アルバム・カバー曲3曲めは、テレサ・テンさんの「時の流れに身をまかせ」です。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=ayLljdorUtA
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/239191/
テレサさんの歌声は、細いけれど決して切れないピアノ線のよう。
透明感があって、どんな歌を歌っても健気で一途な女性の姿が浮かんできます。きっとご本人も曲の女性像も、「したたか」という言葉から最も遠いところにいらしたのではないでしょうか。
不倫の歌も多いのに、テレサさんが歌うと主人公の女性を責める気になれません。全部相手の男性が悪いと(笑)
2005年、私がKiina沼にスッポリとハマってしまった年の6月。テレ東系で放送していた「たけしの誰でもピカソ」の「昭和名歌謡シリーズ」で、Kiinaは西城秀樹さんの「傷だらけのローラ」、弘田三枝子さんの「ヴァケイション」、テレサ・テンさんの「愛人」を歌いました。
今でも強く印象に残っているのが「きよしくんの歌う『愛人』には、性の匂いがまったくしない!」という驚きだったのです。
その何か月か後にある歌謡番組で、中堅どころの女性演歌歌手の方が歌う「愛人」を偶然聴く機会がありましたが、失礼ながらあまりに生々しくて薄汚く聴こえてしまって…
そもそも「愛人」は身勝手な不倫の曲なのですから、普通の人が歌えばそうなります。
テレサさんだから聴き手は不倫の身勝手さに目をつぶって許してしまえる、それどころか「わたしは待つ身の女でいいの」という健気さに心を寄せてしまうのでしょう。
テレサさんのそんな歌声と、コブシを回さないで素直な発声をする時のKiinaの歌声はどこか似ているように思います。
今回の「時の流れに身をまかせ」のKiinaの歌声も、透明感があってとても美しいです。
辛口のテレビ評をブログで書いていらした方が、「誰ピカ」でのKiinaの歌唱について「ポップス系の曲を歌うときは、彼にとっては命とでも言うべきコブシを使わないでノンビブラートで歌うでしょ。そのときに思うのが声質の素晴らしさなんです。小手先のテクニックなしでもあの声だけで聞かせることができるんだから懐が深いというか。」と評価されていました。
それは、Kiinaファン歴3か月だった私がまさに感じたことでした。
あれから19年経っても、その印象は変わらないどころか、ますます深まるばかりです。