長崎市松山町の平和公園では、午前10時40分から市主催の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」(平和祈念式典)が開かれ、原爆投下時刻の午前11時2分に黙祷を捧げられる。
なお、式典そのものは被爆者や遺族など約1700人が参列する予定とのことである。
そして、7月末までの1年間に死亡が確認された3160人の名前を記した原爆死没者名簿3冊を奉安し、死没者数は19万2310名となった。
しかし、このように死没者の「数」を表記してしまうと、ただの観念になってしまうが、実際のお1人お1人にはそれぞれの人生があり、尊厳があるわけだが、その全てが原子爆弾によって踏みにじられたわけである。このような戦争の苦しみ、悲しさを前にすると、1人の仏教徒として、「不殺生」のことを思わざるを得ない。
仏言わく、「応に等心を起こすべし。一切衆生に於いて亦た心と語とを等しくし、偏党有ること無し。
一切衆生中に於いて大慈心を起こし、〈中略〉亦た愛敬を以て心と語とをすべし。
是の菩薩摩訶薩、応に自ら殺生せず、亦た人に教えて殺生せしめず、不殺生の法を讃歎し、諸の不殺の者を歓喜讃歎し、〈中略〉是の如く、須菩提よ、菩薩摩訶薩、阿耨多羅三藐三菩提を成就せんと欲して、当に是の如く行ずべし」。
鳩摩羅什訳『摩訶般若波羅蜜経』巻16「大如品第五十四」、原漢文
以上のように、大乗仏教では「等心」「大慈心」などの教えでもって、殺生しないように示し、更に、不殺生の法を讃歎し、誰も殺さない者を讃歎しながら、菩薩として阿耨菩提(仏陀の悟り)を成就することを目指すとされた。このような理念が、しっかりと理解されるならば、戦争や争いも起きなくなるのかもしれないが、世界はまだウクライナに対するロシアの侵攻など、終わらない戦いがある。
大乗仏教の理念をしっかりと理解出来るよう、今日は当方も世界の平和と全ての人々の心の安寧を願って過ごしたい。
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