以前、拙僧の周囲でも、この「イベント仏教・仏教的イベント」の問題を扱ったが、ここには、とある問題があり、例えば、クリスマスは、もちろん「イエス=キリストの誕生を祝う日」だと知識としては知っていても、実際にキリスト教を信じている人がやっているわけではないということがあるだろうし、初詣も何となくで行っている人もいそうで、宗教的な行事なのかな?という感じがする。
よって、仏教的行事も、仏教性を無くせば全日本的行事になるのはないか?と考えられた。参考までに、従来の日本仏教にて共通するような行事として挙げるとすれば、どうしても釈尊に関するものに限定されてしまいそう(それでも、密教系教団や浄土教系教団はダメかもしれない)。
2月15日:涅槃会(釈尊が亡くなった日)
4月8日:降誕会(釈尊が生まれた日、花まつり)
12月8日:成道会(釈尊が悟った日)
う~ん・・・これを全日本的行事にするってなると、多分、この辺からちょっと関係ありそうなものを記号として取り出して、それを世間に広めるということが必要なんだろうけど、どんな記号が取り出せるかが不明・・・なお、「記号」というのは、例えばクリスマスなら「ツリー・イルミネーション」「サンタクロース」「ケーキ」「プレゼント」ということになるわけで、「商品化」しやすく、外面的に捉えやすいものということになる。それを元にイメージすることにしたいが、非常に難しい・・・だいたいこの3つの日を「三仏忌」と言っている段階で「忌」がなぁ。
無謀な挑戦と自覚しつつ、とりあえず「涅槃会」から取り組んでみると、「涅槃会=釈尊の死」なんだが、釈尊涅槃図というのは、様々な人や動物が集まってきて、みんなで悲しむということがあるけど、そのような絵を元に、独特なデザインをした多くの商品開発なんてどうだろうか?例えば「涅槃会ネイル」。指の全てに、色々な悲しむ人や動物を入れておくという感じ。5人集まると涅槃図が完成?どこかのネイルサロンでやってくれないかな。
あとは、この日に因んで、悲しみを全身で表すコンサートとか。世界にある様々な「悲しみの歌」を延々と歌い続けるコンサートで、また次の日から元気に生きていくためにやってみると面白そう。
降誕会は、すでに「花まつり」とか「甘茶」とか、色々と商品化できそうなアイテムがあるので、これをスタバとかドトールとかと組んで、この日の前後2週間くらいを限定に「甘茶ラテ」というような商品を出してもらうというのはどうだろう?ついでに、釈尊が生まれたことに因むコンサート。あらゆるマタニティソングを歌い続け、そして妊婦さんの祭典にする。ついでに、日本の少子高齢化を回復するように、あらゆる対策と、厚生労働省などと組んでやっていくというのはどうだろうか?あ、政教分離の原則に反するか。あとは、やっぱり時期的に桜の花見とコラボすることを目指すべきかな?でも、日本の場合「桜」は死のイメージなんだよな。
成道会がウチの宗派的には多分一番大事だけど、難しい。記号といっても、内面的なことが多くて、一応菩提樹とか、明けの明星とかあるけど、「だから何?」ということで終わってしまいそう。それに、自分を変えるということだけを強調すると、何だかドラッグの方に話が行ってしまいそうで、「釈尊成道会=ドラッグの日」とかなったら、ちょっと不謹慎すぎて、アングラ決定なので、もっとお天道様の下でもできるイベントの方が良さそう。
他には、多くの宗派に影響している聖徳太子とか、聖武天皇とか、行基大菩薩とか、この辺のスーパーマンを使ってイベントするというのも良さそうだけど、聖徳太子は、法隆寺などが「聖徳宗」になっちゃっているので難しいかな?聖武天皇は、今現在、宮内庁がうるさそうで、基本的に神道に関わってしまうことが多そうなので、難しそう。行基大菩薩も、東大寺の大仏建立などがメインになってしまいそうなので、やっぱり特定の宗派に行ってしまいそう。
こういう風に考えていくと、そういった宗派間を超えて仏教行事を行うということ自体が、相当に難しいということが分かる。釈尊に頼っても今一つだし・・・そういえば、大乗仏教なら、どの宗派でも祖師として仰がれることで「八宗の祖」と呼ばれる龍樹菩薩なんかどうかな?これなら、今の日本仏教の各宗派でも文句は出ないかもしれない。龍樹に因んだイベント・・・龍樹はナーガールジュナだから、ナーガから蛇関係のイベントになりそう?巳年の来年限定か?
#仏教
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