つらつら日暮らし

六月一日 半夏節

今日は6月1日である。暦の問題があるが、旧暦では4月15日から禅宗叢林での夏安居が始まり、7月15日に安居が終わる関係で、6月1日はその中間日、いわゆる「半夏(または中夏)節」と呼称され、安居に随喜している大衆の修行状況の確認などがされたのであった。

 中夏の上堂、
 前半夏の間三三、
 後半夏の後三三。
 安居の清衆、直下に罷参すれば、阿呵呵、笑倒す西天の老瞿曇。
    『仏国禅師語録』


これは、鎌倉時代に来日した中国僧・無学祖元禅師(1226~1286)の言葉である。日本にいた時に発せられた上堂語である。内容は、中夏なので、いわゆる6月1日に行ったものだけれども、まずは、前半の45日間については「三三」と述べた。これが分かりにくいのだが、「三」の重なりで無限を示すという見解もあり、よって、安居前半の無限の時間が過ぎ、そして、後半もまた無限の時間が訪れるとしているのだろう。

よって、その中間であるこの日に、安居の清浄大海衆が罷參(大悟)すれば、阿呵呵と、インドの老釈尊も笑い転げるだろう、と述べている。

問題はこの「直下に罷參」であるが、意外とヒントとなる文脈は無い。ただ、当方ではこれを、前後の中間にある、まさにこの日を指していると考えた。つまり、何にも依拠すること無く、或いは中道としての大悟に至ることを指すのではなかろうか。

どちらにしても、無学禅師が大悟に価値を置き、学人をそこに向かわせていたことを確認出来たのである。

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