防衛地点の分城からは近くて、分城の居城跡からは約900mでした。また中城からも900mで、二つの城で千葉胤貞公の居館である久保城を守っていました。
久保城と分城・中城の位置関係をご覧ください。
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久保城の前景。 分城からはかなり近い感じです。(田植え前の光景です)
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周りが谷で囲まれていて、さらに斜面の道が何本もあるので、分かりにくいと感じました。 その久保城の周りを、さらに「中城」や「分城」が防衛しているわけで、その奥ですから、静かで安心感があっただろうと思います。
ここは居館なので、シンボルとして外部からも見えるようにして威圧する必要性はなく、生活空間とすれば、むしろ見えないようになっていた方が良いと思いますが、それでも侵入がないような地形のところに、ひとひねり工夫がしてある居館だと思います。 もちろん、家臣が居館を取り巻くようにして配置されていたのでしょう。
(平面図)
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民家の入り口になりますが、久保城の標柱と解説板があります。
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解説板は、多古城郭保存活用会の設置です。 (写真を差し替えました)
※この奥は私有地なので、許可なく入れません。
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久保城を西側から見たところ
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これはさらに離れた西側の、台作・土橋城側から見た久保城。(真ん中の奥に見える丘)
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現代の知事で言えば、久保城は知事公舎ということになるのでしょう。
分城などは千田荘の各現場のひとつということで、知事の巡回場所、現場での執務室であったり、会議室であったりといったところか。 久保城に何かあれば、分城や中城の者が駆けつけただろうし、分城で何か発見をすれば、すぐに久保城に連絡に行ったのであろう。
(筆者の想像ですが、
分城には、一の屋敷、二の屋敷というのがあったと言われているが、もしかすると、一の屋敷は分城の防衛ラインの者、二の屋敷は久保城への増員にも回る予備部隊の者が住んでいたのではないか?と想像します。
・・・そういう配備にしておけば、もし久保城が井戸山方面の谷部から攻められた場合に、分城は、前面の防衛体制をくずさずに、分城からも後方の久保城へ駆けつけることができたであろう、という素人の想像です。 同時多発テロへの備えとも言えるでしょう。
また久保城は中城からも近いのです。 測ったところ、分城からと同じく、やはり900mでした。 でも兵力で言えば、中城は地元の豪族の者が城主であったので、分城は千葉胤貞子飼いの者たちだとすれば、中城より兵力は多く、戦闘力も上だったのではないか・・・と想像をしてみました)
久保城周辺にも、立派な長屋門のお宅があるので、もと家臣の家であろうか? 近所の神社も、ちょっと雰囲気が違う感じがします。 決して大きくはないのですが、何か、流れているものが違うような感じがします。
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神社の扁額には、弁財天女神社という名称と、山王大権現、千眼天王、八幡大菩薩 合祀とあります。 立派な扁額です。 胤貞おひざ元で、妙見社を期待していましたが、落城で妙見社は廃止にされてしまったのだろうか?
ここの石段は登りは良いが、降りるときは、奥行きが浅いので、かかとが引っかかって危ないです。(笑) 裏に駐車場もあります。
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同じ神社の敷地内の、この小さなほこら(?)は、火難除けのお札が入っていました。 かつて集落に火事でもあったのでしょうか?