大海とむ著〖悪し妻かたり〗1巻~3巻あらすじ・ネタバレ感想。
蛇神の加護を受ける恐ろしい“稀代の悪妻”と名高い水松女は、夫の仇に嫁ぐ。
水松女は噂通り極悪非道な女なのか?
蛇神の加護を受ける恐ろしい“稀代の悪妻”と名高い水松女は、夫の仇に嫁ぐ。
水松女は噂通り極悪非道な女なのか?
〖悪し妻かたり〗
■著者:大海とむ
■カバーデザイン:
黒木香+ベイブリッジ・スタジオ
■発行:株式会社小学館
■カバーデザイン:
黒木香+ベイブリッジ・スタジオ
■発行:株式会社小学館
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〖悪し妻かたり〗登場人物
★登場人物
〖悪し妻かたり〗あらすじ・ネタバレ感想
〖悪し妻かたり〗登場人物
● 水松女
蛇神の加護を受ける荒迪家の娘
夫・屋鉄を討ち取った加左吉次郎と再婚
“稀代の悪妻”と名高いが実は男性恐怖症
夫・屋鉄を討ち取った加左吉次郎と再婚
“稀代の悪妻”と名高いが実は男性恐怖症
● 加左吉次郎宗清
加左家の次男
兄・小太郎(こたろう)に疎まれている
兄の命令で水松女を娶った
兄・小太郎(こたろう)に疎まれている
兄の命令で水松女を娶った
●蛇神
荒迪の土地神で荒迪家の娘についている
娘は子を産めば婚家に隆盛をもたらす
娘は子を産めば婚家に隆盛をもたらす
<吉次郎の家臣>
● 加左孫四郎
加左の分家出身で吉次郎に仕える
蛇女・水松女が殿の妻など許せない
蛇女・水松女が殿の妻など許せない
● 間垣左馬之介
吉次郎に仕える家臣
●つゆ
吉次郎と孫四郎の乳母で侍女頭
<水松女を慕う人達>
● 美与
● 喜久
屋鉄の妻だった頃の水松女の侍女たち
加左家にもついてくる
加左家にもついてくる
● 源太
● 佐介
屋鉄の領地の民で下働き
糧を与えてくれた水松女に感謝している
●いと
糧を与えてくれた水松女に感謝している
●いと
里長の娘で吉次郎の側女候補に選ばれる
元屋鉄の側女で水松女に恩がある
元屋鉄の側女で水松女に恩がある
● 玄恵
3巻~登場
怪我をした吉次郎の治療に呼ばれた僧
以前も水松女を助けてくれた
☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:
― 1巻 ―
― 1巻 ―
● 屋鉄長治
蛇神の加護欲しさに水松女を妻にする
子ができぬ水松女をいたぶり続けた
● 荒迪重郷
家を守ることしか考えていない水松女の父
〖悪し妻かたり〗1巻あらすじ・ネタバレ感想
●あらすじ
蛇神の加護を受ける荒廸家の娘は、婚家に繁栄をもたらす。
その荒迪家の娘・水松女は、夫の屋鉄長治を討ち取った若武者・加左吉次郎宗清に娶られることになる。
だが、5年も屋鉄の子をなすことができなかった上、恐ろしい“悪妻”と名高い水松女を加左家で快く思う者はいない。
その荒迪家の娘・水松女は、夫の屋鉄長治を討ち取った若武者・加左吉次郎宗清に娶られることになる。
だが、5年も屋鉄の子をなすことができなかった上、恐ろしい“悪妻”と名高い水松女を加左家で快く思う者はいない。
屋鉄の領地は、戦の報奨としては不十分な貧しい土地だ。
その上、奥方として迎えるのは屋鉄の元妻で子供を産めない蛇女。
家臣も領民も吉次郎に同情する。
特に加左の分家出身の加左孫四郎は、ことある度に化けの皮を剥ぐ勢いで水松女に辛くあたるのだ。
それでも、吉次郎だけは水松女を噂だけで判断することはなかった。
その上、奥方として迎えるのは屋鉄の元妻で子供を産めない蛇女。
家臣も領民も吉次郎に同情する。
特に加左の分家出身の加左孫四郎は、ことある度に化けの皮を剥ぐ勢いで水松女に辛くあたるのだ。
それでも、吉次郎だけは水松女を噂だけで判断することはなかった。
ところが、水松女が隠れて領民を使い畑を耕していたことが知られ……。
2020年6月10日発売
●感想
大海とむさんはファンタジー系のお話が得意な漫画家さんで、コミックスのカバー絵はだいたい男女がいちゃこらしている。
これまで彼女の本を買ったことはなかった。
『悪し妻かたり』は知恵を使って逆境を生き抜くたくましい女性が主人公で、コミックスの和テイストのカバー絵が気に入って購入することにした。
これまで彼女の本を買ったことはなかった。
『悪し妻かたり』は知恵を使って逆境を生き抜くたくましい女性が主人公で、コミックスの和テイストのカバー絵が気に入って購入することにした。
夫だった屋鉄長治は山賊まがいの男で、水松女は無理矢理さらわれて妻にされた挙句、暴力をふるわれ、十分な着物も食べ物も与えられず、正妻でありながら何とか生き抜く日々を送っていた。
水松女にとって、屋鉄が討ち取られたのは逆に有難かっただろうと思う。
水松女にとって、屋鉄が討ち取られたのは逆に有難かっただろうと思う。
吉次郎の身内で幼い頃から一緒にいる家臣・加左孫四郎は、水松女の悪い噂を信じ、威嚇するかのように大きな声を出す。
孫四郎の思い込みフィルターはそう簡単に消し去れそうにない。
領民にも蛇女と恐れられ、夫の一番の臣下には常に牙を剝かれるという針のむしろ状態で水松女が気の毒になる。
孫四郎の思い込みフィルターはそう簡単に消し去れそうにない。
領民にも蛇女と恐れられ、夫の一番の臣下には常に牙を剝かれるという針のむしろ状態で水松女が気の毒になる。
でも、夫の吉次郎は器が大きく勇敢な人だ。
蛇神を見たのに引かない。
あれを見ても妻として大事にしようと思ってくれるなんて、吉次郎みたいな優しい人が夫で良かった。
だからって水松女の男性恐怖症が治るわけでもない。
水松女の心がほどけるには時間が必要だと吉次郎は理解しているけれど、武士の妻の責任を考えると水松女を取り巻く状況は厳しい。
家臣どもが側女の準備を始めたからね。
蛇神を見たのに引かない。
あれを見ても妻として大事にしようと思ってくれるなんて、吉次郎みたいな優しい人が夫で良かった。
だからって水松女の男性恐怖症が治るわけでもない。
水松女の心がほどけるには時間が必要だと吉次郎は理解しているけれど、武士の妻の責任を考えると水松女を取り巻く状況は厳しい。
家臣どもが側女の準備を始めたからね。
〖悪し妻かたり〗2巻あらすじ・ネタバレ感想
●あらすじ
“悪妻”よりも美しい側女を。
水松女の悪評を信じる家臣達は、どうにか正妻である水松女を遠ざけようと育ちのしっかりした美女を侍女として屋敷に入れ始める。
殿の手がついて側女になること期待しているのだ。
水松女の悪評を信じる家臣達は、どうにか正妻である水松女を遠ざけようと育ちのしっかりした美女を侍女として屋敷に入れ始める。
殿の手がついて側女になること期待しているのだ。
吉次郎は、屋鉄からひどい暴力を受けていた水松女が男性恐怖症であることも理解してくれている。
だが、水松女は妻であることは荷が重く、自分は母屋から離れ人目につかずに暮らしたいと吉次郎に告げる。
家臣の加左孫四郎は、水松女が一歩引こうとも存在自体が気に入らない。
水松女が側女候補のいとに害を与えようとしていると勘違いした孫四郎は、本性を現したなと大声で水松女を責め立て……。
だが、水松女は妻であることは荷が重く、自分は母屋から離れ人目につかずに暮らしたいと吉次郎に告げる。
家臣の加左孫四郎は、水松女が一歩引こうとも存在自体が気に入らない。
水松女が側女候補のいとに害を与えようとしていると勘違いした孫四郎は、本性を現したなと大声で水松女を責め立て……。
2021年8月10日発売
●感想
屋鉄の元で水松女と苦楽をともにした侍女の美与と喜久。
彼女達も男の人が怖いだろうに、怒り心頭に発した美与は孫四郎を「卑怯者」呼ばわりし、更に「恥を知れ」まで付け加える。
水松女を「おのれ」呼ばわりし化け物として扱っている孫四郎の態度に苛々していたので、美与ちゃん、よく言った、と彼女の勇気に拍手だわ。
彼女達も男の人が怖いだろうに、怒り心頭に発した美与は孫四郎を「卑怯者」呼ばわりし、更に「恥を知れ」まで付け加える。
水松女を「おのれ」呼ばわりし化け物として扱っている孫四郎の態度に苛々していたので、美与ちゃん、よく言った、と彼女の勇気に拍手だわ。
一度思い込んだら他の考えを受け付けない孫四郎だが、さすがに自分の考えが誤っていたのではないかと思う時がくる。
水松女が屋鉄時代に庵として使っていた場所に行った孫四郎。
庵が正室が使っていたとは思えないボロッボロの崩れ落ちそうな小屋だったことに驚き、自分の水松女への考えが正しいのかどうか分からなくなる。
水松女が屋鉄時代に庵として使っていた場所に行った孫四郎。
庵が正室が使っていたとは思えないボロッボロの崩れ落ちそうな小屋だったことに驚き、自分の水松女への考えが正しいのかどうか分からなくなる。
孫四郎は世間知らずなんだろうと思う。
誰かに悪いことを吹き込まれたら、そういうもんだと思い込んでしまう。
水松女のことも噂話を鵜呑みにし事実確認もせず色眼鏡で見ている。
でも、思い込みが激しいからこそ、一旦味方になってくれれば裏切ることもなく、鬼に金棒なのかもしれないなぁ。
誰かに悪いことを吹き込まれたら、そういうもんだと思い込んでしまう。
水松女のことも噂話を鵜呑みにし事実確認もせず色眼鏡で見ている。
でも、思い込みが激しいからこそ、一旦味方になってくれれば裏切ることもなく、鬼に金棒なのかもしれないなぁ。
〖悪し妻かたり〗3巻あらすじ・ネタバレ感想
●あらすじ
加左吉次郎宗清は、南門の修復見回り中に積んであった材木が崩れ、山の民の子らをかばい怪我を負う。
吉次郎の治療に呼ばれた近在の僧・玄恵は、今は吉次郎の妻である水松女にとっても命の恩人であった。
元夫の屋鉄長治に酷い暴力を振るわれていた水松女の為に、侍女の美与と喜久が屋鉄の目を盗んで助けを求めたのが玄恵だった。
それを知った吉次郎は、玄恵に感謝を伝え頭を下げる。
吉次郎の治療に呼ばれた近在の僧・玄恵は、今は吉次郎の妻である水松女にとっても命の恩人であった。
元夫の屋鉄長治に酷い暴力を振るわれていた水松女の為に、侍女の美与と喜久が屋鉄の目を盗んで助けを求めたのが玄恵だった。
それを知った吉次郎は、玄恵に感謝を伝え頭を下げる。
恐ろしい“悪妻”と言う水松女の噂を信じて、水松女を疎み、きつくあたることもあった家臣の加左孫四郎は、これまでの自分の態度に胸を痛めるようになる。
怪我で右腕を使えない吉次郎を世話する水松女の様子見て、ほかの家臣達も考えを改め始める。
そして、ついに孫四郎は水松女を正室と認めるのだった。
怪我で右腕を使えない吉次郎を世話する水松女の様子見て、ほかの家臣達も考えを改め始める。
そして、ついに孫四郎は水松女を正室と認めるのだった。
仲睦まじい吉次郎と水松女。
だが、未だ水松女の男性恐怖症は克服されておらず……。
だが、未だ水松女の男性恐怖症は克服されておらず……。
2022年10月7日発売
●感想
前の夫・屋鉄長治の酷い暴力により、体中切り傷ややけど痕がある水松女。
何度か生死の境を彷徨い、玄恵に救われた。
15ページでそれを知った吉次郎は、玄恵に
何度か生死の境を彷徨い、玄恵に救われた。
15ページでそれを知った吉次郎は、玄恵に
「俺の手元まで
水松女どのを
護ってくれた
恩人だな」
水松女どのを
護ってくれた
恩人だな」
と言う。
そして、水松女の為に頭を下げる。
そして、水松女の為に頭を下げる。
特に大きなコマ割もされておらず、サラッとした流れの台詞なのだけど、私は吉次郎の優しさにじ~んときたわ。
でも、この台詞がサラッと扱われるくらい、この後もどんどん吉次郎の水松女へのキュン台詞が出てくる。
照れるわ~、ほんと照れる(〃▽〃)
でも、この台詞がサラッと扱われるくらい、この後もどんどん吉次郎の水松女へのキュン台詞が出てくる。
照れるわ~、ほんと照れる(〃▽〃)
さて、蛇神の加護を受けている水松女は、動物に嫌われやすい。
ところが、屋敷で飼っている犬が産んだ仔犬の中に1匹だけ水松女になつく仔がいて、小屋を抜け出して水松女の元にやって来る。
ひょっとしてこのワンちゃんが蛇神の呪縛を解く鍵、だとか?
目が開いていない頃から水松女の前に現れ、動き回れるようになってからも水松女を探して何度も小屋を抜け出していたくらいだ。
ただ可愛いだけ、では終わるまい。
ところが、屋敷で飼っている犬が産んだ仔犬の中に1匹だけ水松女になつく仔がいて、小屋を抜け出して水松女の元にやって来る。
ひょっとしてこのワンちゃんが蛇神の呪縛を解く鍵、だとか?
目が開いていない頃から水松女の前に現れ、動き回れるようになってからも水松女を探して何度も小屋を抜け出していたくらいだ。
ただ可愛いだけ、では終わるまい。
水松女は屋鉄の元で地獄の日々を過ごした。
だけど、吉次郎の元に嫁いでからは人生が上向いてきた。
夫婦披露の宴に吉次郎の兄の傅役もやって来ると聞いた水松女は一計を案じるようで、それがどんな策が楽しみだ。
だけど、吉次郎の元に嫁いでからは人生が上向いてきた。
夫婦披露の宴に吉次郎の兄の傅役もやって来ると聞いた水松女は一計を案じるようで、それがどんな策が楽しみだ。
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