却って将に諸仏諸祖、徳山臨済曹洞雲門、真実の頓悟見性法門をもって建立すると為す。
『大慧普覚禅師宗門武庫』
ここで、「曹洞・雲門」を並べた時に「洞雲」という表記になるが、これは特定の意味を持った言葉ではない。その意味では、中国曹洞宗の宏智正覚禅師が用いられた言葉の方が、寺院名の由来に近いといえようか。
・洞雲、雨を成すなり。 『宏智広録』巻4
・石牛哮吼して、洞雲白を生ず。 同巻8
こうなると、「洞雲」は雨などを生じる雲の位置付けになる。それで、どうやら「洞雲」という用語は、山の洞窟から沸き上がる雲であり、更には仙境にかかる雲という意味もあるそうだ。宏智禅師はおそらく、その意味で用いている。実は、拙僧は以前に妄想していたのは、もしかして、『正法眼蔵』なのかな?とか思ったのである。
それは、以下の一節である。
曹洞宗の称は、曹山を称じくわふるならん。もししかあらば、雲居・同安をもくわへのすべきなり。雲居は人中天上の導師なり、曹山よりも尊崇なり。はかりしりぬ、この曹洞の称は、傍輩の臭皮袋、おのれに斉肩ならんとて、曹洞宗の称を称するなり。まことに、白日あきらかなれども、浮雲、しもをおほふがごとし。
『正法眼蔵』「仏道」巻
そもそも、曹洞宗という呼称は、洞山良价禅師と曹山本寂禅師に因んだものだとされるのだが、しかし、現在の日本曹洞宗では曹山禅師ではなくて、その兄弟弟子の雲居道膺禅師の系統となっている。よって、道元禅師は、もし「曹洞宗」という呼称があるのであれば、そこに「雲居」「同安(雲居禅師の法嗣である同安道丕禅師)」の名前も入れるべきだとされている。
よって、これを採ると、「洞山+雲居」で「洞雲」という呼称が成り立つのではないか?とか妄想したのであった。
これは、もし、「洞雲寺」という名称の寺院が、曹洞宗にしかないのであれば、証明できる気がする。ということで、調べてみた。すると、以下のようなまとめを作ってくれている人がいた。
・洞雲寺―Wikipedia
うおっ???曹洞宗寺院がかなり多いけど、臨済宗・黄檗宗・浄土宗などもあるということは、拙僧の妄想は半分程度は当たっているのか?それとも、外れているのか?良く分からなくなった。まぁ、ただの妄想的記事なので、当該寺院の関係者の皆さまにも、ご迷惑などはおかけしていないと信じたい。
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