外国の昔話
ですけど。
お腹を空かせた旅人がある村に立ち寄って、
「何か食べ物を分けて下さい。」と
頼んで回っていました。
その村はその年、農作物が大変な不作で
「うちにはあなたにあげられるものなど
少しもない。」と、どの家でも断られて
しまいました。
数件訪ねた後に旅人は
「じゃあ鍋に水を入れて貸してください。
『くぎスープ』をつくるので。」
と言いました。
「くぎスープ?」
「はい。古くぎ1本で作るスープです。」
その家の人は快く鍋に水を入れて持って
来てくれました。
旅人は家の前で石を積んで簡単なかまどを
作ると木の枝を集めて、火をつけて
くぎを1本鍋に入れて温め始めました。」
くぎ1本のスープなんて・・・鍋の持ち主も
じっと見つめていました。旅人は自分のかばんから
スプーンを出すと、鍋をかき回して
味見をしました。
「うーん。ちょっと薄味だな。塩が少しでもあったらな。」と
つぶやきました。鍋の持ち主は家から塩を
持って来ました。
「ありがとう。これでいい味になります。」
道を通りすぎる人も、立ち止まって見始めました。
「なにしてるんだい。」
「くぎでスープを作るんだって。」
「へぇ。」
旅人はまた、かき混ぜてひとすくい。ひとなめ。
「野菜のきれっぱしでもあると
もっと美味しくなるんだろうな~」
「ああ。あるある。」立ち止まった人は家に
クズ野菜を取りに行きました。
「はい。これ。」
「ありがとう。これでもっと美味しいスープに
なりますよ。」
少しずつ近所の人たちが集まってきました。
「なにやってるんだい。」
「くぎのスープだって。」「へぇ。」
またクルクルと掻き混ぜてすくってなめて
「う~ん。美味しい。でもここに堅くて食べれなくなった
ような干し肉でも入れたらな~なければないでいいんだけど。」
と、独り言のように言いました。
「ああ、戸棚の奥にあったっけ。」近所の人も
家に取りに行きました。
「はい。これ。」
「ありがとう。上等なスープになりますよ。」
クルクル回してまたひとすくい、ひとなめして
「ああ。できあがり!でもここにパンの食べ残しでも
あったら、極上のくぎスープになるんだけど。
なければないでいいんだけど。」
「ああ、あるある。すごく固いパンだけど。」
「上等上等~最高のごちそうになりますよ。」
旅人は最後にパンと細かくして振りいれました。
「さあ~できた。う~ん美味しい。
皆さんもいかがです?」
「じゃあ、もらってみようか。」
みんな家からお皿とスプーンを持って来ました。
「これはすごい!くぎでこんな美味しいスープに
なるなんて。」
「くぎだけでね。」
「そうです。くぎだけで・・・ちょっと隠し味を
いれるだけでね。」
アメリカで新しい大統領が誕生
して
テレビ
の中では、とても景気の
最悪
の国の
風景ではないような感じがしました。
景気も【気】のもので、本当はお金を持っている人まで
不安の中でしまい込んじゃっているんじゃないでしょうか
?