考えるあるみさんのブログ

「たたかうあるみさんのブログ」の管理者が「革命的」に「生産」「労働」と「分配」について考えるブログ

全自動工場なら、全てが工場設備となるハズだ

2018-12-22 11:06:26 | 生産について

 これまでは、労働者を使ってシャツを作っていた工場において、労働者をロボット(ドラえもん?)に置き替えたら?というふうに考えてみた。しかし、「全機械化した工場」を最初から構築した場合、どうなるか?全自動でシャツを作る工場を最初から作るのである。労働者は一切、雇わない!AIを使って、完全自立…管理する人間も要らないものを作るのだ。
 現在でも日本に縫製工場が存在し、技能実習制度を使って外国人労働者を低賃金・無権利でコキ使っている状況がある…シャツのような服を作るという労働は、なかなか自動化することは難しいだろう。シャツの構造や、概念すらも大幅な変更を余儀なくされるかもしれない…が、ここはシャツ自動化工場ができたものとする。シャツ1枚当たりにかかる原材料費も変わらなかったとすると、シャツ1枚当たりの資本構成は
 不変資本:c 原材料500円+工場設備γ円
 可変資本:v 0円
 剰余価値:m 0円 

ひえぇ~また可変資本0円、よって剰余価値も0円となったじゃないか?

 工場設備γ円は、工場設備にかかった資本量(お金)を、工場設備がぶっ壊れる(使用価値がなくなる)まで使った時まで生産されるシャツの枚数…おそらくとてつもない量になるハズだ…で割った値となる。これが仮にシャツ1枚当たり100円だとすると、シャツ1枚の価値は600円となる。だが、これを600円で価値通りに売っても、資本家の元には何ものこらないことになる。 

 でもこれって、いきなり本論!人間の労働がロボットに置き換わったら?で考えた
  不変資本:c 原材料500円+工場設備10円+ロボット90円=600円
  可変資本:v 0円
  剰余価値:m 0円

と一緒やん。要するに、工場設備10円+ロボット90円の部分が、工場設備=100円になっただけである。

 だから、これまでの労働者を使って生産してきた工場において、全ての労働者をロボットに置き換えた場合も、ロボットは工場設備の一部とすれば、あらかじめ全自動工場を作った場合と同じになる。剰余価値は生まれない。そこで前回はアクロバット的に、「ロボット=ドラえもん」としてみた…そうすると相場としての労働の価値=2000円/時間・人というのがある世界であれば、ロボットが「労働」した時間分の、剰余価値が生ずる…という整理で、標準的な労働者が労働する分だけ、剰余価値が付加されるものとしたわけだ。

 そうすると、最初から全自動工場を作ってシャツを生産した場合も
 不変資本:c 原材料500円+工場設備100円=600円
 可変資本:v 0円
 剰余価値:m X円

 となりそうだ…X円はシャツ1枚あたり製造する場合にかかる時間×1時間あたり標準労働における、労働者が生み出す剰余価値量である。この社会では時給が1000円で、労働の価値が2000円/時間・人だから、1時間あたりの剰余価値量は1000円となる。

 これまでの工場が、時間当たり2枚のシャツを製造することが出来た…1枚当たりの剰余価値量は500円、全自動化してもこの生産速度が変わらないものとすると…
  不変資本:c 原材料500円+工場設備100円=600円
  可変資本:v 0円
  剰余価値:m 500円
  合計で、1100円 

 どうもこのような「整理」が妥当そうだ。この場合、通常の労働者を使って生産している工場におけるシャツ1枚あたり1510円だった。それが1100円で販売することが出来る…価格競争力は、ばっちりだ。また周辺の工場が労働者を使ってシャツ1枚あたり1510円で販売している時、剰余価値分(資本家の取り分)を、910円まで高めることも可能だ(本質的には、これは「剰余価値」とは言わないが)おお、資本家、大儲け! 

 かくして資本家どもは、全自動工場を目指し、労働者を工場・生産現場がら追い出そうとするのである。

 おまけ…年末なので、アニメはたらく細胞の「血小板ちゃん」で癒されてください(^^)  細胞たちがはたらく人間の体の中…饅頭売っていたり、暑い時には冷たい麦茶がおいてあったりします。資本家はいないので、労働が搾取されることはアリマセン。