さて、鈴木棠三氏編『中世なぞなぞ集』(岩波文庫)を入手したので、それから適宜「仏教に関わるなぞなぞ」を採り上げて、見ていきたいと思います。なお、解答については、もしコメント欄で正解をお寄せいただいた場合には、正答と申し上げますし、コメント投稿が無い、もしくは正解者がいない場合には、次回連載記事に掲載しますので、挑戦してみてください。
記事は、「問い」と、編者の鈴木氏による解説を部分的に紹介(全てを紹介すると、分かっちゃうのでそれはしません)し、後は拙僧自身のヒントを掲載したいと思います。解説やヒントを見たくない人のために、反転文字(反転文字←読みたい人は、空白の部分をマウスで範囲指定してください)にしておきます(携帯電話には未対応です)。
今日は連載21回目です。
問1やまでらに寺はなくしていづれのかころものすそのふたつミゆらん
解説:山寺から寺を取ると〈略〉。衣の裾はモ。これが二つで、〈略〉。「いづれのか」は修飾部。
ヒント:答えですが、果物になりますね。
問2:れんがの上のくうたの下のくにじへんぶんといふこもんありひうんりうに入てくもる
解説:本文が乱れているためで、連歌の上退く、うたの下退くでは、カ・ウとなる(連歌の上の句ではレ、うたの下の句ではタ)。日雲中に入て曇るで、ウビンとなっても、その前後が整わない。
ヒント:答えですが、厳密に解くのは難しいです。この謎、出題が間違っているそうです。答えですが、極楽にいるという想像上の鳥です。
ここから、出題は『古版 なそのほん』になります。古来、最大のなぞなぞ集だそうです。
問3:てんか太平こくどあんおん
解説:なぞとしては、肩すかしのようななぞで、単に儀礼的に「天下泰平国土安穏」の祝言を、巻頭に掲げたのだろう。
ヒント:答えですが、普通には出て来ません。ただし、「平和」を意味する答えになっています。
ということで、毎回3問くらい出していこうと思いますけど、是非是非頭をフル回転してみてください。今時の「クイズ」とも違うので難しいと思いますけど、これはこれで楽しいですよ。
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