つらつら日暮らし

「不正競争防止法」について

「かっぱ寿司」社長ら逮捕へ はま寿司の秘密不正入手の疑い(共同通信)
「かっぱ寿司」運営会社長を逮捕へ 「はま寿司」の秘密不正取得容疑(asahi.com)
かっぱ寿司社長を逮捕へ ライバル社の情報不正取得容疑―両罰規定で法人立件も・警視庁(時事通信)

上記、各メディアの報道の通り、警視庁が今日にも、回転ずしチェーン運営会社社長などを、競合他社から営業秘密の情報を不正に取得した疑いがあるとして、逮捕するとしています。

これに関しては、各社、続報があるでしょうから、とりあえずそれをご覧いただければと思いますが、今回、逮捕容疑が「不正競争防止法」違反だとされています。個人的にそれが気になったので、採り上げてみます。

平成五年法律第四十七号 不正競争防止法(e-Gov)

上記の通り、現在の「不正競争防止法」は、平成5年公布とのことですが、上記ページの冒頭に「不正競争防止法(昭和九年法律第十四号)の全部を改正する」とあります。どうやら、「旧法」が、昭和9年(1934)にも公布されていたようで、それが全面的に改正されたようです。

(旧)不正競争防止法(日本法令索引)

上記サイトを見ていただきますと、旧法の本文を閲覧可能ですが、探しにくいという方は、以下のサイトも参照されると良いと思います。

官報第2168号(昭和9年3月27日)(国立国会図書館デジタルコレクション)

上記の画像の通りです。そして、旧法の場合は、競合他社の商標侵害だったり、いわゆる商売の妨害に関して違反とする内容だったことが分かります。

それに対し、現行法については、「第一条 この法律は、事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」とある通りなのですが、この「不正競争」に該当する内容を22項目を挙げています。

今回の報道では、「営業秘密」に関しての不正取得の疑いとなっていますが、この分野については、かなり細かい定義がありますね。これでは、とにかく「営業秘密」を取得しただけでも罪に問われてしまいそうです。そうしたら、この分野についての解説がされていますので、参照してみましょう。

営業秘密~営業秘密を守り活用する~(経済産業省)

上記内容では、「不正競争防止法では、企業が持つ秘密情報が不正に持ち出されるなどの被害にあった場合に、民事上・刑事上の措置をとることができます。そのためには、その秘密情報が、不正競争防止法上の「営業秘密」として管理されていることが必要です」とされています。

今回、この辺の「営業秘密」としての管理がなされていた情報が、競合他社に取得されたということで、問題になっているといえましょう。とはいえ、今回、逮捕されるかもと報道されている方は、元々その競合他社の役員だったようですので、そもそも、そういう形での転職が成り立つんだ、という印象が残り、その点には微妙な感じがしないでもないです。

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