タオル道中

大阪・泉州 タオル屋 てるの日記 美由喜タオル(株)

水とともに生きる泉州タオル

2023-05-29 16:35:00 | 日記
今日は産地認知度の話です。ちょっと長いので、暇な時どうぞ!

大阪泉州は、タオルの生産が始まって今年で136年目に入りますね! 
日本のタオルの生産地はと言えば、かつて存在した工業組合も数えると、北から東京タオル工業組合 中部タオル工業組合、大阪タオル工業組合、四国タオル工業組合、九州タオル工業組合までありました。大阪と四国以外は、企業数が減ってしまい、日本タオル工業組合連合会のメンバーは、大阪と四国だけになってしまいました。しかも四国は、今治市以外のメーカーもあるのに今治タオル工業組合と名前を変えてしまいました。これはでも、知名度の上がった今治タオルという言葉を維持するための策とも言えるので、良いかもしれません。
17年ほど前は、今治タオルも今ほど知られた存在ではありませんでした。 それまでの国内メーカーは、問屋さん中心でOEMに徹していたからです。問屋や商社が海外や国内のファッションブランドなどのライセンサーになり、そのデザインをタオルに起こすことがメーカーの務めと信じていました。ところが平成の一桁代から安価な輸入品が大量に輸入され、問屋や商社は、仕入れ先として海外品の方を向き出し、国内メーカー品の取り扱いを減らしていきました。そうなるとメーカーも遠慮はいりません。経産省もJAPANブランド育成支援で、大阪タオルも四国タオルも支援先として選ばれて、共に3年間の事業を全うしました。ただここから先が違ったのです。四国のタオルメーカー数社が東京に小売店を出し、四国の組合自体も銀座にブティックを作ったのです。メーカーか直接販売するのは、大マーケットに近い東京のメーカーにありましたが、販売数量でメーカー生産数単位と合わないことと、タオルの単価では、店舗維持が難しいのでは無いかと思われたのです。大阪からはお店を出すメーカーはありませんでした。数年後ほとんどのお店は無くなりましたが、その間メディアに取り上げられたり、口コミで広がったりと知名度が上がる効果が出たのだと思います。タオルソムリエ(←今治に特化しています)制度を造ったことも大きいと思います。一度上手くいかなくなった四国組合のお店は、その後赤字覚悟で数年後、南青山にリニューアルしたことを見ても、メディアの受け皿を東京にもつことの意味を証明しています。
私達の大阪泉州タオルは、有名になった今治タオルの横でボーとしていたのではありません。様々なキャンペーンや行政との取り組み、デザインや加工法、国内外展示会への出展を他産地同様頑張ってることは、このブログにも書いているところです。
泉州タオルの生産数量は、おそらく1番の今治を上回っています。生産量を算出するのは重量で出されるので、2番手の泉州タオルは、総じて薄いということです。産地の総合として泉州タオルは、薄いものが多く、ラグジュアリー感にかけますが(もちろん弊社の製品含めて、ラグジュアリーなタオルも柱であることは間違いないです。)それ以外は、いいことばかり! 
①洗濯物が嵩張らない②後晒し製法で生産エネルギーが少ない③軽いタオルは取り扱いが楽④すぐ乾く⑤日本で一番排水基準が厳しい大阪府で、各染工場できちっと処理されている⑥江戸時代、大伝馬町の木綿でトップランクの和泉木綿の流れを継ぐ水の良い地域。とこんな感じです。
柔らかいタオルを求めてるお客様に私は良くこう言います。
☆糸が太いよりも細い方が柔らかいものになります☆単糸よりも双糸の方が柔らかいものになります☆パイルは短いよりも長い方が柔らかくなります☆タテ糸密度は混んでない方が柔らかいものになります☆ヨコ糸の本数も多いより少ない方が柔らかいものになります。 
コストも含めたこの辺のバランスが、日本の気候風土に暮らす日本人が泉州タオルを作り出していると思います。後晒しは世界的にも主流ですし、海外在住の日本人が帰国時に買って帰るとも聞きます。そんな泉州タオル、高温多湿な日本にとても合います。

タイトルの話ですが、2年前から「水とともに生きる泉州タオル」を産地あげて広報しています。外部の専門家に産地を見ていただき、水がタオル造りの元になってることに特に評価をいただき、キャッチコピーになりました。専用のデザインを森田明菜さんに造っていただき、2年前からギフトショーやポップアップストアにて、広く皆様に知っていただき、泉州タオルを買ってもらえたらと活動しています。弊社もメンバーに入ってます。







また、泉州タオルは、お風呂へ持って入られる方も多く、特にもっと浴用に特化させたタオルも開発しました。それを「温泉州」とタイトルして、大阪府下のお風呂屋さんの協力の下、販売会やInstagramでの「ゆったりゆったび温泉州」キャンペーンなどもやってます。






徐々に、泉州タオルのアイデンティティを武器に今治に負けない認知度を得たいと思ってます。







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