タオル道中

大阪・泉州 タオル屋 てるの日記 美由喜タオル(株)

80パーセント?

2013-03-14 15:41:30 | うんちく・小ネタ

80パーセント

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何のこと?

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アベノミクスの影響も手伝ってか、輸入タオルのオファー値が上ってるようです。

新興国、特に中国の人件費は、年々上昇しています。

かつて、中国品は、日本製を100円とすると、60円ぐらいでした。 そのため日本製の市場シェアは、減る一方でしたが、3年ほど前についに下げ止まった感じがしています。

一方で、小売の現場では、商品価格は、ずっと据置かれたままです。( 2010年~2011年の綿花相場爆発の時もです。 お店に流通するまでの業者は大変でしょう? と言うのも、タオルは、贈答等で消費される比率が今でも高く、値上げを喋ると、他の商品に取って代わられる恐れがあるため、競合品の様子を見ながらになる為だと思います。 綿花相場爆発の時は、繊維製品のみに起こったことでしたが、今は、多くの品種に言えることだと思います。 まあ、そのためのアベノミクスなんですけど、、

80パーセントと言ったのは、今の相場は、日本製を100円とすると、中国製は80円ぐらいになってると言うことです。

もちろん私達も、原料など、輸入に頼ってる部分はあります。 しかし、全てではありません。輸入品で商売することは、商品仕入れ価格のほかに、さまざまな経費がかかるので、これくらいの価格差なら、入用買い仕入れのしやすい国産で、まかなう方がいい部分があるでしょう?

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どう思います?

 


シーケンサー

2012-04-14 10:46:01 | うんちく・小ネタ

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ご無沙汰してしまいました。

先日、長期に渡る受注を無事、納期を守ることができました。 長距離マラソンみたいでした!

ノントラブルと言うわけには行きませんでした。 事前に怪しき部品の交換を前倒しにして臨んだつもりでしたが、機械的な部分と電装的な部分があるとしたら、電装的な部分は、目視できなく、不意に故障に見舞われました。

上の写真のユニットで、通称「シーケンサー」、プログラマブルコントローラーです。

一連の動作を、複数のセンサーからの信号確認の上、プログラム通りに、スイッチングする司令塔です。 誤動作が頻発するようになってきてしまったのです。 これが正常じゃないとヨコ糸のミスが出る度にキズモノにしてしまいます。

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が!

救いの神が現れました!

故障したユニットは廃盤品で、新品交換ができないので、中古を見つける必要があったのですが、ある日、同業の先輩が、別の機械のシーケンサーのトラブルで、ウチの同じ機種の物のプログラムをコピーさせて欲しいと連絡がありました。

「そんな業者あるんや?」

先輩の機械が無事直ったあと、先出の物の話を相談すると、「他メーカーの現行機種に換装しましょう」とあっけなくトラブル解決しました。 多分故障したユニットのRAMからプログラムを抜き出し、新しいもののプログラム式に書き換えてとか、素人なりに想像しますが、いずれにしても、私にはできません。

ホッとしました!先輩、業者さんありがとう!(この業者さん、今は東北の復旧で忙しいそうです)

これは去年の初冬の話でした。

昨日の業界新聞に、ウチと同じイタリアの織機メーカーの制御版の電子基盤を自社で修理できるようにした織物工場の記事が出てました。 回路を精査し、パーツを調べて、一部イギリスから取り寄せたりしたそうです。不調な基盤のストックをすべて直されたそうです。すごい! 私は、不調な基盤は、修理に出します。最近はラジコンの遠隔制御システムで有名な東大阪の企業さんが請け負ってたりしますね! でもとても高く付いてます。 ただ、この超円高で、こう言う製造業のベースの部分が継続性を失わないか心配もしてしまいます。

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季節は暖かくなってきました!今年の綿は、私の母の花の植え方で、少ししか植えられなさそうです。

もうチョットですね!

 

 


注染

2011-12-10 17:38:15 | うんちく・小ネタ

またまた大阪府の元でビジネスマッチングの見学会があり、堺市の染工場へ行ってまいりました。

大阪市と堺市は大和川で区切られています。堺市から南の地域は、旧国名で言う和泉国になります。

古くから畿内における綿花栽培の盛んな地域で、見渡す限り綿畑が広がっていたと言う紀行文を見たことがあります(以前のブログ記事、河内木綿)、詳しく知りませんが、江戸期は和泉木綿と呼ばれ、江戸日本橋の大伝馬町での取引ランクはトップクラスだったそうです。

近代になっても泉州は糸ヘンで、大阪経済の牽引役でした。 その中でも堺市から和泉市にかけては、小幅の木綿地の生産が有名です。

規格に呼び名があります。糸の太さは数字が大きくなるほど細いのですが、縦糸(経糸)30/1×横糸(緯糸)30/1で織った物を「岡」、20/1×20/1を「文」などと言い、反物の長さも決まっています。(すいません、覚えてません、12Mぐらいやったかな?詳しい人、コメントください

最終製品は、汎用性が高いので、なんでも使えますが、最近は、京都などのおみやげ物の日本手拭や、浴衣地になります。

その手拭や浴衣の染を行ってるのが、注染(字のごとく、重ね合わせた生地に染料を注いで染めます。)です。堺市の伝統工芸です。

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生地を延べます。一層まえの防染泥が透けてます。

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型を乗せてそこに防染糊やら泥やら混ぜたものを柄の染まってはいけない部分に乗せます。

これを繰り返します。生地はS字にミルフィーユになります(笑)

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これが防染糊(泥)を調合したものです。(色によっては泣く度合いが違うので、硬さを変えます)

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重ね終えると土手を作り、所定の場所に所定の色を土手の内側へ注ぎます。

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東京(江戸)にも似たような手法があるようですが、注ぐ道具が違うそうです(江戸の方が注ぎ口が長い)

注ぐと同時に、一番したの層から負圧がかけられ一気に重ねた生地の上から下へ防染のりのトンネルを落ちて行きます。

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防染泥を洗い流し、乾燥室で吊るし干しされます。これは、自然乾燥です。

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タオル地に試したい所ですが、薄くて密着できる、フラットな表面でないと、出来ません。

無理やりやっても、B品つくるだけ?

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おもろいんやけどなぁ~

 

 


プリント工場見学その3(完)

2011-09-25 11:31:19 | うんちく・小ネタ

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洗い工程です。 プリント後の風合い出しです。

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フラットスクリーンです。コンベアの上に生地を粘着させて、ずれないようにして、一色一色刷り込んでいきます。

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インクジェットプリンターです。今はとこの家にもPCに付いてますので、おなじみですね!

でも、コピー用紙や、写真紙ではないので、そんな簡単な話ではありません。巾も広いです。

今はまだ時間がかかるので、安く出来るものではありませんが、量がないものの場合は、いいかもしれません。 通常は、スクリーンが、イメージの色の数だけ要り、プリント量を分母にして、型代を割るのですが、この場合は型が不要ですので、イメージのデータで事足ります。

堅牢度も良くなってるようです。

 

いかがですか?タオルへは、フラットスクリーンが圧倒的に多いです。


プリント工場見学その2

2011-09-19 11:50:52 | うんちく・小ネタ

ロータリープリントです。

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一色ずつ筒が並んでいます。 布と共にスクリーンの筒がシンクロして回って柄を載せていきます。 11時59分59秒と0時00分00秒は、柄がつながっていてエンドレスです。

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布目の歪みを補正しています。

いつも思いますが、ベースになる生地は、ここに来るまでに沢山の工程を無事通過して来ています。 ここでミスったらそれまでの努力を無にします。 製造業は、川下に行くほど責任感がいりますね! 生地が歪んだままだと、その上にいくら柄を載せても、まともに縫える生地にはなりません。 実は意外とここが味噌だなと思いました。

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本番用の染料の調合です。

つづく!