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思いやりは人間の本性
- 一、幸せに暮らすこと
- 私たち誰もが願うこと。それは幸せに暮らすことです。
- そのことは、赤ちゃんの時も、若い時も、老後も同じです。
- 二、赤ちゃんの願いは
- このように赤ちゃんの時でさえ、幸せを求めています。と云うことは、
- 幸せを求めるのは本能であり、自然現象であって、難しいことではないのです。
- 三、「安らぎ」を楽しむのが幸せ
- そこで一歩踏み込んで、「幸せとは何か」と問うてみましょう。
- 考えは人それぞれだと思いますが、「安らぎのある生活を楽しむこと」
- が幸せだと思います。
- 四、赤ちゃんの判断は胎内がもと
- ここに一つの謎があります。それは、赤ちゃんが自分の環境が安らぎかどうかを、
- どのようにして判断するのかということです。赤ちゃんは風呂が好き、
- 柔らかいスキンシップが好き、揺れることが好き、音楽が好きなど、
- 赤ちゃんの好みはわれわれにもよく分かります。
- その赤ちゃんの判断は胎児のときの体験に根ざしているのです。
- 風呂は羊水、スキンシップは子宮の壁、揺れは母親の歩行、
- 音楽は心臓・静脈・腸・声などの音といった胎内での記憶が、
- 赤ちゃんの安らぎの判断基準のもとになっています。
- 五、胎児にも判断がある
- さらに一歩踏み込んで、胎内体験が安らぎか否かを、
- どのようにして胎児が判断するのか考えてみましょう。
- まだ体験の少ない胎児には、判断をあおぐ相談相手は、遺伝子以外にありません。
- 遺伝子が「子宮内環境は安らぎだよ」と教えてくれるから、
- 胎児にその記憶が安らぎの判断基準になり、心に焼きついて生涯、心から離れないのです。
- 胎内の安らぎは先祖が遺伝子によって伝えてきた人間の本性です。
- 六、「思いやり」は本性です
- 本性とは、すべての人が心の奥に持っている性質ということです。
- そして、安らぎを求める本性には、「相手を思いやる性質」も含まれています。
- そのわけは、安らぎは互いを思いやる心によってはじめてもたらされるからです。
- 自分だけでは安らぎにはならないのです。安らぎを求める赤ちゃんは、
- 同時に思いやりのある行動をたくさんするのが観察されます。
- 安らぎを求める心は本性です。同時に、思いやりも本性だと思われます。
- 七、赤ちゃんの「思いやりの本性」を引き出すこと
- 初期の育児で赤ちゃんをよく抱いてあやすと、心の奥の遺伝子が持つ
- 「思いやりの本性」が刺激されて、心の表面に引き出されます。
- そこで思いやりのある人間の生活がスタートするのです。
- 『抱かれる子どもはよい子に育つ』と云えるのは抱けば
- 「思いやりの本性」を刺激するからです。
- 八、大人の「思いやりの本性」を刺激しよう
- 若者や大人も、赤ちゃんのように、思いやりの本姓を刺激することが可能です。
- その刺激方法は、思いやりの気持や、感謝の心を、心の奥底に強く願うことです。
- その方法は、静かにゆっくりと25秒ほど息を吐きながら願うことです。
- すると心の奥に伝わることでしょう。
- 九、「思いやりの本性」を活用しよう
- 人間の思いやりの本姓を、一層刺激することによって、弱者へのいじめや、
- 凶悪犯罪の防止にも大いに役立つことでしょう
- 元・京大医学部講師 石田 勝正
- 『生きる原点』愛光出版 『抱かれる子どもはよい子に育つ』PHP研究所
- 『心って何だろう』麗澤大学出版会
- 第16回 ヒューマンふれあいコンサート 主催:経糸の会
- ロームシアター京都 オープニング記念事業 2016年5月22日(日)