復路四日目 山火事だあ!
7時に宿を出発。ジリへの道は街道を右折する。右折しない「主街道」はパプルの街へ降りていく。「パプル」の街は空港があり、ジリから道路も伸びて来ている。物流の中心なので、パプルへ向かう道は「幹線道路」である。人通りも多い。右折する道はガラガラである。今日はジュンベシの街まで行く予定。吊り橋でベニ河を渡り、エベレストの見える3040mの峠を越えて2700mまで下るとジュンベシだ。河からかなり登って展望の利く所に出た。新しいロッジを建設している三人組がいた。内一人が、日本語で話しかけてきた。ロッジを建てる人は、その資金を登山ガイドで調達する人が多い。この人もそうやって資金を調達したのだろう。日本語は、その祭覚えたと考えられた。少し進むと、農家の庭先に少年がいた。『どこへいくの?』と、少年が尋ねて来た。『ジュンベシだよ!』と、答えた。『この道より、上の道の方が真っすぐで歩き易いよ』と、少年が教えてくれた。気付かぬ内に、農家の作業道に入り込んでいた。お礼と言って、上の道に移った。峠に達し、エベレスト山群の景観を愛でながら、コーヒーを入れる。十分休んでからジュンベシへ下る。ジュンベシ入り口の吊り橋の向こうに、一軒のロッジがある。ロッジの6人家族が、外に出て騒いでいた。『うん?』何か様子が変だ。『山にジャガーでもいるのか。』と、後ろの山を振り返る。『山火事だあ!』。山を大きな白い煙が覆っていた。まもなく、たくさんの人がこちらに向かってやて来た。手に、鉈や錆びたピッケルを持っている。消化ヘリや消防隊がいないので、人海戦術の手作業消化が唯一の消化法らしい。
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