2019年9月27日公開の西島秀俊さんと西田敏行さんのW主演映画『任侠学園』の原作を読みました。
『任侠書房』から始まるシリーズ第2弾。
今野敏さんの軽快な文章が楽しい。
そして、今の学校や教育について考えさせられます(-_-;)
『任侠書房 (中公文庫)』が面白くて、シリーズ第2弾『任侠学園』も読みました。
『任侠書房』のあらすじ等はこちらの記事に書きました → 今野敏『任侠書房』感想。なぜかヤ○ザを応援してしまう危険な小説
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『任侠学園』あらすじ
阿岐本組は今時珍しい任侠道をわきまえたヤクザである。
組長の阿岐本が学校法人の再建に乗り出した為、代貸の日村も理事として学校に勤務することになる。
井の頭学院高校は、スプレーの落書きだらけ、校庭は荒れ放題、割れた窓ガラスは放置という日村ですら唖然とする荒れようだった。
今時のガキは躾がなっちゃいない。
少しのことで親が学校にクレームをつけてくる。
その上、教師がまるでやる気がない。
面倒事しかない学校の経営立て直しに奔走する中で、日村はある噂を耳にする。
阿岐本組の若い者が渋谷で薬物の売(バイ)をやっていると……。
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『任侠学園』感想
『任侠学園 (中公文庫)』を読みながら、私は元高校教師の知人を思い出した。
その知人は、生徒のカンニングを目撃した。
彼女は生徒を注意し、職員室へ連れて行こうとした。
しかし、その男子生徒が抵抗した為、抑えようと手を伸ばしたら相手の手があたりちょっとだけ爪でひっかいてしまったそうだ。
とりあえずカンニングの件を片付ける為、2人で職員室へ向かうことになった。
が、油断して前を歩く教師に対してその男子生徒は後ろから思いっきり跳び蹴りをくらわせた。
もしも女性教師が妊娠でもしていようものならえらいことである。
翌日、その生徒の親が「先生に暴力をふるわれた!」と学校にやって来た。
私の知人は謝罪を求められたが拒否した。
当然だ。
ひっかき傷はたいしたものではないし、そもそもカンニングを注意されテスト中に暴れた為にできた傷だ。
それより生徒の跳び蹴りの方がよっぽど暴力だ。
しかし、彼女は校長たちに謝罪を強要され、結局バカ親とその愚息に謝罪した。
馬鹿馬鹿しい話であるが、今はそんな世の中なのだ。
『任侠学園』でも、ガラスを割った生徒たちの親どもが学校にクレームをつけにやって来る。
言っていることがほとんど無茶苦茶だ。
読みながら、私の知人も四面楚歌の状態で理不尽に耐えていたのだろうなと思った。
学校の先生ってのは孤独なものだな。
いざって時に体を張って前に出てくれる上司がいない。
同僚もわりと知らん顔だ。
サラリーマンの方がずっとマシだ。
少なくとも私の上司は、私を突き飛ばしてでも前に出たわ(笑´∀`)
大人が本気にならないと子供には伝わらない。
無茶苦茶言っている親たちは、本当は子供のことなんて考えていないと思う。
自分の体裁を保つ為に怒っているのだろう。
それが分かっているから、最近の子供は大人をなめている。
その上、たいへん陰湿だ。
『任侠学園』の主人公はヤクザだけど、忍の一字で耐えている。
「ぶっ殺すぞ、おらー!」で片づくほど楽な世界じゃない。
教師もいっさいの手出しができない。
ほんと理不尽だなぁ。
デコピンくらいしてもいいじゃんって思うわ。
さて、今回もシマを超えて経営に乗り出した阿岐本組にヤバイ大物がシメに登場。
しかし、阿岐本組長は顔が広い。
顔の広さが水戸黄門の印籠並の威力。
日村が命が縮む思いをしているのに、組長の顔で全てが丸く収ってしまう。
だったら始めから話つけといてよ~。
そんなこと絶対口には出せない日村なのだった。
ちなみに、映画で西田敏行さんが演じる阿岐本組長は、小説ではスキンヘッドです。
西島秀俊さんの日村もカッコ良すぎかな。
イケメンだからしゃーないかー。
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ご訪問ありがとうございましたm(_ _)m
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