タオル道中

大阪・泉州 タオル屋 てるの日記 美由喜タオル(株)

ネオ・ケット

2010-12-05 10:42:52 | プロダクツ

泉州こだわりタオル展、出展2/2

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接触冷感の素材を探していました。 綿より熱伝導率の良い素材、放熱性の良い素材!

見つけました! レーヨンとベンベルグが鞘で、ポリエステルが芯のコアヤーン(芯と鞘で素材が異なる糸)です。 

うーん どう料理する?

タオルの織り組織の種類に、「表パイル・裏ガーゼ」と言う織り方があります。

ガーゼ面を綿にし、パイルを冷感素材にしよう!

 

保湿性、保水性・・・綿>ベンベルグ・レーヨン

熱伝導性     ・・・綿<ベンベルク・レーヨン

毛細管吸水性   ・・・綿<ベンベルグ・レーヨン

乾燥スピード      ・・・綿<ベンベルグ・レーヨン

 

この性能差を構造に採りいれれば、寝床内側の綿ガーゼで吸湿し(水分キャッチ)、寝床外の冷感素材で、放出させるヒートシンク効果を狙いました。

また、パイル素材そのものも、芯にポリエステル(熱伝導性が高い)が通っていて、繊維の中でもひんやり感のあるものですので、好みによって、リバーシブルに使えばと思います。

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表のパイルは、ボーダー入り、ガーゼ面はプレーンに織ってます。 染めは、綿サイドの一浴ですので、素材構成上ポリエステルは、染まっていません。 ベンベルグと合わせて光沢や杢な感じをねらっています!

 

 

 

 

 

 


エアーレイヤー・タオルケット

2010-11-27 21:30:19 | プロダクツ

泉州こだわりタオル展、出展1/2

ネーミングは、デザイナーのO原さんです。

空気の層を挟んでいると言うことでのネーミングです。 どう言うことかと申しますと、タオル生地は、通常1層(1枚)の織物ですが、このタオルケットは2層に織っています。

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2枚のタオル地をキルトや縫製でくっつけたのではなく、一度に2層の生地を同時に織って行きます。 これがそんなに誰でも出来ることではありません。 どちらかの風合いに不都合が出る可能性があるためです。 頭の中にアイデアが浮かんだので(かなり前ですが)とりあえず組織をプログラムしてみました。

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展示には、構造が解るように、カットサンプルを置きました。 ところが空気層の中に手を入れて、掃除に使うんですか?なんて言われてしまったり、玄人には受けましたが、見せ方って難しいって思いました

空気の層を挟むことで、室内気と寝床内気との遮断性が高まります。 素材はタオル地ですので、素材の快適性はそのままに、また、特別な素材を使うことなく適度な保温性を発揮します。 初夏から秋口まで、これ一枚で快適に過ごせます。

構造的な応用も、考えられる一枚です!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


欧米仕様フェイスタオル+α

2010-07-11 18:48:08 | プロダクツ

フェイスタオルの紹介です。

弊社、タオル機屋ですので、フェイスタオルやバスタオル、ハンドタオル等のお問い合わせをもらいます。 残念ながら、現時点では生産ラインにありませんので、お問い合わせいただいた内容をお聞きし、最適な仲間のメーカーを紹介させていただいております。

しかしながら、手がける気持ちは大いにあります。 タオルケット等の季節性を緩和したいので、タイミングをみて、やってみようと思っています。 過去に長年売れ筋のフェイスとバスを織ってたこともあります。

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そこで、泉州こだわりタオル展に出展することにしました。 普通に造っても面白くないので、自分が今欲しいタオルを造ってみることにしました。

以前のブログ記事にも書きましたが、日本と欧米の企画は、違っています。 OEMの相手先によるのでしょうが、その境界は中国以東が日本式、インド以西が欧米式です。 糸の通し方、糸の太さ、パイルの長さ、などが分かれます。 染めは泉州式の、製品に織ってから染めるのが、世界的に主流です。

海外に行ったとき、必ずタオルを研究用に持ち帰ります。 そこで、日本では中々手に入れにくい欧米企画で織ることにしました。

手持ちの30点ほどのタオルをすべて組織分析し、表にしたら、最適点、をみつけました。サンプル因みに、アメリカ、メキシコ、エジプト、ポルトガル、トルコ、インドです。 

以前、手作り家具(高級で、芸能人にもファンが居られる事で有名)のメーカーから、タオルの企画の打ち合わせで、有名なアメリカのタオルメーカーの製品を持ってこられ、「この感触が欲しい」と言われ、原綿、番手、糸本数などの相乗で、再現ができませんでした。 水やらいろんな事が、手持ちの仕掛では出来なそうでした。 でも、そこの社長のおっしゃることはとても理解できます。 若い頃サーフィンなんてやってた私は、サーフブランドのT-シャツがアメリカ製で、その感触と着心地が大好きでした。 このときも、日本製のT-シャツにはその感じがありませんでした。 「日本のメーカー、なんでこの風合いが出来へんねん!」って思ってました。 

そのときのリベンジでもあります。

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サイズは、40cm×75cm(アメリカでは一般的なサイズ)

糸番手と本数は欧米平均、素材はAcala(繊度が太く、縮れ気味)

あと、いろんな設定を欧米式にしてあります。

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それだけではまねしごんぼなので、パイルの出し方を換えました。これにより組織図は交差点がほぼ市松です。 パイル引き抜け強度も1.5倍あります。

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感触も、家具メーカーの社長が持ってたものに近い? でも展示会では、あまり引き合いありませんでした。 マニアックすぎたですか?

あの社長、私を覚えてるかなぁ~

今度いってみよ。

 

 

 

 

 


08泉州こだわりケット&ラグ

2010-06-30 17:59:34 | プロダクツ

08泉州こだわりタオル展に出展した、タオルケットとタオルラグの組デザインです。

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↑ 写真はラグです。 

この年は、前年度、素材を綿の買い付けまで遡り、出来た商品の各々のクオリティは良かったのですが、全体に色のまとまりがなかった反省から、おもいっきり色にこだわって、染める染工場も集約し、展示全体の一体感を出す努力をしました。

展示会には、約20社のメーカーが、それぞれに織ってきますが、バッチリ合いました。

デザイナーさんから頂いた柄をみて、タオルケットとラグ(スクエアサイズ)を造ることになり、尚且つ、2柄でて、合計4アイテム作成しました。

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素材は、2柄ともスーピマで、内、一柄は、艶っぽくなるだろうとの予測から、毛違いの総パイルに、表面をシャーリングし、ベルベット調にしてみることにしました。

工程の各段階を、見てきてた家内は、シャーリング前までは、評価が良かったんですが、してきてからは、ヤンキーっぽいと不評です。 これは家内の評価で、展示会場のアンケートでは、いい結果を得ました。 想像してたよりも艶がでて、素材はなに?っていう質問を結構受けました。 また、両端(耳ではなく天地)のフィニッシュは、三つ折ヘム縫いでなく、フリンジで、仕上げています。 寝装品っぽくしたくなかったので、そうしてみました。

 

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もう一柄は、ラグの天地はフリンジですが、ケットの方は、頭の方だけ三つ折(一般的なタオルのヘムの手法)ヘムにし、横糸を朱子(浮かせてその色がよく見せるように織る手法)にし、パイルの赤と同色にし、さらに耳の縫製に赤の糸で、ステッチを見せる様にしました。

パイル部のパイルの出し方は、横段出しにし、さらにパイルの抜けにくい織り方にしてあります。(シャーリングはしてません)

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コットンUSAのタグが付きます。

サイズは、ケットが150cm×200cm、ラグが150cmスクエアです。

 

追伸、

この織り方は、今後オファーがあれば出来ますが、黒の商品の扱いにくさには、こりごりしました。 こりごりさん(←古)です。

 


プレオーガニックベビーケット

2010-06-29 23:43:26 | プロダクツ

ベビーケットの紹介です。

パイルには、プレオーガニックコットンを使っています。 プレオーガニックコットンについては、

2010/6/26ダブルフェイスケットの、ワッフル面の素材説明と重複しますので、割愛させていただきます。

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そのパイル糸、番手は、30/1と言う番手です。 太め、中位、細め、 区切れば細めです。

2009泉州こだわりタオル展出展商品です。 地糸になる縦糸、横糸にも少しこだわりポイントがあります。 

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織物の縦横張力バランスは、一般的に横糸ヘビーになりがちです。 その点を番手を換えて、イーブンになるよう設計しています。

また、パイル糸を、細めにして、柔らかさに重きを置くと、縦糸の密度が、少し甘くなり、実際的にはあまり差はでませんが、理論上パイルが抜けやすくなってるはずです。 地糸の張力バランスは、この点も補うよう設計しました。

結果、パイルは、柔らかく、細く繊細で、生地全体には、ぺらっとしてなく程よい腰を残しました。

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現在、このタオルと、ダブルフェイスは、泉佐野地場産業支援センター内、大阪タオル工業組合にて、展示中です。

サイズは、80cm×140cmです。