本日5月8日は、テレサ・テンさんの命日です。
1995年5月8日に、療養先のタイのチェンマイで42歳という若さで亡くなられてから、29年が経ちました。
テレサ・テンさんが日本の歌謡界にデビューしたのが、1974年3月1日だったので、あれからちょうど50年、半世紀という時が流れてしまいました。
改めて想い出してみるとつい昨日のようでもあるのですが、現実には半世紀という時が流れ、「もうそんなになるのか」と感じ、光陰矢の如しという諺が身に染みる今日この頃です。
さて、1974年6月2日発行の『週刊少年サンデー』に「外人歌手大登場!」というグラフ特集が載っており、その1番目に紹介されているのが、着物姿でにこやかにお茶を入れているテレサです。
「外人歌手大登場!」というタイトルには、「第2のアグネスをねらう!」というサブタイトルがついており、アグネス・チャンの日本での成功に続けとばかり、香港や台湾などから多くの歌手がデビューしています。
この時の『少年サンデー』に載っているのは、テレサ以外では、リンリン・ランラン、ニュー・ニュー、優(ゆうや)雅、タン・ラン、秀(シューラン)蘭、ヤン・シスターズ、マギー・ミネンコといった方々です。
懐かしい名前やあまり聞いたことがない名前が並んでいますが、香港や台湾出身の歌手が多いのが特徴です。
欧陽菲菲やアグネス・チャンの日本での成功例があり、当時は香港や台湾から次なるスターを発掘することがブームのようになっていたのでしょう。
その中にあって、テレサが一番に取り上げられていることを見ると、彼女に対する期待の大きさが感じられます。
『少年サンデー』の中でも、テレサは香港で、すでに20枚ものLPを出している大スターだと紹介されています。
写真が2枚掲載されているのですが、一枚は、冒頭でご紹介した着物姿のテレサですが、もう一枚はなぎなたをしているきりっとした表情の写真です。
なんとも日本的な写真が2枚掲載されておりますが、テレサの奥ゆかしさを思う時、「外人歌手大登場!」というタイトルに似合わず、本当に日本人的な心を持っていた歌手だったなと写真を見ながら改めて感じた次第です。
あれから50年、この間、『少年サンデー』に掲載された外人歌手の皆さんだけでなく、様々なものやことが変化し、時代は移り変わってゆきました。
中でも、「少年サンデー』に初々しい姿の写真が載っているテレサ・テンさんが、この世を去ってしまい、それから29年もの歳月が流れてしまったことは、当時の写真からは想像だにできない悲しい出来事です。
光(日)と陰(月)がかわるがわる空に昇っては沈み、ありとあらゆるものを変えてしまいました。
ところで、お日様は、私たちに莫大な光と熱のエネルギーを無償で届けてくれる、大変ありがたい存在ですが、方やお月様は、新月から満月まで様々な姿を私たちに見せてくれ、きれいなお月様を眺めては、もの思いにふけったりし、豊かな心を育んでくれます。
そういえば、テレサ・テンさんの顔は満月のように丸く、丸顔が好きな私にとっては、写真を見ているだけで安らぎを感じます。
命日にあたり、亡くなられて29年がたった今も、奥ゆかしい魅力に満ちていたテレサ・テンさんは、お月様のようにひそやかに地上の私たちを見守り続けてくださっているに違いない、ふとそんな想いにかられながら、昔を懐かしみ、もの思いにふけっているところです。
※参考資料
・『昭和49年6月2日発行 週刊 少年サンデー』