
アカデミー賞受賞作なのでこれは見逃せませんでした。
第二次世界大戦前のイギリス王室の再現。
ブリティッシュ・アクセント。
独特の重厚感がなんとも言えず、いい雰囲気です。
■■英国王のスピーチ■■


☆☆
日本の Yahoo ムービーの評価 4.1(5点満点)
アメリカの Yahoo Movies の評価
ユーザー: A 評論家: A-
期待していた程では...
アカデミー賞の審査員達は、こういう作品が好きなんだよね
と、よく分かった。
「あらすじ」欄に書かれているあらすじ以上の
衝撃的な展開や意外な流れは、特にありません。
現在のイギリス女王
エリザベス女王のお父さん
ジョージ6世、即位前後の物語。
スピーチすることがお仕事
なのに、吃音に悩む英国王の物語。
ラジオ、映像も普及してきて
スピーチはその場限りの「消えもの」として
終われない時代になってきた。
その場にいる聴衆だけではなく、全世界に届けられるし
繰り返し、繰り返し
時代の証拠として、リプレイされる運命にあるスピーチ。
しかも、ナチスの台頭により
国民に、国からの言葉を届けて
国民を勇気づけ、気持ちを1つにすることが
重要な任務となっていた時代。
プレッシャーは計り知れない。

ネタバレ感想

吃音って、精神的なプレッシャーを
うまく克服出来ない時起きてしまう
精神的な問題なのだと、ずっと信じていたら
10年以上前、アメリカ人のスピーチセラピストさんと
お話する機会がありました。
その人の話では
「吃音は、精神的な問題から起こると
専門家の間でも、ずっと信じられてきたけれど
最近の研究では、脳の神経が、上手く働かないことが原因と
分かってきました。
つまり、精神的なものではなく
脳神経のちょっとした機能不全。
でも、訓練によって、吃音は必ず直ります。
もちろん、脳神経の問題から起きる吃音以外に
精神的なプレッシャーなどが原因で
吃音になることもあります。」
ということだった。
それで、私はそれまで信じていた
「吃音=精神的な問題」という常識が
覆されたように感じて、ものすごく驚いたのです。
映画は
私がアメリカ人スピーチセラピストから聞いた
「吃音は脳神経の問題」という事実が
解明される以前の時代の話。
本人も、周りの人も
「プレッシャーに弱いから
公の場に立って、スピーチをする恐怖に勝てないから
...そんな、精神的な弱さが原因で
どもってしまうのだ」と信じている。
そして、本人は
そんな自分の精神的なもろさを恥じて
自分に自信が持てない。
ライオネルというスピーチセラピストも
「元々左利きだったのに
右手を使うように矯正されたこと
王族としての立ち居振る舞い
責任のある行動をとることを要求され
自分らしさをずっと封印してきたことが原因」
と、分析する。
現代のスピーチセラピストは
また違う判断&アプローチをするかも知れませんが
「あなたの精神的弱さが原因ではない。
本来の、あるがままの自分の姿を
封印されてきたこと
それは、吃音の人が典型的に持つバックグラウンドなのです。」
と、言ってもらえることで
ジョージ6世は、かなり救われたのではないかと思いました。
英国王としてではなく
ひとりのクライアント、ひとりの人間として
身分の違いなど気にせずに
ありのままのジョージ6世に共感を持って接する
スピーチセラピストとの友情は
とても感動的でした。
全然知らなかったんだけど
ジョージ6世にはお兄さんがいて
お兄さんは、離婚歴のあるアメリカ女性との恋の方を選び
王位を捨ててしまうのです。
今の時代でさえ、そういう選択をすることは
王族の人々にとっては不可能に近いと思うのだけど
第二次世界大戦前という時代にやってしまうなんて
世界中が驚いたに違いない。
第一子というのは
親の期待を一身に受け、下の兄弟の面倒を任される中で
責任感とリーダーシップが伸びていく。
(政治家は、第一子である人が多い)
...と、されている。
普通の家庭でさえそうなのに
王族にあって
両親の...いえ、全イギリス国民からの期待を裏切り
イギリスの運命を、弟に丸投げして
嵐のような非難もものともせず
愛する女性との生活の方を選んだというのは
これがこの映画、最大の驚きでした!
そして、今更ながらですが
生まれた時から
英国王となることを運命づけられている人には
職業選択の自由などないのだと気付きました。
ある意味、基本的人権などない!
隷属状態と言って良いのかも知れません。
豊かで恵まれた暮らしをしている所だけが紹介されて
その陰で無視され続けている
王位を継承する者のフラストレーションに
改めて気付きました。
第二次世界大戦前のイギリス王室の再現。
ブリティッシュ・アクセント。
独特の重厚感がなんとも言えず、いい雰囲気です。
■■英国王のスピーチ■■



日本の Yahoo ムービーの評価 4.1(5点満点)
アメリカの Yahoo Movies の評価
ユーザー: A 評論家: A-
期待していた程では...
アカデミー賞の審査員達は、こういう作品が好きなんだよね
と、よく分かった。
「あらすじ」欄に書かれているあらすじ以上の
衝撃的な展開や意外な流れは、特にありません。
現在のイギリス女王
エリザベス女王のお父さん
ジョージ6世、即位前後の物語。
スピーチすることがお仕事
なのに、吃音に悩む英国王の物語。
ラジオ、映像も普及してきて
スピーチはその場限りの「消えもの」として
終われない時代になってきた。
その場にいる聴衆だけではなく、全世界に届けられるし
繰り返し、繰り返し
時代の証拠として、リプレイされる運命にあるスピーチ。
しかも、ナチスの台頭により
国民に、国からの言葉を届けて
国民を勇気づけ、気持ちを1つにすることが
重要な任務となっていた時代。
プレッシャーは計り知れない。




吃音って、精神的なプレッシャーを
うまく克服出来ない時起きてしまう
精神的な問題なのだと、ずっと信じていたら
10年以上前、アメリカ人のスピーチセラピストさんと
お話する機会がありました。
その人の話では
「吃音は、精神的な問題から起こると
専門家の間でも、ずっと信じられてきたけれど
最近の研究では、脳の神経が、上手く働かないことが原因と
分かってきました。
つまり、精神的なものではなく
脳神経のちょっとした機能不全。
でも、訓練によって、吃音は必ず直ります。
もちろん、脳神経の問題から起きる吃音以外に
精神的なプレッシャーなどが原因で
吃音になることもあります。」
ということだった。
それで、私はそれまで信じていた
「吃音=精神的な問題」という常識が
覆されたように感じて、ものすごく驚いたのです。
映画は
私がアメリカ人スピーチセラピストから聞いた
「吃音は脳神経の問題」という事実が
解明される以前の時代の話。
本人も、周りの人も
「プレッシャーに弱いから
公の場に立って、スピーチをする恐怖に勝てないから
...そんな、精神的な弱さが原因で
どもってしまうのだ」と信じている。
そして、本人は
そんな自分の精神的なもろさを恥じて
自分に自信が持てない。
ライオネルというスピーチセラピストも
「元々左利きだったのに
右手を使うように矯正されたこと
王族としての立ち居振る舞い
責任のある行動をとることを要求され
自分らしさをずっと封印してきたことが原因」
と、分析する。
現代のスピーチセラピストは
また違う判断&アプローチをするかも知れませんが
「あなたの精神的弱さが原因ではない。
本来の、あるがままの自分の姿を
封印されてきたこと
それは、吃音の人が典型的に持つバックグラウンドなのです。」
と、言ってもらえることで
ジョージ6世は、かなり救われたのではないかと思いました。
英国王としてではなく
ひとりのクライアント、ひとりの人間として
身分の違いなど気にせずに
ありのままのジョージ6世に共感を持って接する
スピーチセラピストとの友情は
とても感動的でした。
全然知らなかったんだけど
ジョージ6世にはお兄さんがいて
お兄さんは、離婚歴のあるアメリカ女性との恋の方を選び
王位を捨ててしまうのです。
今の時代でさえ、そういう選択をすることは
王族の人々にとっては不可能に近いと思うのだけど
第二次世界大戦前という時代にやってしまうなんて
世界中が驚いたに違いない。
第一子というのは
親の期待を一身に受け、下の兄弟の面倒を任される中で
責任感とリーダーシップが伸びていく。
(政治家は、第一子である人が多い)
...と、されている。
普通の家庭でさえそうなのに
王族にあって
両親の...いえ、全イギリス国民からの期待を裏切り
イギリスの運命を、弟に丸投げして
嵐のような非難もものともせず
愛する女性との生活の方を選んだというのは
これがこの映画、最大の驚きでした!
そして、今更ながらですが
生まれた時から
英国王となることを運命づけられている人には
職業選択の自由などないのだと気付きました。
ある意味、基本的人権などない!
隷属状態と言って良いのかも知れません。
豊かで恵まれた暮らしをしている所だけが紹介されて
その陰で無視され続けている
王位を継承する者のフラストレーションに
改めて気付きました。