〇 出先での作業効率を大幅アップ、「持ち歩きたくなる」高級キーボードとは。
今回は、仕事で使える高級キーボードの小型モデルを紹介する。取り上げるのは、「HHKB Studio 雪」と、「REALFORCE RC1」だ。前者は税込み4万4000円(直販サイトの場合)、後者は税込み3万5860円(Amazon.co.jpの場合)と非常に高価だが、これらを手に入れて持ち運ぶ価値は十分にある。
僕は出先で作業することも多いので、出先での作業の半分は、移動中に数十分だけTeamsやメールの返信をする程度だ。そのような作業であれば、ノートPCのキーボードで十分対応できる。モバイルノートとはいえ、最近のキーボードはそれなりに打ちやすい。折りたたみのモバイルキーボードなら持ち歩いても負担は少ないが、ノートPCのキーボードと大差ない打ち心地だ。
しかし、出張先などでは、長時間タイピングする作業が多くなる。朝晩、大量のメールやチャットをさばき、原稿や企画書を作成することも多い。このように、数千、数万文字のタイピングが必要になると、キーボードによって作業効率が大きく変わってくる。
コンパクトな高級キーボードの性能。
僕は出先で作業をする際、「コンパクトな高性能キーボード」を持ち歩くようにしている。普段使っているメインマシンのキーボードは、「REALFORCE R3」というキーストロークが深いタイプだ。個人的には、浅いストロークのキーボードでは快適にタイピングできないため、モバイル用とはいえ本気でタイピングする場面では、打ちやすくないと意味がないのだ。
最近気に入っているのは冒頭で挙げた2製品で、どちらも快適にタイピングできる。感覚的な話にはなるが、タイピングのスピードは、HHKB Studioがデスクトップの9割、REALFORCE RC1が10割という感じだ。
REALFORCE RC1は、コンパクトながらファンクションキーも備えており、カタカナ変換がしやすい。さらに、APC(Actuation Point Changer、キー入力を認識する深さを調整する機能)で、キーを押し下げた際の入力位置を指定できるため、普段オフィスで使用しているキーボードと設定を合わせることで、浅い高速タイピングでもテキパキ入力できる。
HHKB Studioの魅力ポイントとは。
今回取り上げた2製品は、どちらも優劣をつけがたい。機能面における最大の違いは、HHKB Studioはファンクションキーがないため、タイピング速度が少し落ちることだ。
だが、ポインティングスティックが内蔵されているので、キーボードから手を離さずに作業を進めることができる。REALFORCE RC1を使うとなると、無理してタッチパッドを使うか、マウスを持ち歩く必要があるため、HHKB Studioの方が荷物が少なくて済む。さらに、キーボードのサイドをスライドすることで利用できる独自のジェスチャーパッドも使いやすい。
ただし、HHKB Studioは、従来のHHKBとは違い1つひとつのキーが独立しているメカニカルキーボードなので、打ち心地が少し異なるのと、APCの設定ができない。
2製品で異なる重量やバッテリー。
HHKB Studioは、実測で931グラムとかなり重く、スーツケースに入れるような持ち運びに向いている。一方、REALFORCE RC1は、618グラム。こちらの方が現実的な軽さだ。ただし、マウスも持ち歩くとそれなりに荷物と重量は増える。
また、HHKB Studioは、乾電池を利用しており、バッテリーが切れたら入れ替える必要がある。REALFORCE RC1は、充電式なので電池を買う必要はないが、バッテリーが切れたら充電が必要になる。個人的には充電式が好ましいが、高級なキーボードを長年使うことを考えると、内蔵バッテリーは劣化するので乾電池にも魅力がある。
なお、両モデルとも有線接続にも対応しており、ミニPCとも組み合わせることができる。出先で長時間作業する機会が多い人は、今回紹介した高級キーボードを検討してみてはいかがだろうか。