さんだが・・・ こういうことは肝に命じて起きたい。

些細なことだが、年明け早々からブログにログインできなかったり、アクセスできなくて、
イラつき、度を超えた不満を述べていた方々が多く居たし、
私もその中の1人だったから、その思いは分からんでもないが、復旧に向け正月休みを返上して、
現場に駆けつけた方々が居たことを・・・ いったいどれだけ知っていたのだろうか?

また、米不足や野菜の高騰などのストレスを、ネットにぶつけてなかっただろうか?
農業に従事されてる方々は、暑さ寒さの気候と戦い、生産コストの高騰に苦しみながら、
高齢化や、後継者不足などのマンパワーの低下に頭を悩ませ、
働き方改革の枠の外で頑張っておられることを・・・ いったいどれだけ理解しているのだろうか?

当たり前のように利活用しているサービスや、なに気に手に取った商品の背後には、
必ず人が関わっていて、マンパワーによって支えられているはずだが、
残念なことに・・・ いざという場面に出くわすと、都合良く忘れてしまうんだから、
いい歳をして、ホントに恥ずかしくなってくる。

1995年1月17日 阪神淡路大震災
〃    3月20日 地下鉄サリン事件

多くの方々が亡くなり、傷ついたあの日から・・・ 30年の歳月が過ぎた。
改めて思うに、被災された方々の外に居る私たちは、10年20年30年の節目と捉えるが、
被災された方々は、毎年毎年やってくる忘れ得ぬ日であって、
計り知れない鎮魂の重みを・・・ 外に居る者は感じ取ることはできない。

こんなこと書いちゃ、お叱りを受けるかもしれないが・・・ それでも陽はまた昇る。
美しい夕日に見惚れ、朝日にエネルギーをもらいながら、
時の経過とともに・・・ 悲しみは癒やされ、記憶の引き出しに納められていく。

そんな私も古希を過ぎて・・・ 人生の後半戦に入り、
先の見えない下り坂を、ゆっくり歩いている現状を踏まえれば、
いささか手遅れ感は否めないものの、その日がいつであっても対処できるよう、
自らに残された時間と生き様について、いま一度問いかけてみる機会にできればと思った。


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