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〖花菱夫妻の退魔帖 三〗あらすじ・ネタバレ感想!両親の死の真相判明

〖花菱夫妻の退魔帖 三〗あらすじ・ネタバレ感想。
淡路島入りした鈴子と孝冬に心強い味方が現れる。
孝冬の両親の死の真相も判明。
謎多き燈火教は花菱家と因縁があるようで……。

〖花菱夫妻の退魔帖 三〗 

花菱夫妻の退魔帖 三 あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks
■著者:白川紺子
■カバーデザイン:ウチカワデザイン
■カバーイラスト:斎賀時人
■発行:株式会社光文社
■発売日:2024年1月11日



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〖花菱夫妻の退魔帖 三〗登場人物

〖花菱夫妻の退魔帖 三〗あらすじ・ネタバレ感想




〖花菱夫妻の退魔帖 三〗登場人物 

<花菱家>
花菱鈴子 はなびしすずこ 
 瀧川侯爵家末娘でお印は【花】17歳
 母は侯爵家の女中で浅草貧民窟育ち
 『千里眼少女』と呼ばれていた
 淡路の君に選ばれ花菱孝冬に嫁いだ
花菱孝冬 はなびしたかふゆ 
 神職華族花菱家の次男で現当主
 複雑な生い立ちで一時養子に出さた
 淡路島の島神神社の宮司
 商人でもある。[薫英堂]社長
 淡路の君という怨霊が憑いている
淡路の君 あわじのきみ 
 花菱家に取り憑いている上臈の怨霊
 元は花菱家の人間?
 淡路に流された貴人の怨霊を慰めた
 怨霊となってからは霊を喰らう

<花菱家の使用人>
由良慎一郎 ゆらしんいちろう 
 20代の家従で老成している青年
 元は孝冬の兄・実秋に仕えていた
 花菱家が運営する[花祥養育園]出身
 津島わかとは幼馴染み
津島 つしま わか
 二巻~登場。鈴子の小間使い
 由良と同じ[花祥養育園]出身
 由良を「慎ちゃん」と呼ぶ
タカ たか 
 鈴子のお付き
 鈴子が結婚し瀧川家から花菱家へ

<淡路島の花菱家 三巻~登場>
花菱吉衛 はなびしよしえ 
 孝冬の大叔父(実際は叔父)
 気むずかしい老人
 心底孝冬を嫌っているわけではない
 三巻『おくま御前』で亡くなる
花菱吉継 はなびしよしつぐ 
 吉衛の息子
 島神神社の仕事をしている
花菱幹雄 はなびしみきお 
 吉継の息子
 大学では史学を学んでいた
 淡路の君を払いたい孝冬に協力する
花菱富貴子 はなびしふきこ 
 幹雄の妹。バツイチ。子は夫側
 気っ風が良い人で鈴子たちに親切
 幹雄同様、孝冬と鈴子に協力的
花菱喜佐 はなびしきさ 
 吉継の妻で幹雄と富貴子の母
 孝冬を忌み嫌っている
 運転手の副島に入れ込んでいる
 三巻『おくま御前』で副島と駆け落ち

<故人>
花菱実秋 はなびしさねあき 
 孝冬の兄
 お印は【松】6年前に自殺
 三巻で女中・ 園部 そのべらくと恋仲だったと判明
 結婚したがっていた
花菱孝実 はなびしたかみ 
 孝冬の祖父で実父。吉衛の兄
 息子・春実と仲が悪く…
花菱春実 はなびしはるみ 
 孝冬にとっては兄にあたる
 父親として孝冬を育てた
 淡路島で妻とともに水死
 三巻で実は事故死だったと判明
花菱芳乃 はなびしよしの 
 吉衛の妻の妹の忘れ形見で春実の妻
 孝冬を生むが我が子を忌み嫌った
 春実とともに淡路島で水死
 入水自殺と噂された
 三巻で事故死と判明

<三巻>
園部 そのべらく
 三巻で名前だけ出てくる
 [花祥養育園]で女中をしていた
副島 そえじま 
 淡路島花菱家おかかえ運転手で30代
 喜佐と駆け落ちした
 [燈火教]と関わりがありそう

三条のキヨ婆
 巫女
おたみ
 キヨに使える下女
[花祥養育園]の院長
ミエ
 [花祥養育園]の二十歳くらいの娘
 [花祥養育園]の15、6歳の娘



〖花菱夫妻の退魔帖 三〗あらすじ 

『花菱夫妻の退魔帖 三』あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks
≪収録≫
●嘆き弁天
●百日紅の木の下で
●おくま御前

当主・花菱孝冬と妻の鈴子は、神事をこなすため本邸がある淡路島を訪れる。
孝冬を出迎えた大叔父・花菱吉衛は大変な不機嫌ぶりで、その息子・吉継も愛想のカケラもない。
だが、吉継の子である幹雄と富貴子は孝冬に好意的で、鈴子のこともすぐに受け入れてくれた。


淡路島に到着して間もないというのに、吉衛が近くの村の村長を連れて来て孝冬に話を聞くよう命じる。
村長は、村で祀っている弁天様の像からすすり泣きの声がすると話す。
その晩、孝冬と鈴子が村長の案内で弁天像を訪れると確かに泣き声が聞こえる。
しかし、その声は女のものではない。
鈴子と孝冬が弁天像に近づくと、像の背後に男の姿が見え……。


孝冬は、淡路島滞在中に淡路の君について調べようとする。
そこで神社の縁起を見せてもらおうとするが吉衛には取り付く島もない。
そんな様子を見ていた幹雄が、自分が少しずつ写したものがあると言う。
孝冬は、幹雄と富貴子に淡路の君を祓うつもりだと打ち明けるが……。



〖花菱夫妻の退魔帖 三〗ネタバレ感想 

それに関しては孝冬のせいではない。
それでも、孝冬はその出自から身内にすら忌み嫌われる存在である。
吉継の妻・喜佐の言葉は棘があるなどというレベルのものではない。
こんな言葉を吐かれたら血の気が引いて心臓がヒュッと縮んでしまいそうだ。
息をするのも苦しくなるような言葉を喜佐は平気で孝冬に浴びせた。
なんと性格の悪い人だろう。


酷い言葉をぶつけられた孝冬はけろりとしていて傷ついた様子はない。
幼い頃からずっと人から見くびられ侮られて育ってきたせいか、言葉の暴力に慣れきっているようだ。
孝冬のこの鈍感さは自分を守る手段として身についたものだろう。
守ってくれる人がいなかった孝冬には、相手の悪意を受け入れる方が生きやすかったのかもしれない。


孝冬に代わって怒ったのは鈴子だ。
「つぎに喜佐さんがあなたに無礼なことをおっしゃったら、わたしはあのかたを張り倒します」 
(51ページから引用)
孝冬に対してキッパリ言い切った鈴子、カッコ良すぎる。
喜佐が暴言を吐こうものなら鈴子は本当に平手の一発もお見舞いしそうで、想像したら胸がすく思いがした。


あんなに底意地が悪い喜佐に育てられたとは思えないほど、子供の幹雄と富貴子は親しみやすい性格だ。
ふたりは、淡路の君を祓いたいと言う孝冬と鈴子に協力してくれる。
孝冬は鈴子を嫁にもらったおかげで、身内の中に味方を得ることもできたし、大叔父の吉衛もそれほど怖い人物ではないことを知ることができた。
諦めて生きてきた孝冬の世界も人間関係も広がった。
自分の人生を良い方に変えてくれた鈴子を孝冬が崇めるのは当然だろう。


淡路島にいる間に、孝冬は両親の死の真相を知ることになった。
ずっと自分のせいで両親が心中したと思っていた孝冬にとって少しは心が軽くなったかもしれない。
それでも、長年悩み苦しんでいたことを思えば、なぜその時に正直に告白してくれなかったのかと黙っていた人物を責めてもおかしくないだろう。
孝冬は責めるどころか許し相手を慮る。
孝冬は辛い環境の中でも心を歪ませることなく生きてきたのだなあ。
鈴子以外の人達にもちゃんと優しい。


孝冬の優しさに目を潤ませながら読んでいると、喜佐がやらかしてくれる。
喜佐は最後まで最低な女だった。
喜佐は、おかかえ運転手・副島と駆け落ちしたのだ。
しかも副島は燈火教の信者と思われる。
これまで孝冬と鈴子が関わってきた事件にも、燈火教の信者である運転手と駆け落ちした人達がいた。
信者、運転手、駆け落ち…何を企んでいるのやら。


実は、孝冬の亡くなった兄も燈火教と関わりがあったようだ。
しかも、淡路島に好きな女性がいて結婚したがっていたらしい。
ひょっとしたらそのあたりのことが自殺の原因なのかも。
いや、殺害されたという線もあるか。
大昔の因縁から現代の因縁まで、花菱家はまだまだ謎が多い。
これらの線がどこかで絡み点になったら、鈴子が貧民窟にいた頃の事件の真相も判明するのだろうか。
『花菱夫妻の退魔帖 三』あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks

☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。

ご訪問ありがとうございました(´∀`)

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