指導に当たる立場に「コーチ」という役割があります。この言葉の語源は、馬車で相手の望むところまで送り届けるという意味からきているのだそうです。昨今、よく耳にする「コーチング理論」は、子どもを育てる根本的な考え方としても生かせます。その理論の根幹に、「PATROL」(パトロール)という合言葉があるので、紹介します。
Process「結果ではなく経過を重視しましょう。」
Acknowledgement「子どもを承認しましょう。」
Together「一緒に楽しみ、一緒に考えましょう。」
Respect「尊敬しましょう、尊重しましょう。」
Observation「よく観察しましょう。」
Listening「話をよく聴きましょう。」
先日、大阪の高校のバスケットボール部員が自殺したというニュースがありました。生徒は自殺する前日の22日、顧問の男性教諭から30〜40回、平手で顔をたたかれたと話し、主将を辞めたがっているようだったといいます。
スポーツを通して人を育てる立場のものが起こした事件です。人の尊厳をないがしろにして勝利を生み出しても、それには何の意味も価値もありません。指導者の資質を問われるべきです。この指導者に、Acknowledgement、Together、Listeningなどがあったとは思えません。単にそのスポーツの元選手であったからという理由だけで、安易に指導につくとこのようなことが起こります。指導にあたるものは、スポーツ指導者の資格を取得してからにしてほしいものです。
人として尊敬できる立派な指導者もたくさんいます。私も、すばらしい指導者のおかげでこれまで空手道を続けることができました。しかし、スポーツの世界に、未だにこのような非科学的な根性主義者が幅をきかせていることを憂います。
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