街道を行け!

街道を行く日記

70年も山を登れば! (17)

2024-11-20 15:52:03 | 旅行

 ジリ(1905m)

トレッキングの開始地点ジリへ向かう為、アラームを待たず3時20分に起床。ゆっくりと支度を整える。4時部屋を出てフロントへ降りる。ネパールの安宿では、どこでもスタッフがフロントの固い長椅子で毛布一枚で寝ている。申し訳なく思うが、二人の内の一人の肩を叩いて起こす。はっと驚いた様子で起き、ノートで支払いを確かめた後、入り口のカギの付いた頑丈な鉄扉を開けてくれた。お礼を言って、ヘッドランプを点け、明かり一つない真っ暗な街に出た。野良犬が沢山うろついているので、大きな石を手に持ちさらにポケットにもいれる。舗装に欠け乱れた道をバスパークへ急ぐ。昨日教えてもらった位置に、バスが三台並んでいた。右の一台は、エンジンが掛かっていて、『ジリ?』と車掌が呼びかけてきた。席を教えてもらい、荷物を後ろのトランクに入れてもらった。後ろの斜店に入り、ネパールの国民的飲料『ミルクティー』を頼む。濃くて甘い美味しいお茶が、全身を癒しかつ解し幸福感が全身に湧いてくる。25円。こんな早朝から何件かの店が開き、自転車のミカン売りもいた。出発してすぐに、車掌さんが席を運転席隣の最良な席に交換してくれた。ありがたい。

 バスは暗闇の中をガンガン飛ばす。乗っているのはローカルバス。停留所毎に、バスはスピード緩め、車掌さんが

『ジリ。ジリ』と行き先を連呼する。乗る人がいると、『バンバンバン』と車体を三度叩いて停車。いないと二度叩いて、そのままアクセルを踏んで通過する。叩くのは車掌さんであるが、時としてきを効かせた乗客も叩く。ネパールのバスは運転士の運転技術も秀でているが、車掌さん動きも度肝を抜く。フルスピード走行中も、屋根に上って荷物の整理をし、立錐の余地なく混雑している車内を行き来して、乗客と山のように社内に入れられた荷物を差配する。用事があるとバスを低速にしたまま、飛び降りたり、飛び乗ったりして用事を済ます。運転士への合図は例の『バン』である。カトマンズからジリ迄、一時間程街道を走り、その後大きな山を四つ超える。二時間おき位に山の峠があり、休憩が入る。峠を降りて村や町に出てバスが停車すると、様々な商品を抱えた売り子さんが殺到する。水、お菓子、ミカン、林檎、ブドウ、お土産、新聞等を販売するため車内にも入って来る。(ここまでの経費、お茶25円)                      



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