酈瓊に襲われる中、衛兵が高宗の乗った馬車を走らせる。追いかける酈瓊。
やがて馬車は壊され、高宗は振り落とされてしまう。持っていた剣で兵たちと1人戦っていた高宗は「取り立ててやったのに、なぜ謀反を起こす?」と酈瓊に聞く。「本意ではない。王徳を私の上官に命じたからだ。納得できん。宋で冷遇されるなら金に下ってやる」と言う酈瓊。貴様を五国城に連行してやる、家族と再会できるぞ、と。
高宗が酈瓊と戦う中、岳雲が助けに入る。「遅くなり、申し訳ありません」と高宗に言う岳雲。高宗は「よく来た、共に賊を倒すぞ。宋は不滅だ」と返す。
兵を倒しながら高宗を守り「ご辛抱を。すぐに岳家軍が来ます」と岳雲が言う。それを聞いた酈瓊たちは、岳飛には勝てないと怖じ気づき逃げてしまう。
酈瓊は5万の兵と10万の民を連れ金に投降する。
秦檜の元へ逃げていた張俊は、怒りの収まらない高宗からの罪を恐れ逃亡を考える。そんな張俊に秦檜は、陛下を言葉巧み懐柔すれば寛大な処分が下る、陛下に拝謁する際、他の話題に飛べば陛下の怒りも別の者に飛ぶ、苗劉に続き酈瓊も反旗を翻した、陛下は武将の謀反に恐怖を抱いている、陛下の怒りの矛先を岳飛に向けよ、そうすれば陛下は恐怖心を募らせる、と話す。
岳飛を追い落とせると超俊は喜び、すぐに高宗に会いに行こうとする。秦檜は張俊の短剣を鞘から抜くと腕に傷を負わせ「行ってこい」と言う。
張俊は怒っている高宗と会う。その時、岳雲は廊下で待たされていた。
しばらくして部屋から出てきた超俊は、大手を振るって岳雲の前を歩いて行ってしまう。
次に岳雲が呼ばれる。救ってくれた岳雲に感謝し、帰徳にいた時からずっと持っていたという剣を与える高宗。高宗は「彼らの謀反を知っていたのか?」と岳雲に聞く。岳雲は「いいえ。父の上奏文を届けるところでした」と答え、上奏文を渡す。
上奏文には“眼疾が再発しました。朝廷に北伐の志がないなら、兵権を返上し、故郷で治療したく存じます”と書かれていた。上奏書を強くぱたんっと閉じた高宗は「岳飛に伝えよ。“この上奏は認めぬ。即刻、軍営に戻れ”」と岳雲に言う。
寝台で悩んでいる高宗を心配する呉夫人。「悩みの種は酈瓊ではない。超俊の言葉について考えていた。我が国は建国して以来、ずっと文官を重んじてきた。100人の文官の汚職より、1人の武将の謀反のほうが被害が大きいからだ」と言う高宗。だが、宋の安寧は武将の働きにかかっている、信頼せざるを得ない、だが全幅の信頼は我が宋にとって命取りになると。呉夫人は「何か方策があるのですか?」と聞く。「数日前、金より和議の打診があった。このまま武将を金軍と戦わせ混戦状態がつづくよりは、金と和議を結び天下を二分するほうが賢明だ」と高宗は答える。そして謀反を防ぐためなら、たとえ罪のない忠臣でも、ためらわずに殺すと言う高宗。
翎児は子犬を見つけて抱き上げる。「親はいないの?ひとりぼっちね」と言う翎児。そこに来た宇文虚中が「十分な乳が出ないことに気づいた母犬が子を捨てたのです。生き抜くための選択でしょう。私が何を言いたいか分かりですね」と言う。翎児は「兀朮を援護しにきたの?」と返す。宇文虚中が「滅相もない。ただ、ご理解ください。ほんの子犬でさえ弱肉強食の理を知っているのです」と言うと、翎児は「理屈は聞きたくない」と言う。
宇文虚中は、お話したかったのは別のことです、幼い頃、私と2人の兄は洪水に巻き込まれ、川に流された3人のうち、か弱い母が救えたのはただ1人だけ、母は私を抱き、2人の子が溺れたのを見つめていた、唯一の存在だからこそ母は私をことさら大切にしました、四太子は夫人の唯一では?と話す。大切になさい、と、「分かっているわ。いつか悲劇が起こると、どこかで覚悟していたの。でも、まだ気持ちの整理がつかない」と言う翎児。宇文虚中は「お分かりでしょう?四太子にとっても粘没喝を殺すのは苦渋の決断だったのです」と返す。翎児が「家族が恋しい?」と聞く。「もちろん。日々、思っていても何もできません。自暴自棄になるより、強くありたいと願います。家族との再会を信じて生きるのです」と宇文虚中は答える。
翎児は抱いていた子犬を下ろし、歩いて行ってしまう子犬を見つめる。
夜。翎児が粘没喝のために作った帽子をかぶる兀朮。そこに来た翎児が「兄上」と言うが、すぐに兀朮だと気づき行きそうに。そんな翎児を捕まえ「どうか私を許してほしい。恨んでもいいが、私から離れるな」と言って兀朮は強く抱き締める。涙が止らない翎児。
宇文虚中は兀朮が招いた母と息子・小宝と再会する。ようやく会えた家族と抱き合う宇文虚中。宇文虚中は兀朮に感謝する。
自分の天幕で宇文虚中は母と小宝に食事をさせる。「金に下ったの?」と聞く母。宇文虚中は小宝を外へ行かせると「金の者は狡猾です。心配をかけましたが祖先に顔向けできぬことは何もしていません。必ず2人をここから逃がします」と話す。母は「共に逃げないの?」と聞く。「重要な務めがあります」と宇文虚中が答えると、母は「家族よりも務めのほうが重要だと言うの?」と言う。「これまでの戦は単に兵馬がぶつかり合うものでした。だが今回の戦は天下を分けます。金は宋で略奪を尽くしましたが、文化の程度が低いため宋を統治できません。だからこそ金は宋の文化を学ぶのです。いずれ金は宋に同化していくでしょう。その時、宋は天下統一を果たせます」と言う宇文虚中。これは兵を用いずに天下を統一する方法だと。
兀朮の用意した鉄浮屠部隊を見た合剌は「壮観だ。兀朮よ、よくやった」と言う。「鉄浮屠部隊が完成すれば、金軍は無敵です」と言う兀朮。斡離不は「完成まで何年だ?」と聞く。それに「1年以内には」と兀朮が答えると、斡離不は「宋は和議を願っています。鉄浮屠部隊の完成を1年待っていては…」と合剌に話す。戦で混乱を招くより、和議を進めるほうが賢明だと。兀朮は「和議で宋を油断させ、その隙に戦の準備をしては?」と言う。「だます気か?」と言う斡離不に「ともかく鉄浮屠部隊が完成すれば、我々が戦の主導権を握れます」と兀朮は言う。言い返そうとする斡離不を止め、合剌は「鉄浮屠の威力を見せよ」と兀朮に命じる。
鉄浮屠を試すために用意された人々は、誰1人逃げる事ができず、皆、殺されてしまう。
義兄弟たちが岳飛のもとへ集まる。「昔の陛下は、中原の回復と二帝奪還を願っていた。だが酈瓊の乱以降、その志を失ったようだ」と言う牛皐。楊再興は「単独での北伐を上奏しては?」と提案する。しかし王貴は岳家軍だけでの北伐は無謀だと言う。張憲が「まず陛下の真意を探るべきだ。陛下の恐怖心は根強く、“北伐”すら口にしなくなった」と言い、王貴は岳飛に「陛下のご意向に反すれば、寵愛を失い、奸臣どもの餌食になりかねんぞ」と話す。「己の栄達など、どうでもいい、心配するな。何とかして再び陛下の北伐の志を再熱させたい」と言う岳飛。
王貴は「陛下は超俊を罰するどころか昇官させた。北伐など望まないのだろう」と言う。しかし「違うな。武将が北伐を通し、強勢になることを恐れている」と言う張憲。牛皐は「なぜ恐れるんだ?強勢だからこそ、国と民を守れる。それに俺には何の野望もない。俺の忠義を疑うなら、財産をすべて放棄しよう」と話す。楊再興が「財産は桂娘だけだろ。桂娘を捨てられるのか?」と牛皐に言い、牛皐は「桂娘は嫁だぞ。捨てられるわけがない」と慌てる。それを聞いた岳飛は「捨てよう。いい考えがある。戦に出る時、家族を朝廷に預ければ信頼が得られる。北伐の大業を成すため、家族に我慢してもらうのだ」と言う。
岳飛はさっそく上奏しようと筆に墨をつける。そこに金の使者が臨安に入ったという知らせが。牛皐が「くそ。和議を結ぶ気だ」と言い、岳飛は筆を筆洗へ投げてしまう。
金は河南と陝西を無償で割譲し、超佶の棺を宋へ送る条件として、毎年金に対し銀25万両と絹50万反を貢納してもらうと言う。宋は「これは和議ではなく略奪だ。長年続いた戦により民は疲弊し国も乏しくなった。かつての国力はない。その額を貢納すれば宋は立ち行かなくなる」と返す。しかし和議の内容は変えられないと金は言い、さらに年号を廃し、金の属国になることや、今後、高宗が合剌に臣下の礼を取ることも要求してくる。「国辱となる和議を結ぶ事はできぬ」と言い、宋は和議の場から出て行く。
和議のことを考え、一睡もできなかった高宗。高宗は呉夫人に「靖康の変から11年、初めて金から和議を打診してきた。朕はこの11年間、毎晩同じ夢を見る。今は亡き父上が夢枕に立ち、何度もささやくのだ。“息子よ、ここは寒い。皇宮に連れ帰ってくれ”と」と話す。「陛下は和議を望むのですね」と言う呉夫人。一晩中考えていた高宗は「金は河南と陝西を割譲すると言う。父上の棺も送ってくれる。願ってもない条件に心を揺さぶられた。ただ…金の皇帝に対して、臣下の礼を取るよう要求された。朕は喜んで恥を忍ぶ。金に叩頭すれば、淮河を国の境に定められるし、民を戦から解放でき母上も皇宮に呼び戻せる。その願いがかなうなら、叩頭はおろか命も惜しくない」と言う。
ーつづくー
また秦檜の悪知恵が(@_@;)
でも、一番悪いのはやっぱり高宗!!
いろいろあって疑心を抱くのも仕方ないけど、もっと強い心で人を見抜く力がないと(;_;)
「たとえ罪のない忠臣でも、ためらわずに殺す」って(0д0∥)
兀朮と翎児店こうなってしまうよね。
翎児は兀朮をまだ好きだと思うけど、兄が悪いとしても、兄のことも大切だったからつらいはず…。
久しぶりに宇文虚中が登場。
子供がいたのにはビックリ!!
母と子供に会えたたことは良かったのか悪かったのか…。
会えたのは嬉しいと思うけど、金に連れて来られると心配だよね。
高宗、酈瓊の謀反に対し、立派に戦えてたよね?
なのに…なぜ逃げる事ばかり…(o´д`o)=3
それに味方の武将は信じられないのに、敵の金が約束した和議の条件を信じていいの?
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酈瓊のように謀反を起こす武将が次から次へといるから、よけいに武将を恐れるようになるのね。
でもそう仕向けてるのは高宗本人で、うささんの仰るように、誰よりも皇帝である高宗が一番悪い。
助けてもらったくせに岳雲に通りかかったのは偶然か
どうかなんて、やっぱり疑り深い。
「言葉巧みに懐柔すれば・・」とか「怒りの矛先を岳飛に向けよ・・」とか本当に狡賢くて悪知恵が働く秦檜だこと。
宇文虚中に子どもがいたんですね。でも奥さんは?
これからいかに金での重要な務めを果たしていくのでしょう。
つまり南宋と金の戦いを、漢民族と女真族の戦いと定義した場合、南宋は戦わなくても自動的に勝てる状態だったわけです
また、金そのものの人口比も、女真族より北宋の漢民族の方が圧倒的に多いため、
岳飛が金軍に奮闘することは、多数の同じ漢民族を傷つけ、南宋と金を共に疲弊させることでもあるわけですね
和議をすれば両国とも戦争に使う費用をそれぞれの国の発展に使えるわけです
一方で、南宋の国是を考えれば、国土回復は国の悲願であるのは当然です
立場が違えば何が正しいのかも変わる。を色々な立場の人物から多角的に表現しているのがこのドラマの深さですね
文化で同化するつもりだったとは。
戦いや搾取でなく、お互いの生活が豊かになるように
向かって行ってくれるといいですよね。。。
高宗、久々に剣を使っていましたが、
追い込まれればそれなりにできるのですから
剣だけでなく他でも
普段からもう少し発揮してくれればいいのに
と思ってしまいました。