アルバム・オリジナル曲5曲めは「二度泣き橋」です。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=DNgIgaJ6AgE
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/209671/
岩手県盛岡市を舞台にした曲と言えば、Kiinaは「石割り桜」を歌っていますが、そちらも「二度泣き橋」も作詞は喜多條忠先生ですね。
「二度泣き橋」とは盛岡市内に架かる開運橋の別名です。
単身赴任などで盛岡に来た人が「寒いし孤独だし」で泣いて過ごしていたのが、地元の人たちの優しさ温かさに触れているうちに都会に戻る時には去り難くてもう一度泣くという、盛岡の人たちの人情を表した言葉とされています。
コンサート会場の盛岡市民文化ホールは駅そばですぐに新幹線に乗れるので、私も何度も参加しています。その中でKiinaご自身が回を重ねるごとに「盛岡大好き!」になっていくのが手に取るように分りました。
盛岡、というか岩手の方は皆さんとても控えめで遠慮がちで、合いの手でも振りでも決して派手な反応を返さないのですが、よくよく見てみれば笑顔と温かい拍手でコンサートを心から楽しんでいることが分かるのです。
そんな空気感は他の会場では感じなかったものでした。
Kiinaはどのコンサート会場に行っても開口一番に「日本全国数々回りましたが、今日のこの会場が日本一です!」とお話ししますね。すかさず西さんが「昨日は○○が日本一とおっしゃっていました。明日は△△が日本一になる予定です」と会場の爆笑を誘うのがお約束になっています。
映画「ローマの休日」で各国歴訪を終えたアン王女が記者会見で「どこの国が印象に残っていますか?」と訊かれて「どの国もそれぞれに…」と言いかけて、思わず「ローマ!」と本心を口にしてしまうシーンがあります。
Kiinaが「盛岡、岩手が大好き!」とお話しする時は、単なるリップサービスでなくアン王女と同じように本心から出た嘘偽りのない言葉なのだろうと思います。
この年の11月2日の盛岡コンの時のことです。
「一剣」を歌い終えた後、Kiinaが突然涙を流し、「あったかいですねえ…」と声を詰まらせながらつぶやきました。
「気を張りながら強気でやってますけど。盛岡の皆さんの温かさに感動しながらコンサートをさせていただいています」と。
その時会場の皆さんが特別なことをしたわけではなかったのです。むしろ掛け声なども他の会場に比べたら遠慮がちだったかもしれません。
それでも、鎧で固めていた心をほぐしてしまうようなピュアで温かな空気をKiinaは客席から受け取って、思わず涙を流してしまったのでしょう。
「泣くつもりじゃなかったんですけど」の後、「涙じゃありません。目ヤニです」とKiinaは負け惜しみを言っていましたがσ(^_^;)
そんなKiinaと同じ体験をした人たちが「二度泣き橋」の言い伝えを作っていったのでしょうね。