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〖京都くれなゐ荘奇譚(二) 春に呪えば恋は逝く〗あらすじ・感想。呪術幻想ミステリー第2弾

〖京都くれなゐ荘奇譚(二)春に呪えば恋は逝く〗あらすじ・ネタバレ感想。
白川紺子さんの呪術幻想ミステリー〖京都くれなゐ荘奇譚〗シリーズ第2弾。
新キャラが数人登場でますます盛り上がる恋と呪いの物語。

京都くれなゐ荘奇譚(二)

春に呪えば恋は逝く 
『京都くれなゐ荘奇譚(二) 春に呪えば恋は逝く』 あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks
著者:白川紺子
装丁:こやまたかこ 装画:げみ
本表紙デザイン、ロゴ:川上成夫
発行:株式会社PHP研究所
発売日:2022年7月7日



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〖京都くれなゐ荘奇譚(二) 春に呪えば恋は逝く〗あらすじ・ネタバレ感想

 【壺法師】
 【春に呪えば恋は逝く】
 【龍神の花嫁】
 【番外編 枯色桜】



〖京都くれなゐ荘奇譚〗シリーズ用語 

≪蠱師(まじないし)≫
邪霊を祓う者。

≪邪霊(じゃれい)≫
死霊、呪い、悪い気のたまり場など禍々しいものをひっくるめて蠱師はそう呼ぶ。
現れる時は“ストーブの熱でセーターが焦げたときのような、いやなにおいがした”(1巻8ページ)とあり、煤けた黒い陽炎のように見える。

≪職神(しきがみ)≫
神麻績神社(かんおみじんじゃ)が祀っている天白神(てんぱくしん)から蠱師が借りて使う使役霊(しえきれい)のこと。
麻績家の職神は狼の姿。

≪呪禁師(じゅごんし)≫
天武天皇時代に中国から朝鮮半島経由で渡来した蠱師と医師を合わせたような者たち。

≪千年蠱(せんねんこ)≫
呪詛により生み出された蠱物(まじもの)であり呪禁師として渡来した。
麻績家の先祖・麻績王が正体を見破った。
多気女王に裏切られたと勘違いし職神を使って彼女が乗った舟を沈めた。
過去の記憶を持ったまま生まれ変わる。

≪麻績王(おみのおおきみ)≫
蠱師の長で麻績家の先祖。
千年蠱の正体を見破り禍を説いたが流刑になり一族は散り散りになった。

≪多気女王(たきのおおきみ)≫
麻績王の娘で神を降ろせる巫女。
千年蠱を倒せる唯一の者であったが千年蠱を愛し、一族の裏切り者となった。
誤解した千年蠱に“千年蠱が生まれ変わる時に生まれ変わってこの世に生を受けるが必ず二十歳までに邪霊に食われて死ぬ”呪いをかけられた。



〖京都くれなゐ荘奇譚(二) 春に呪えば恋は逝く〗登場人物 

  麻績澪 おみみお 
 長野県麻績村蠱師一族麻績家の娘
 呪詛により二十歳まで生きられない運命
 生き抜く為に八尋に弟子入りした
 漣とは表向き従兄だが実の兄妹
 京都へ移り住み高校2年に進級

麻績漣 おみれん 
 澪の実の兄(戸籍上は従兄)
 邪霊に襲われる澪を守るのが使命
 九節の杖刀で祓う
 澪を守る為に京都の大学に入学
 日下部出流と出会うが……

凪高良 なぎたから 
 本当の名前は“  巫陽 ふよう 
 何度も生まれ変わり邪霊を食う“千年蠱”
 凪高良の前は“汐見直弥”であった
 和邇学園の高校生

<麻績つながり>
  忌部玉青 いんべたまお 
 くれなゐ荘の管理人でよく喋る明るい人
  忌部朝次郎 いんべあさじろう 
 くれなゐ荘の管理人で忌部玉青の夫
 元蠱師で忌部秋生の孫世代にあたる
 日曜の朝はパンを焼く

  麻生田八尋 おうだやひろ 
 くれなゐ荘の下宿人で蠱師、澪の師匠
 麻績の親戚筋で三重県の員弁出身
 潮に頼まれ澪の京都での様子を逐一報告

  忌部秋生 いんべあきお 
 明治41年生まれ昭和5年死亡
 1巻で成仏したが高良の住まいで幽霊化
 青海が苦手で彼の前では姿を見せない

日下部出流 くさかべいずる 
 漣と同じ大学の新入生で漣の友達になる
 若日下王の為に作られた部民・海人族
 大阪の河内の日下部一族

<和邇つながり>
  和邇青海 わにあおみ 
 20代半ばで和邇一族
 叔父の命令で高良の世話役を務める
 妹の波鳥を澪の護衛につける
和邇波鳥 わになとり 
 兄・青海の指示で澪を護衛する為に転校
 邪霊は祓えないが実は巫女
 叔父の愛人・美登利にいびられていた
 見かねた澪と漣がくれなゐ荘へ連れて行く

<職神たち>
おろし 
おぼろ 
 漣の職神で姿は狼

於菟 おと 
 高良の職神で虎の姿をしている
夜尺斯 やさかし 
 高良の職神で姿は烏
 澪を監視している

雪丸 ゆきまる 
 澪の職神で白い小さな狼
 本当は職神ではなく神使い
 雪丸を使うと澪は心身共に消耗する
照手 てるて 
 元は忌部秋生の職神で姿は狸
 秋生の死後は野良職神になっていた
 澪になつき澪の職神となった
 今のところくつろいでいるだけ

松風 まつかぜ 
 麻生田八尋の職神で姿は白い狐
 麻績家の狼とは相性が悪い
村雨 むらさめ 
 八尋の攻撃型職神
 扱いが難しいので普段は使役していない

<そのほか>
小倉茉奈 おぐらまな 
 京都の学校で澪の初友達、陸上部所属
 2年でも澪と同じクラスになる

☆.。₀:*⭐︎゜✲゜*:☆.。₀:*⭐︎゜✲゜*:

【壺法師】
●黒柿成一
 「しゃもじさま」という壺のお祓いを依頼
●黒柿昇一
 成一の父親で死ぬまで壺を崇め奉った
●住職
 八尋に黒柿家と壺について教えてくれる

【春に呪えば恋は逝く】
●古森富子
 澪と漣が出会った老女
 橋の幽霊について心当たりがある
●喜美恵
 富子の友達で材木商の息子・和郎に嫁いだ
 その晩に自殺したと思われていたが……
●桂女
 橋に呪詛をかけた

【龍神の花嫁】
●美登利
 和邇家の使用人頭
 青海と波鳥の叔父・和邇当主の愛人
 波鳥をいびっている
●岩瀬優
 八尋の後輩で木沢村役場の職員

【番外編 枯色桜】
●森下満梨華
 出流が合コンで出会った
 部屋に幽霊がいる
●幸恵(旧姓大橋)
 満梨華の祖母で結婚前は芸妓だった
●エツ子
 幸恵の芸妓仲間
●柴田
 幸恵とエツ子の過去を知る人



〖京都くれなゐ荘奇譚(二) 春に呪えば恋は逝く〗あらすじ 

【壺法師】
二十歳まで生きられない運命を変えようと麻績澪が長野から京都へ越して半年。
もうすぐ春休みである。
澪は強くなる為、くれなゐ荘の下宿人で親戚でもある蠱師・麻生田八尋に弟子入りしている。
師匠・八尋が受けた依頼は、「しゃもじさま」を祓うこと。
澪は八尋について黒柿家を訪ねる。

依頼人の黒柿成一はまだ52歳だと言うのに実年齢より相当老けて見えた。
床の間には成一の父親・昇一が毎日拝んでいた「しゃもじさま」と呼ばれる飴色の壺が置かれている。
成一の話では、その壺を崇め奉ることで黒柿家は大なり小なり何か商売を始めると儲けることができた。
しかし、代わりに家族が病気になったり怪我をしたりするのだと言う。

昇一は家族の言うことには耳を貸さず壺をあがめ、ついに成一の妹が死んだことが決定打となり母親は家を出た。
成一も高校卒業後、家には寄りついていなかった。
昇一が亡くなり、成一は壺を処分しようと決心したのだが……。


【春に呪えば恋は逝く】
澪の実の兄(戸籍上は従兄)の麻績漣は、澪を邪霊から守る為に京都の大学に進学、春から澪の下宿先くれなゐ荘に下宿する。
漣は澪と2人で邪霊を祓う修行をしようと考える。
途中まで八尋に車で送ってもらい、邪霊がいる橋へ向かった漣と澪は、花を供えている老女と出会う。
老女はこの場所で身投げした花嫁について語ってくれ……。


【龍神の花嫁】
澪は高校2年生になる。
始業式の日、澪は邪霊に追われている女生徒を目撃し助けに向かう。
とても弱々しそうなその生徒は和邇波鳥と名乗った。
波鳥の兄の和邇青海は凪高良の世話役だ。
波鳥は、青海から澪を護衛するよう言われ和邇学園から転校して来たのだ。
和邇本家当主である波鳥の叔父は、千年蠱である高良を澪が祓うようなら亡き者にしようとしているらしい。

八尋は後輩で現在は木沢村役場の職員・岩瀬優からお祓いを頼まれていた。
同じ時に漣は、大学の友人・日下部出流に幽霊が出ると有名な木沢村へ一緒に行こうと誘われていた。
目的地が同じであったことから、八尋、澪、漣、出流は一緒に村へ向かうが……。


【番外編 枯色桜】
木沢村に行った翌週、日下部出流が麻績漣に頼み事をもちかけてくる。
木沢村で出流は漣の妹・澪に矛を向け、麻績の動きを知る為に漣に近づいてきたことが判明したばかり。
漣は大いに腹を立てていたが、出流はケロッとしている。

出流が合コンで知り合った森下満梨華のマンションに着物姿の幽霊が出る。
出流は、神社の息子の麻績漣ならば霊を祓えると満梨華に話したと言う。
出流の面の皮の厚さに張り飛ばしたくなったが、漣は件のマンションへ向かう。
『京都くれなゐ荘奇譚(二) 春に呪えば恋は逝く』 あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks



〖京都くれなゐ荘奇譚(二) 春に呪えば恋は逝く〗ネタバレ感想 

壺と言えばわりとタイムリーなネタだな。
本が発売されたのは7月7日なので、あれとは関係ないのだけどね。


黒柿成一は、儲けることに固執して壺をあがめる父親を軽蔑していた。
しかし、そんな背景があっても人はやっぱりお金の魅力には抗えないのだ。
成一は素人の浅はかさで依頼したらすぐに祓ってもらえると思っていた。
だが、お祓いをするには過去に遡って様々な背景や歴史やら調べる必要がある。
訳も分からんと祓ったら逆にどんな厄災に見舞われるか分からない。
「人を呪わば穴二つ」で呪った方も呪詛を破られれば自分に呪いが返る。
だから、そう簡単に解けないようにしてあるのだ。


漣は、澪の為にいろんな事を犠牲にしている子なのでとても気になるキャラだ。
妹の澪を守るのが使命の為、京都の大学も漣の将来の目標とか関係なく、ただ妹のそばにいる必要があるから進学しただけだ。
妹が死ぬよりはマシかもしれないが、子供の頃から漣には夢とか希望とかないみたいで、しんどい人生に思える。
妹中心に生活してきた漣には友達もいなかったが、入学式当日に声をかけられた日下部出流と友達になった。
しかし、彼も蠱師一族の者で漣を利用していたと判明。
ちょっと漣が可哀想だな。


和邇一族の和邇青海と波鳥兄妹は、今後澪の味方になってくれそうだな。
和邇の当主は青海たちの叔父だが、『叔父』という漢字の使い方から、青海たちの父母どちらかの弟にあたると思われる。
兄なら『伯父』だろう。
その叔父は、父母がいない青海たちを育てると言うより使用人として働かせてきたような人らしい。
その上、愛人の美登利の性根の悪さから叔父はろくなもんじゃない気がする。


【龍神の花嫁】で、澪は和邇の家を訪ね、美登利に暴力を振るわれて怪我をしていた波鳥を放っておけなくなる。
邪霊を祓いに行った時は波鳥は無傷だったのに、帰宅してただの人間に怪我させられるなんて、美登利は邪霊以上に邪悪なババアじゃねーか。
澪と漣は美登利の隙を突いて、最低限の荷物ともに波鳥を連れ出した。
翌日、兄の青海がきちんと手続きをし、波鳥はくれなゐ荘の下宿人になった。
叔父にしてもその愛人の美登利にしても恐怖で波鳥を支配していた人達だ。
くれなゐ荘での澪たちと暮らし、クラスメイトで何かと気が利く小倉茉奈と一緒に過ごしているうちに、波鳥が自分のことを好きになっていけばいいなと思う。


ところで、元は秋生の職神だった狸の照手。
まだまだ何の活躍もしない。
だいたい寝ているので普通のペット状態だ。
でも、実は凄い力を秘めてるっぽいので、その力が発揮される時が楽しみだ。
『京都くれなゐ荘奇譚(二) 春に呪えば恋は逝く』 あらすじ・ネタバレ感想 tataraworks

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