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『僕のオリオン』1巻~6巻あらすじ・感想!4巻までと一転5巻からサスペンス展開。6巻完結

川端志季著『僕のオリオン』1巻~6巻あらすじ・ネタバレ感想!(6巻完結)
イケメンでスポーツマン、頭も良いのに自己評価が低い男子が、スクールカースト底辺女子に惹かれて……。
4巻までと一転し5巻から血の雨が降るゾッとする展開に。
サスペンス度が増した川端志季さんの心理描写に震える!

『僕のオリオン』(全6巻)

You are My brightest star
川端志季著『僕のオリオン』1巻~6巻あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks
■著者:川端志季
■カバーデザイン:miche
■発行:株式会社集英社



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『僕のオリオン』登場人物

『僕のオリオン』全6巻あらすじ・ネタバレ感想




『僕のオリオン』シリーズ登場人物 

●大月冴門(おおつき・さもん)
 王子と呼ばれるほどのイケメン
 偏差値75以上の進学校の生徒
 自己評価が低く自分のことが大嫌い
 5巻で重症を負う
●亀平小絃(こめひら・こいと)
 冴門の中学の後輩
 冴門に会いたくて同じ高校へ進学
 “猫さん”が唯一の友達
●猫俣唯(ねこまた・ゆい)
 小絃の唯一の友達“猫さん”
 ずーっと引きこもりの超天才
 ツナサンドしか食べない超偏食
 小絃を独占する為なら手段を選ばない
 5巻で襲撃され……
●中澤エリカ(なかざわ・えりか)
 小絃のクラスメイトで帰国子女
 インスタで冴門に一目惚れし帰国
 と、言っているが本当は……

●東雲(しののめ)
 冴門のクラスメイトで彼女が何人もいる
 インスタに冴門の盗撮写真をアップ
 フォロワー30万超え
●火賀俊平(かが・しゅんぺい)
 小絃の叔父で地学教師
 『宇宙を駆けるよだか』にも登場

●小森由麻/小森夢万(こもり・ゆま)
 アイドル“ゆんゆん”芸名・小森夢万
 小絃とは小学校の同級生
 小5の時、担任と付き合っていた
●桐生 仁(きりゅう・じん)3巻登場
 俳優。神出鬼没で子煩悩な冴門の父親

●渦見(うずみ)
 1、6巻登場
 冴門の中学時代のクラスメート
 冴門を妬んでいる

●倉田(くらた)3巻登場
 冴門のクラスメート
 7回フラれた子が冴門を好きで……。

●亀平拍斗(かめひら・はくと)
 4巻~登場
 小絃の弟で中学3年生
 双子の兄で右目の下に泣きぼくろあり
●亀平楽斗(かめひら・がくと)
 4巻~登場
 双子の弟で言い間違いが多い
 左目の下に泣きぼくろ
●小絃の母 4巻~登場
●小絃の父 4巻登場
 既に亡くなっている
●和久(わく) 4巻回想
 小絃の父の相談者

●中澤啓自(なかざわ・けいじ)
 5、6巻
 完璧主義すぎて部下にパワハラ→クビに
 異常な行動を取り始め猫俣に襲撃に行く

●中澤エリカの母(回想)
●猫俣の両親

●望月夕子(もちづき・ゆうこ)
 6巻で登場
 冴門の母
●ハノン 6巻登場
 冴門の姉でモデル
●和門(わもん)
 6巻登場・冴門の兄で芸人
●笹本(ささもと) 
 6巻登場
 桐生仁のマネージャー



『僕のオリオン』1巻あらすじ・感想 

●あらすじ
中学3年生の大月冴門は超イケメンのハイスペック男子。
女子達からは王子と呼ばれている。
冴門自身は周囲の顔色を伺い善人ぶって合わせている自分のことが大嫌いで、中身がない薄っぺらな人間だとさえ思っている。


ある日、冴門が花屋の軒下で雨宿りをしていると、どう見ても底辺にしか見えない地味な女の子が駆け込んできた。
その子は2年生で花屋の娘だった。
その女の子…亀平小絃は冴門に傘を貸してくれる。
冴門が礼を言うと小絃はとても嬉しそうに笑った。


「要らない」と思われないよう人間関係を取り繕ってきた冴門だが、恋愛のゴタゴタに巻き込まれクラスから弾かれる。
煩わしさに苛つく冴門は、つい小絃に八つ当たりをしてしまう。
そして迎えた卒業式の日、小絃は冴門に「先輩がいたから学校が楽しかった」と告げ“気持ち悪い物”を渡す。
1年後―――
高校2年生になった冴門は新入生の群の中に懐かしい寝癖頭を見つけ……。


●感想
卒業式の日に小絃が冴門に渡した“気持ち悪い物”とは日記だった。
冴門はとても真面目な子なんだよな。
もらった日記を律儀に読むんだもの。
普通読まないで捨てると思うよ?


でも、その日記を読んで冴門は涙する。
クラスで弾かれても挫けず学校へ行き偏差値が75もある高校へ進学した冴門はかなりの努力家だと思う。
それでも自分のことが大嫌いな冴門。
自己評価が低すぎる冴門。
だけど小絃の日記の中に存在する自分のことは結構好きだと思えたのだ。

「自分がちゃんと世界と繋がれてるって知ることができた…
ありがとうな」
(118ページから引用)
小絃の日記がどれだけ冴門の心の支えになったことか。
冴門は自分をクズだと思っているが、小絃を好きになる時点で相当善人よ。


冴門のようなスクールカーストの頂点にいる男子が底辺の女子と話をしているだけでも驚きだが、まさか好意を抱いていようとは小絃本人も周囲も考えない。
小絃は、冴門のファンだと言いながら友達になることすら断るし、帰国子女でグイグイ冴門に迫る中澤エリカの為にポジションを譲ろうとする。


なぜ、小絃は頑なに冴門と、いや他の人とも友達になろうとしないのか。
それは小学校からの小絃の唯一の友達・猫俣のせいだった。
小絃のスマホを使って監視する猫俣。
やべぇヤツだ、猫俣{{(@_@)}}



『僕のオリオン』2巻あらすじ・感想 

●あらすじ
これまで友達ができてもなぜか急に嫌われてしまい辛い思いをしてきた小絃。
冴門に嫌われたくなくて友達になることを怖がっていた。
それを知った冴門は、改めて小絃に友達になりたいと告げる。


小学校からの小絃の友達・猫俣は小絃に執着し彼女の行動を監視している。
最近小絃が冴門と仲良くなったことを知った猫俣は、小絃に友達話は断るように言う。
しかし、小絃は冴門や東雲、中澤達と一緒にいたくて……。


小絃の友達作りを阻止する為、猫俣はついに冴門に接触。
そんな中、小学校の同級生で今はアイドルとしてブレイクしている小森由麻が小絃に会いにやって来て……。


●感想
小絃は小学生の頃、友達にこっぴどく拒否されたショックで言葉がスラスラ出なくなってしまった。

「話すときに言葉が詰まる人は…相手を傷つけないように言葉を選んでる人だっておばあちゃんが言ってた
待ってるから大丈夫だよ」
(29ページから引用)

そう言ってくれた小森もおぞましい物を見るような視線を小絃に向けた。
そんな事もあって小絃は高校生になった今もどもってしまう。


冴門に接触した猫俣は余裕綽々で話をする。
だが、小絃が冴門の為にパスケースを手作りしていたことを知って苛立つ。
あろうことか冴門がパスケースを捨てようとしていたと小絃に嘘をつく。
小絃を独占する為に猫俣はこうやって嘘で人を惑わせたり、弱みを握っては脅し小絃から離れるよう仕向けていたのだ。


冴門のスマホにも個人情報抜き取りアプリを仕込んた猫俣。
ハイスペックで人気者に見えて実は全く友達がいない冴門のスマホには抜き取れる情報がないっつー顛末。
何もない冴門にエールを送りたくなるわ。


それでも、冴門を陥れる為に冴門のスマホを盗み見た猫俣はショックを受ける。
小絃を監視し神様気分で邪魔な人間を排除してきたというのに、自分が知らない小絃がいることを分かったからだ。
猫俣が打ちのめされたのはちょっとザマミロだったわ。


小絃も今までは友達が離れていくことを諦めていた。
けれど、小森と話したことも影響して猫俣の話を鵜呑みにせず直接冴門にパスケースは迷惑だったかと確認する。
冴門からは
「一生大事にする」
(103ページから引用)
と言うお返事を頂戴した。
冴門の重さ、可愛い~好きだわ~。



『僕のオリオン』3巻あらすじ・感想 

●あらすじ
小学生の頃、年齢以上に頭が良すぎた猫俣は友達ができなかった。
両親は猫俣の世話を家政婦に任せたままで家に帰ってこない。
ひねくれ者で毒舌の猫俣は小絃にも度々嫌味を言った。
だが、小絃には悪意が通じず、猫俣は逆に彼女のペースに巻き込まれる。
ある日、小絃の居残り勉強に付き合った猫俣は、小絃からお礼にバラを1本もらった。
「ありがとう」の言葉とともに。
猫俣はそれが嬉しくてたまらなかった。


小絃、小森、冴門が揃ったことで、小森を脅した犯人も小絃から友達が去るように仕向けた黒幕も猫俣だったことが判明。
状況は猫俣に不利で完全に詰んだ。
猫俣は小絃に、友達が作りたいなら自分のことを恋人にしてと言い出し……。


●感想
小絃を通すと、猫俣と冴門はちょっと似ている。
猫俣は頭が良すぎて周りの人間を馬鹿にして見下す癖がある。
だから友達ができない。
誰にも認めてもらえない。
そんな猫俣に初めて「ありがとう」を言ってくれたのが小絃だった。


猫俣は嫌なヤツだけど小絃から「ありがとう」を言われた後の反応が可愛くて、それと同時に可哀想で泣けてきた。
お礼にもらった1本のバラを枯らさないように彼がどれだけ大事にしたことか。
どれだけ淋しい小学生なんだ。


それにしても、冴門の夢が初カノと結婚することだったとはね。
冴門は小絃が猫俣と付き合い始めたと知りショックを受ける。
だけど、小絃が冴門を避けていた理由が判明すると嬉しすぎて告白しちゃう。
そのまま「好き」で押し切ればいいのに誤魔化す冴門。
もう、何やってんの!?
それができないところが残念なイケメン、冴門なのだ。



『僕のオリオン』4巻あらすじ・感想 

●あらすじ
冴門は勢い余って小絃の家を訪ねるが彼女は不在。
小絃の部屋で待っていた冴門は、中学校の卒業式の日にあげた第二ボタンを小絃がまだ持っていてくれたことを知る。
そこに帰宅した小絃の双子の弟達・拍斗と楽斗は、冴門に小絃と猫俣を別れさせてほしいと頼む。
冴門は双子の話から猫俣がレンタル家族を雇っていることを知る。
更に小絃の父親が5年以上前に事故死したことを知る。


小絃から手紙をもらった冴門に、自分にも読ませろと迫る猫俣。
手紙を読み終えた冴門は、猫俣を自宅に連れて行く。
そして猫俣の目の前で鍵のかかる抽斗に手紙をしまい鍵を猫俣に渡し……。


●感想
冴門は、猫俣家がレンタル家族であることに驚き、小絃の父親が5年以上前に亡くなっていたことにショックを受ける。
改めて自分は何も知らないのだと思い知った冴門。
ここから彼の人付き合いの仕方が変り始める。


人との関わり方が変わるのは猫俣も同じ。
エリカに押しかけられ汚部屋状態になった時には冴門に助けを求め、冴門が作った料理を美味しそうに食べた。
そもそも本来の猫俣だったらエリカを家に入れたりしないだろう。


小絃はお父さんをガッカリさせたくなくて、学校で独り淋しい思いをしていることを言えなかった。
でも、お父さんはちゃんと気づいていた。
61ページでの2人の会話。

「今は辛いばかりかもしれないけど僕は小絃に…
その気持ちを覚えていてほしい
忘れなければきっと他の人の痛みにも気がつけるようになるから」

「気がついたら…
どうすればいいんですか?」
「何もしなくていいんだよ
小絃にとってその人が大切なら…
傍らにいればいい」

この後、お父さんが事故で亡くなり、小絃は友達が作れず……。
小絃が一番辛い時に最も酷いことをしてきた猫俣。
そんなヤツが姉の彼氏になることを弟達が許せないのは当然だ。
父親との約束で猫俣の傍らにいる小絃だったが、ついにキレた。
冴門と関わることで小絃も変り始めたってことかな?



『僕のオリオン』5巻あらすじ・感想 

5巻は2021年4月23日発売

●あらすじ
自分の気持ちに従うことにした小絃は猫俣に秘密を打ち明ける。
実は小絃は猫俣に内緒で彼の両親と連絡を取っていたのだと言い、帰国している両親に会ってほしいと頼む。
それは猫俣への別離宣言だった。
猫俣は小絃の心を揺さぶりコントロールしようとするが……。


猫俣との取引で彼と同居することになった冴門は、先住同居人のエリカと一緒に猫俣家へ帰ろうとする。
その途中、中年の男が2人をつけていることに気づく。
エリカが家を出た本当の理由。
エリカの父親は病的なまでに完璧主義で周囲にもそれを強要した為、部下にパワハラで訴えられ会社をクビになった。
そんな父と2人きりの同居生活で命の危険を感じたエリカは逃げ出した。
そして迎えた運命の日……。
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『僕のオリオン』5巻 あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks


●感想
わぁ、カバーイラストが猫俣だぁ。
などと暢気なことを言ってる場合か。
もうビックリしたわ!
川端志季さんのストーリーはミステリーとサスペンス色が強くて心理描写に引き込まれるのだが、『僕のオリオン』はこれまでの作品とは違いほのぼのラブストーリーだと思って読んでいた。


やっぱりキターッ!
ホラー?スプラッター?
剪定ばさみを持ってやって来たエリカの父。
ヤバい、レベルが違う異常ぶり。
娘をどうしたいの?
“失敗作”だから消したいの?


小絃の気持ちも冴門の気持ちも猫俣の気持ちも何も解決していない。
彼らの未来は、突然やって来たエリカの父親によって奪われるのだろうか?


小絃の親戚・火賀先生が102ページで小絃に言った台詞が、後のシーンで利く。

「あたりまえの
明日なんて来ない
だから
今できることを
やるんだって…
小絃の父さんが
最後に
教えてくれた
ことじゃないか」


小絃は、父親の事故死を通し当たり前の明日なんて来ないことをよく知っている。
だから、冴門に会いたくて猫俣の家へ行ってしまった。
小絃が猫俣家の玄関先で見たものは……。
冴門が死ぬのだけは嫌だなぁ。



『僕のオリオン』6巻あらすじ・感想 

6巻は2021年10月25日発売

●あらすじ
エリカの父親・中澤啓自が剪定ばさみを持って猫俣家にやって来た。
啓自は、ハッキングをしていた猫俣に報復、そして自分の娘も痛めつける。
冴門も刺されたが、小絃を逃がす為に渾身の力を振り絞り啓自を殴り倒した。
だが、それと同時に気を失ってしまう。
啓自は意識があり、我が子を含めた4人の高校生を殺そうとする。
小絃は部屋に転がっていた催涙スプレーの缶を手に取り啓自に吹きかけ……。


やっと警察が来てエリカの父親は捕まる
が、冴門は意識不明の重体。
エリカは軽症だったものの、自分の父親の犯行により生死の境をさまよう冴門への責任から声を失い、ストレスで髪も抜け始める。


冴門の父親で俳優の桐生仁は、息子が事件に巻き込まれた事を記者会見で発表。
そうすることで他の3人への世間の興味をそらそうとした。
しかし、ネット上では冴門へのバッシングやあらぬ憶測が飛び交い……。


●感想
嫌なヤツだった猫俣は自分がしてきたことを反省した。
冴門に助けられたというのもあって、世間からバッシングを受けることになる冴門を支えようとする。
更にこれまでハッキングしてきたことを動画を通して発表する。


それにしても、中澤の父・啓自は怖かった。
この父親の八つ当たりは相手が誰でもいいのだ。
自分の娘すら対象になる。


冴門の中学時代の同級生・渦見も執念深くて器が小さい嫌なヤツだ。
まさか1巻で登場した渦見が最終巻の6巻でも出てくるとは思わなかった。
渦見も啓自もネガティブな事に時間と労力を費やして何て馬鹿なんだ。


命の危機があって冴門は変わった。
冴門は面倒事から逃げる傾向があったが、逃げずに留まることを選択する。
今まで苦手だと思っていた世界にも足を踏み入れる。
冴門と小絃の距離は何だか微妙だけど、コミックスの終わりの方に載っていた描き下ろし漫画で5年後が描かれているのが良かった。
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