「皇帝の懸念」
秦檜が食事中、伝書鳩からの文が届く。文には“潁昌府で大勝”と書かれていた。「岳飛の働きは神がかり的だ」と言う秦檜。「どうする気?」と王氏が心配すると「退路を確保せねばな。奴が完勝して帰京すれば、我々は確実に殺される」と秦檜が返す。
秦檜は二太子を頼る事を考える。
劉半仙は張用からの毒薬を小満に渡す。「秦檜は用心深いわ。銀を使って毒の有無を調べるの。隙がない」と言う小満。考えた劉半仙は、羊肉と秦檜の嫌いな魚の煮物を作る事を考える。「恐らく家職は羊肉しか調べないはずだ。魚に毒薬を含ませれば食卓に出す頃には毒が広がる」と言う劉半仙。小満は「危険すぎない?」と言うが、劉半仙は「大丈夫だ、問題ない」と返す。その時、来客が来たのを2人が見かける。
寝ていた秦檜が起こされる。「金からの来客が来ました」と言われ、体を起こす秦檜。目の覚めた王氏は「金とよく策を練ってね。岳飛を止めないと…」と言う。
来客として来た哈迷蚩と秦檜の会話を、外から小満と劉半仙が聞く。
「早期の休戦を実現するためなら、この哈迷蚩、死すら辞しません」と言う哈迷蚩。秦檜は「先に破約しておきながら、休戦を願うなど虫がよすぎます」と返す。「あなたを解放したのは、今日、この日のためだ」と哈迷蚩が言い、秦檜は何が望みかを聞く。哈迷蚩は「岳飛を撤退させてください」と言う。「あなた方が先に和議を破ったせいで、私はあやうく殺されかけたのですぞ。撤兵を陛下に訴えれば、私は恐らく…」と言う秦檜。「何を恐れます。今の宋において秦丞相に不可能はないはずです」と哈迷蚩は言う。事は急を要します、先延ばしにしないでくださいと。
ため息をついた秦檜は、撤兵を約束することはできないが、努力をし、最善を尽くすと話す。じっと見つめる哈迷蚩に、秦檜は「ご心配召されるな。もし岳飛が金に完勝すれば、私の命も消えます。我々は命運を共にする関係。一蓮托生です」と言う。哈迷蚩は笑い、2人は酒を飲む。
別の場所へ移動した小満と劉半仙。「金と内通していたのね。民のためにも早く毒殺しなきゃ」と言う小満。劉半仙は「俺に任せろ」と言う。明日、決行するぞ、小満は隙を見て逃げろと。
丞相府に来た万俟离は「潁昌で大勝した岳飛は、今この時にも汴京に向かっており、朱仙鎮に到着したとか。このままでは奴が大勝利を収めます。陛下は岳飛を重用するでしょう」と話す。「戦勝の知らせは、もろ刃の剣のようなものだ。陛下は喜びと恐怖を感じている。失地の回復は喜ばしいが、武功を上げた岳飛に民心が傾くのは怖いはずだ」と言う秦檜。万俟离は「陛下が喜び半分なら、恐怖をあおってはいかがです?」と言う。そこに来た王氏が「食事にしましょ」と声をかける。
運ばれてくる料理を家職が1品ずつ銀で調べる。小満が持ってきた料理も調べるが、家職は羊肉しか調べなかった。小満は卓に料理を置く。
万俟离は食事をしながら「陛下は武将の反乱を恐れておいでです。岳飛に謀反心があると思い込ませれば、陛下は岳飛を帰京させるはず。いかがですか?」と言う。秦檜は「御心は測りがたいし、岳飛は勝利を重ねている。陛下が動くとは思えぬ」と答える。
王氏の抱いていた猫が魚料理を食べたがる。魚を取り、王氏が与えると、猫が苦しみだし死んでしまう。「料理を調べよ」と命じる秦檜。
劉半仙はこっそり逃げようとするが、捕まってしまう。
誰の差し金か秦檜が聞くと「天下の民に代わって来た」と言い返す劉半仙。共謀者を吐けば命を助けてやると秦檜は言うが、劉半仙は「天下の民はみんな俺の共謀者だ」と睨みつける。「せっかくの命を無駄にする気なのか」と言う秦檜。劉半仙は「無駄にしてはいない。俺は貴様を必ず殺す。今の命で殺せないのなら、死んだあと幽霊となり、毎晩、お前を苦しめ呪い殺してやる」と叫ぶ。
「いいだろう。望みどおり死なせてやる」と言い、秦檜は小満にあの料理を持ってくるように命じる。身動きできないでいた小満は、王氏や万俟离にせかされ、仕方なく料理を持ってくる。
秦檜はさらに小満に「奴に食わせろ」と言い、震える手で劉半仙に魚料理を食べさせる小満。食べた劉半仙は「秦檜め…化けて出てやるからな」と言って亡くなる。
つらそうな小満を見た秦檜は、劉半仙を運び出すように言うと行ってしまう。
劉半仙の墓前で涙を流す張用。梁興はなぐさめ、素素は「半仙を秦府に潜入させていたとはね」と言う。「半仙は復讐のため秦府に入った趙さんを手助けしようとしたんだ」と張用が話し、小満も秦府にいると知る素素たち。
梁興は小満と連絡がつくことを確認すると「秦檜は金と内通している。最近、兀朮の軍師の哈迷蚩が秦檜に会いに来た。だが会談の内容は知る由もない。小満に聞いてもらえないだろうか」と頼む。「お安いご用だ」と答えた張用は、もうじき仲間が蘆山から来る、秦檜が兄貴を陥れる気なら、俺は絶対に許さないと言う。
岳飛は汴京を見渡せる場所で、王貴、張憲、岳雲、牛皐、に「朱仙鎮の由来を知ってるか?」と聞く。「いいや」と答える牛皐。岳飛は「ここは朱亥の故郷。仙人荘に住んだ朱亥にちなむ地名だ」と話す。岳雲が「俺が幼い頃、話してくれましたね。武に長けた朱亥は、信陵君の食客となり、秦を攻めて趙を助け、魏を守りました」と言うと、岳飛はうなずき「そのとおり」と返す。
「眼前にあるは汴京。さらに北は燕趙だ。過去、千年余りこの地で無数の豪傑が生まれ、後世に伝わる武功を上げた。今度は我々が武勇を轟かせる番だぞ」と告げる岳飛。13年だ、我々は13年も苦しみと屈辱に耐えてきた、今こそ決戦の時だ、敵の都まで攻め込むぞ、と。
張憲が「ついに兀朮を追い詰めた。金軍を蹴散らし、失地を回復しよう」と言う。
岳雲は兀朮が汴京に籠り、朱仙鎮を烏棱思謀に任せたことを話す。「梁殿にもらった兵糧は残り3日分しかない。矢も少ないぞ」と言う王貴。岳飛が「兀朮は戦意がないのに撤退せず朱仙鎮を固守している。策があるのだろう。もしや…」と言いかけたところに文が来る。
文は忠義社からだった。目を閉じた岳飛は「思ったとおりだ。哈迷蚩が臨安に行った」と言う。「朝廷は方針を変えたのか」と言う張憲。岳飛は「秦檜はずっと万俟离と密談を重ねていた。動きだしたのだ」と言う。
皆は岳飛の幕営で話す事に。
秦檜はうなされて目が覚める。一緒に起きた王氏は「しっかりして。悪夢を見たのね。今から岳飛を恐れていては、この先、身が持たないわよ」と言う。
参内した秦檜は、浮かない顔をしている高宗を目にする。高宗は岳飛に座を奪われることを心配していた。
秦檜は「もうじき岳飛が朱仙鎮を奪還します。民が歓喜している今こそ、皇宮を出て町を視察すべきでは?」と高宗に話す。
高宗は秦檜に連れられ町へ行く。そこで民が資材を持ち寄り、岳飛を祭る祠を建てたことを知る。
“学公祠”に高宗が入ると、民たちが“岳様像”に向かって拝んでいた。秦檜は民たちを外へ出す。
「今日ようやく朕は真実を知った。民にとっての皇帝は、朕ではなく岳飛なのだな」と言う高宗。高宗は自分も焼香しようとする。それを止めた秦檜は「“天下に二主なく、民に二主なし”陛下こそ我々の皇帝です。陛下をおとしめた愚民どもを皆殺しにしましょう」と言う。
「北伐に向かった岳飛は戦勝を重ねている。皆、朕が喜ぶべきだと考えているが、実際のところ朕はひと晩たりとも安眠できていない。岳飛とは頼もしくもあり、末恐ろしくもある男よ」と言う。
秦檜は「陛下にご安心いただくため、私が一計を案じました」と話す。そして、速やかな帰京を促す聖旨を岳飛に送るのです、岳飛が従えば引き続き張用しましょう、従わなければ謀反の兆しです、と言う秦檜。
岳飛は自分が書いた文と同じ内容を千枚書かせ、矢につけさせる。
ーつづくー
今日は劉半仙がΣ( ̄ロ ̄lll)
尻込みしていたのに、最後まで小満を守って…。
まだ小満を秦檜のところにいさせているけど、大丈夫かな…。
そして猫ちゃんも…。
あの猫ちゃん、マリーみたいだったよね…(;д;)
また秦檜が企んでる。
でもムカムカなのは言いなりの高宗ヾ(`Д´*)ノ
末恐ろしいのは別にいる!!!
文の付けた矢、どうするんだろう?
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小満のために立派な好漢としての最期でした。
二人で幸せになってほしかった。
張用とウシマのお店で何気にいい人になっていて、
憎めない三人組の一人でした。
そうそう、うささん
猫ちゃんまで・・・・ちゃんと死んだ演技してましたね。
結構リアルだったけどホントじゃないよね。
ふさふさの豪華な猫でした。マリーという品種なんですね。
あの猫のせいで計画がああなってしまって・・
でも、元はと言えば、万俟离のせい!!
そして一番悪いのは秦檜と王氏!!