アメリカのYahoo Movie の評価がやたらと高かったので
とても気になっていました。
見に行って正解!
とても感動しました。
日本の Yahoo ムービーの評価 4.2(5点満点)
アメリカの Yahoo Movies の評価
ユーザー: A- 評論家: A-
■■127時間■■
今のところ「塔の上のラプンツェル」を上回って
私の2011年ナンバー1になりました!!!
でも、好き嫌いあると思います。
ラプンツェルのように、万人に受ける映画ではない。
実際にアメリカで起きた事故を元に作られています。
私は、このニュース読んだことがあったので
映画を見に行く前からもう
どういうストーリーか、分かっていました。
事故が起きたアメリカでは
みんなが知っているだろうから
この映画を見に行った人はほぼ全員
もう、何が起きて、どう展開して
どのような結末になるのか
分かっています。
ストーリーに意外性がないのに
どうやって2時間近く、観客を惹きつけるか。
とてもチャレンジングなプロジェクトだったと思います。
しかも、アメリカであんなに高い評価を得ている!
観てみると
やはり、演出が上手い。
特に、映像美には、かなりこだわって撮っている。
音楽も良いし
とてもスタイリッシュな、お洒落な映画。
監督は「スラムドッグ$ミリオネア」の
ダニー・ボイル。
見終わってから知ったんだけどね...
それから、主人公を演じたジェームズ・フランコが
素晴らしかった。
映画のほとんどの時間
彼が1人しか映っていない。
他の人との絡みはない。
たった1人の演技。
しかも、舞台はほとんどが同じ場所。
ジェームズ・フランコは
「スパイダーマン」で
主人公ピーターの親友ハリー・オズボーン役(敵役)
を演じていました。
その時から気になっていたけど
やっぱり、良い役者さんだった。
この映画観たい人で
この映画の元になった事故について知らない人は
何も知らないまま、映画を観て
大いに驚いて欲しい。
だから、この先のネタバレ感想は読まないでくださいね。
ちょっとだけお知らせすると
ちょっとリアルな、痛いシーンがあります。
苦手な人は大変かも。
私もそのシーンは、目を閉じて観てました。
1人旅が好きな主人公アーロンは
車にマウンテン・バイクを積んで
ユタ州のキャニオンランズを訪れていた。
キャニオンランズ、私も行ったことあるから
懐かしかった!
また、すごく行きたくなりました。
出来たら彼のように
ドライブウェイを離れて
舗装されていない荒野を進み
更にバイクで奥地へ入り
徒歩で峡谷の間を歩く...
なんて冒険をしてみたいものです。
大自然の真ん中で、たった1人
自然の雄大さを肌で感じるのが
アーロンの何よりの楽しみでした。
ネタバレ感想
めったに人は訪れない秘境の渓谷で
落石に腕をはさまれ
身動きとれなくなってしまったアーロン。
生命の危機を感じると
ヒトは
「生きたい」という気持ちがますます強くなるように
プログラムされているのでしょうか。
私だったら、かなり早い時点で
「ああ、こうなってしまったらもうダメだ。
絶対に助からない。
私はここで死ぬんだ。
ジタバタもがくより、安らかに最後を迎えよう。」
と、思ってしまいそうな気がするけど
同じような情況になったら
私も「生きたい!」ともがくのだろうか。
米粒ほどの可能性にすがって
自分の尿を飲んででも
なんとかして生きて家に帰ろうとするのだろうか。
喉が渇き、空腹を感じるのは
水分や栄養素やエネルギー源を取り込まないと
身体が弱って死んでしまうから。
食欲は、サバイバルのために必要な、ヒトの本能。
なぜ、サバイバルするように
DNA上にプログラムされているのか
それは、自分の遺伝子をこの世に残して
先祖から受け継がれてきた生命の流れを
次世代につなげるため。
これも、遺伝子に刻まれたヒトの本能なんだな
と、感じました。
「結婚したい!赤ちゃんが欲しい!」
と、口にしなくても、思わなくても
身体は、そうするようにプログラムされている。
生死の境
極限状態に追い込まれたアーロンを支えたのは
そんな、遺伝子に刻み込まれた
人間の本能だったような気もしました。
もちろん、人間は理性的な、文化的な存在ですから
本能だけ、遺伝子だけが
彼を支えていたのではありません。
何故、自分にこのような不運が巻き込まれてしまったのか。
たまたま訪れた峡谷の
岩が、自分の腕を挟む確率は
天文学的に少ない「偶然」を引き当ててしまったことになる。
グループで旅行していたら良かったのに!
1人の気楽さ、孤独を愛して
いつも単独で、人気のいない秘境を訪れる。
更に、自分は
誰にも行き先を告げずに出てきてしまった。
これでは、自分がここにいると
見当を付けて捜索してもらえない。
母親からの電話も出なかった。
妹からの電話にも出なかった。
「電話ちょうだい」と何度言われても
「お母さんに電話しなさいよ」と何度言われても
無視してきた。
家族を嫌いな訳じゃない。
岩に挟まれて、1人、死を身近に感じている時
初めて分かる。
自分にとって家族がいかに大切な存在であったか。
それなのに、疎んじてきた。
単に面倒だっただけ
「また今度すればいい」と思ってきた。
あの時、家族からの電話に出ていたら!
行き先を告げていたら!
好きな女性もいたけれど
遠ざけてしまった。
人と深く関わり、お互いの人生に影響しあう心の準備は
まだ出来ていなかった。
1人で、気楽な生活を続けたいと思った。
あの時、もっと人と関わり合うことを
躊躇せず選んでいたら
今、自分は独りでここにいなかった。
そして気付く
この岩は、何億年前の太古の時代から
この世に出来た時から
ずっとずっと、ここに落ちてくる時を
待っていたのだ。
ここに、自分の腕の上に
落ちるべくして、落ちてきたのだ。
今まで自分が、他の人に対してとった行動
母親からの電話を無視し
深い関わりを敬遠し
独りで行動する気楽さを満喫してきた
1つ1つの行動が
自分をこの渓谷に導き
この石をここ(自分の腕の上)に導いたのだ。
全ての事象には、意味がある
偶然と思える事故。
偶然の背後には
それを呼び込んだ必然の積み重ねが存在する。
死のギリギリまで追いつめられて
たどり着いた悟り。
最後の気力も枯れ果て
もはや、これまでか、と思った時
アーロンは、自分を心配そうに見つめる
家族の幻を見る。
そして、小さな男の子も見る。
それは、赤ちゃんだった頃の自分かもしれない。
家族の愛に包まれて、安全で、見守られていた自分。
それとも、自分の子どもかも知れない。
この窮地をくぐり抜けて
いつか、この腕に抱く、自分の子ども。
自分がこの世に生きていた証。
自分の身体を痛めつけ、なんとか脱出した後
ハイカーを発見し、力の限り叫ぶ。
「Help!」と。
それまで孤独な生活を選んできたアーロンが
助けを乞う。
他人の力を必要とし、よりかかる。
これも、すごくシンボリックなシーンだと思ったなあ。
この事故後、現実のアーロンは結婚し
息子が誕生する。
片腕でプールで泳いだり
雪山登山に挑戦したり、冒険することは止めなかった。
ただ、行き先を書いたメモを残すようになった。(笑)
プールで泳ぐ自分を
心配そうに、頼もしそうにみつめる家族。
極限状態で見た幻は、現実となった。
人を遠ざけていたアーロンであるが故に
あの事故に遭い
その事故が元で、人との絆に回帰して
家族の結びつきを取り戻した。
「家族の絆」
それは、昔々、ヒトがこの地球上に現れた時から
脈々と、つなぎ続けられてきたものでした。
とても気になっていました。
見に行って正解!
とても感動しました。
日本の Yahoo ムービーの評価 4.2(5点満点)
アメリカの Yahoo Movies の評価
ユーザー: A- 評論家: A-
■■127時間■■
今のところ「塔の上のラプンツェル」を上回って
私の2011年ナンバー1になりました!!!
でも、好き嫌いあると思います。
ラプンツェルのように、万人に受ける映画ではない。
実際にアメリカで起きた事故を元に作られています。
私は、このニュース読んだことがあったので
映画を見に行く前からもう
どういうストーリーか、分かっていました。
事故が起きたアメリカでは
みんなが知っているだろうから
この映画を見に行った人はほぼ全員
もう、何が起きて、どう展開して
どのような結末になるのか
分かっています。
ストーリーに意外性がないのに
どうやって2時間近く、観客を惹きつけるか。
とてもチャレンジングなプロジェクトだったと思います。
しかも、アメリカであんなに高い評価を得ている!
観てみると
やはり、演出が上手い。
特に、映像美には、かなりこだわって撮っている。
音楽も良いし
とてもスタイリッシュな、お洒落な映画。
監督は「スラムドッグ$ミリオネア」の
ダニー・ボイル。
見終わってから知ったんだけどね...
それから、主人公を演じたジェームズ・フランコが
素晴らしかった。
映画のほとんどの時間
彼が1人しか映っていない。
他の人との絡みはない。
たった1人の演技。
しかも、舞台はほとんどが同じ場所。
ジェームズ・フランコは
「スパイダーマン」で
主人公ピーターの親友ハリー・オズボーン役(敵役)
を演じていました。
その時から気になっていたけど
やっぱり、良い役者さんだった。
この映画観たい人で
この映画の元になった事故について知らない人は
何も知らないまま、映画を観て
大いに驚いて欲しい。
だから、この先のネタバレ感想は読まないでくださいね。
ちょっとだけお知らせすると
ちょっとリアルな、痛いシーンがあります。
苦手な人は大変かも。
私もそのシーンは、目を閉じて観てました。
1人旅が好きな主人公アーロンは
車にマウンテン・バイクを積んで
ユタ州のキャニオンランズを訪れていた。
キャニオンランズ、私も行ったことあるから
懐かしかった!
また、すごく行きたくなりました。
出来たら彼のように
ドライブウェイを離れて
舗装されていない荒野を進み
更にバイクで奥地へ入り
徒歩で峡谷の間を歩く...
なんて冒険をしてみたいものです。
大自然の真ん中で、たった1人
自然の雄大さを肌で感じるのが
アーロンの何よりの楽しみでした。
ネタバレ感想
めったに人は訪れない秘境の渓谷で
落石に腕をはさまれ
身動きとれなくなってしまったアーロン。
生命の危機を感じると
ヒトは
「生きたい」という気持ちがますます強くなるように
プログラムされているのでしょうか。
私だったら、かなり早い時点で
「ああ、こうなってしまったらもうダメだ。
絶対に助からない。
私はここで死ぬんだ。
ジタバタもがくより、安らかに最後を迎えよう。」
と、思ってしまいそうな気がするけど
同じような情況になったら
私も「生きたい!」ともがくのだろうか。
米粒ほどの可能性にすがって
自分の尿を飲んででも
なんとかして生きて家に帰ろうとするのだろうか。
喉が渇き、空腹を感じるのは
水分や栄養素やエネルギー源を取り込まないと
身体が弱って死んでしまうから。
食欲は、サバイバルのために必要な、ヒトの本能。
なぜ、サバイバルするように
DNA上にプログラムされているのか
それは、自分の遺伝子をこの世に残して
先祖から受け継がれてきた生命の流れを
次世代につなげるため。
これも、遺伝子に刻まれたヒトの本能なんだな
と、感じました。
「結婚したい!赤ちゃんが欲しい!」
と、口にしなくても、思わなくても
身体は、そうするようにプログラムされている。
生死の境
極限状態に追い込まれたアーロンを支えたのは
そんな、遺伝子に刻み込まれた
人間の本能だったような気もしました。
もちろん、人間は理性的な、文化的な存在ですから
本能だけ、遺伝子だけが
彼を支えていたのではありません。
何故、自分にこのような不運が巻き込まれてしまったのか。
たまたま訪れた峡谷の
岩が、自分の腕を挟む確率は
天文学的に少ない「偶然」を引き当ててしまったことになる。
グループで旅行していたら良かったのに!
1人の気楽さ、孤独を愛して
いつも単独で、人気のいない秘境を訪れる。
更に、自分は
誰にも行き先を告げずに出てきてしまった。
これでは、自分がここにいると
見当を付けて捜索してもらえない。
母親からの電話も出なかった。
妹からの電話にも出なかった。
「電話ちょうだい」と何度言われても
「お母さんに電話しなさいよ」と何度言われても
無視してきた。
家族を嫌いな訳じゃない。
岩に挟まれて、1人、死を身近に感じている時
初めて分かる。
自分にとって家族がいかに大切な存在であったか。
それなのに、疎んじてきた。
単に面倒だっただけ
「また今度すればいい」と思ってきた。
あの時、家族からの電話に出ていたら!
行き先を告げていたら!
好きな女性もいたけれど
遠ざけてしまった。
人と深く関わり、お互いの人生に影響しあう心の準備は
まだ出来ていなかった。
1人で、気楽な生活を続けたいと思った。
あの時、もっと人と関わり合うことを
躊躇せず選んでいたら
今、自分は独りでここにいなかった。
そして気付く
この岩は、何億年前の太古の時代から
この世に出来た時から
ずっとずっと、ここに落ちてくる時を
待っていたのだ。
ここに、自分の腕の上に
落ちるべくして、落ちてきたのだ。
今まで自分が、他の人に対してとった行動
母親からの電話を無視し
深い関わりを敬遠し
独りで行動する気楽さを満喫してきた
1つ1つの行動が
自分をこの渓谷に導き
この石をここ(自分の腕の上)に導いたのだ。
全ての事象には、意味がある
偶然と思える事故。
偶然の背後には
それを呼び込んだ必然の積み重ねが存在する。
死のギリギリまで追いつめられて
たどり着いた悟り。
最後の気力も枯れ果て
もはや、これまでか、と思った時
アーロンは、自分を心配そうに見つめる
家族の幻を見る。
そして、小さな男の子も見る。
それは、赤ちゃんだった頃の自分かもしれない。
家族の愛に包まれて、安全で、見守られていた自分。
それとも、自分の子どもかも知れない。
この窮地をくぐり抜けて
いつか、この腕に抱く、自分の子ども。
自分がこの世に生きていた証。
自分の身体を痛めつけ、なんとか脱出した後
ハイカーを発見し、力の限り叫ぶ。
「Help!」と。
それまで孤独な生活を選んできたアーロンが
助けを乞う。
他人の力を必要とし、よりかかる。
これも、すごくシンボリックなシーンだと思ったなあ。
この事故後、現実のアーロンは結婚し
息子が誕生する。
片腕でプールで泳いだり
雪山登山に挑戦したり、冒険することは止めなかった。
ただ、行き先を書いたメモを残すようになった。(笑)
プールで泳ぐ自分を
心配そうに、頼もしそうにみつめる家族。
極限状態で見た幻は、現実となった。
人を遠ざけていたアーロンであるが故に
あの事故に遭い
その事故が元で、人との絆に回帰して
家族の結びつきを取り戻した。
「家族の絆」
それは、昔々、ヒトがこの地球上に現れた時から
脈々と、つなぎ続けられてきたものでした。