卿塵(けいじん)/巫女…リウ・シーシー(劉詩詩)
元凌(げんりょう)/皇帝…ウィリアム・チャン(陳偉霆)
元湛(げんたん)…シュー・ハイチャオ(徐海喬)
元澈(げんてつ)/第十一皇子
元安(げんあん)/皇帝
元漓(げんり)/第十に皇子
朶霞(たか)/阿紫族公主
「巫族の怒りを招いてもいいので?」と元凌が聞く。元安は「巫族が怖くて殲滅を命じられるとでも?」と返す。皇宮の内外に包囲網を張り巡らした、霊力があってもこたびは逃げられぬだろう、と。自分が朶霞を娶らなければ、即座に卿塵が殺されると分かる元凌。元安が「主君を欺いた者は死罪に処されて当然だ」と話し、元凌は「では私は?」と言う。少しの間の後「そちは朕の息子だ。だが皇太子の位につくことは決してないだろう」と告げる元安。
元凌は「命令に従います」と言う。元安が「誠に朶霞を娶るというのだな」と確かめる。「長らく思いあぐね、心を決めました。私は美女に惑わされていたようです。父上と囲碁を打った際、教えを受けたことで目が覚めました。阿紫族との婚姻には、多くの益があります」と言う元凌。元安は「あの巫女はどうする?」と聞く。元凌は「父上はかつて“君たる者、天下のため用う”と。天下を碁盤とすれば、巫族は碁石であり民を安じられます。有用ゆえ捨てるのは惜しく、あの巫女を使い、巫族を牽制しては?」と答える。
「ならば朶霞と早急に婚姻を結ぶよう勅命を下そう」と言う元安。元凌は「朶霞と結婚した後、玄甲軍を率いて梁国を攻めさせてください」と頼む。魏国だけでは勝算はないが、阿紫族と巫族が味方ならば勝てると。元安は頷き「2つの碁石をどう使うか、そちの働きを楽しみにしておるぞ」と言う。
勤政殿から出てきた卿塵は、自分に向けられていた弓が下ろされるのを見る。“元安は私を盾に元凌に婚姻を迫ったようね”と思う卿塵。
蓮地宮の前まで来た元安は「朕が帝位を凌に譲ったなら、かの者は心を許すか?」と孫太監に尋ねる。孫太監は「陛下は長年、真心を尽くしてこられました。必ずや報われるでしょう」と言う。「治国の才を考えると、湛もまたとない人選だ。凌と湛のどちらにするか難しい決断となる」という元安。元安は鳳丞相、殷殿、衛殿を召すよう命じる。
竹林に囲まれた家に駆けてきた卿塵は、先に来ていた元凌と抱き合う。「人の死は戦場で見慣れていたが、今日ほど焦ったことはない。どれほど元安を殺したかったか」と言う元凌。卿塵は「分かっている。まるで悪夢のようだったわ。朶霞公主と密約を交わしていなかったら、こうして再会できなかったやも」と言う。
元凌は「知っていたか。元安は実の父ではない。育ててもらった恩に応えようとしてきた。だが先ほど元安は親子の情を断ったのだ」と話す。「いつ知ったの?」と聞く卿塵。元凌は「母上が…母上が教えてくれた。私と君は双星だ。巡り会ったゆえ、政変は避けられない」と言う。卿塵は「桃殀長老は、あなたに双星の話まで?」と尋ねる。「更には君と巫族のことも託された。この闘いには必ず勝たねば」と言う。
卿塵は「生きるも死ぬもずっと一緒よ」と元凌の胸に顔をうずめる。その時、卿塵は元澈が襲われる幻影を見る。「梁国と開戦するつもり?」と聞く卿塵。澈王殿下が重傷を負う幻影が見えたわ、と。
元安から、明日、皇太子を推挙するように言われた、鳳衍、殷監正、衛殿。殷監正がこの件をどう考えているか聞くと、衛殿は「流れに任せるしかあるまい」と答える。どちらに流れが来ていると?と言う殷監正。衛殿は「凌王にしても湛王にしても、共に人望があります」と言う。殷監正は「鳳殿はどちらを推挙なさるおつもりで?」と尋ねる。「官職を辞すべき老いぼれの私に意見などありましょうか」と鳳衍は言う。すべきことはただ1つです、陛下のご意向に沿い皇太子を立てねば、と。
鳳衍は「殷殿はかの方を推挙するのでは?」と殷監正に言う。殷監正は「そんな、まさか。鳳殿と同じ気持ちです。陛下のご意向を尊びましょう」とごまかす。
慌てて元湛の元に来た殷監正は「陛下が朝臣に、明日、皇太子を推挙せよと」と話す。殷家の子弟や関係の深い権門に殿下を推挙させましょう、東宮に入る好機です、と。しかし元湛は「やめておけ。自然に任せよ」と言う。
推測で間もなく梁国と戦になると考えた元湛は、玄甲軍が苦境に陥らないよう「国庫に残る銀子はいかほどだ?華州と霊州の備蓄状況を早急に調べてくれ」と命じる。殷監正は皇太子位をかけて争っているため「玄甲軍が敗北してくれたら、凌王は殿下と戦う資格を失います」と言う。そんな殷監正に「1つ聞きたい。四兄上が率いる玄甲軍は無敵だ。その四兄上が敗北したら阿紫族はどうなる?魏国は?阿紫族が滅びた後、狙われるのは魏国だ。その時、誰が魏国を守る?」と言う減反。国を失えば皇太子など存在せず、皇帝でさえ生きる場を失う、皇太子位を争う意味が?と。
「殷家はすべての希望を殿下に託してきました。殿下が後継者の座を諦めれば、殷家は将来、朝廷内で立場を失います」と言う殷監正。元湛は「諦める気はない。お前たちは好きに裏工作を続けよ。だが限度はある。魏国を危険にさらすな。この程度を守れぬ者がいれば、殷家の者といえども容赦はしない」と言う。
何儒義を捕らえたと報告を受けた殷監正は「これで凌王から後継者の資格を奪える」と笑う。そして何儒義を延煕宮へ連れて行くよう命じる殷監正。
霊蝶に調べさせた卿塵は“殷府に何儒義はいないようね。采倩の見間違いか、何か別の理由が?”と思う。そして腕の玉の輪を見て「ごめんなさい、玉を割ってしまったわ。あなたは怒る?」とつぶやく卿塵。
凌王府に鳳衍が訪ねてくる。「皇太子を推挙するよう勅命が下りました。朝政が動く大事な局面ですが、殿下は間もなく出陣を…」と言う鳳衍。元凌は「疎遠な私に、なぜ、わざわざ報告に来た?」と聞く。鳳衍は「確かに疎遠でしたが、ずっと殿下を崇敬しておりました。卿塵が鳳府にいた際、殿下との仲を応援したいと…。私は卿塵が巫女だという嘘を信じました。今や天涯孤独の身です。卿塵は実の娘ではないものの、養女にすることで過去を償えればと」と話す。
元凌は「彼女が巫女だと誰から聞いた?日晷陣に入らせたのは誰の指示だ?」と尋ねる。鳳衍は「黒い衣を着た覆面の者です。顔は見ていません。陛下が巫族を嫌うゆえ、鳳家を守らねばと…」と話す。元凌は「誰かが魏国の朝政を混乱させたいようだ」と言うと「いつになれば用件を言う?」と聞く。鳳衍は「勢力を盛り返した殷家は、今後、鳳家を攻撃するはず。鳳家を存続させるため、私が朝廷で頼れる方は殿下お一人なのです」と言う。
「三代の皇帝に仕えた鳳殿は、願ってもない味方だ」と言う元凌。鳳衍は「誠ですか?」と言う。では全力で援護します、と。元凌が「算段があるようだな」と言うと、鳳衍は「これまで数々の政変が起きました。しかし私の影響力は衰えていません。明日、仲間と共に、連名で奏状を提出しましょう。凌王殿下を東宮の主に推します」と答える。しかし元凌は「結構だ。七弟を推挙せよ」と止める。「せっかくの好機をみすみす逃すつもりで?」と言う鳳衍。
元凌は「鳳殿は父上の性格を分かっていない。殷家は大臣全員に根回しして七弟を推挙させるはず。鳳家を含めてすべての朝臣が七弟を選べば、父上はどう思うと?」と聞く。鳳衍は「陛下の性格からして、朝臣の支持を得ている者は後継者に選ばぬはず。まさか殿下が陽動作戦を取るとは。さすがです」と言う。「あとは任せたぞ」と元凌が言い、鳳衍は帰っていく。
部屋に入ってきた元澈は「相談したいことがあって会いに来たが、鳳衍がいて驚いた」と言う。話が聞こえていた元澈に「斯惟雲、杜君述、褚元敬にも奏状を書かせろ」と元凌は命じる。
朝廷で元凌の妃として朶霞が選ばれたと告げられる。「3日後に婚礼を執り行え」と元凌と朶霞に言う元安。その後、元安は元澈を前へ呼び「そちも妃を娶る頃合いだ。太常寺の莫殿が相手を占ってくれた」と言う。そして殷監正も呼び「そちの娘・采倩を澈王妃にする気はあるか?」と聞く元安。殷監正が「ご厚恩に感謝します」と言い、元澈も喜ぶ。
“陛下は婚姻で凌王と湛王の勢力の禁衡を図った”と思う鳳衍。
柴項は「やはり魏国は阿紫族と結盟しました。婚儀は3日後です」と簫続に報告する。魏国が自分を招いたのは、戦を先延ばしにするために違いないと思う簫続。柴項は「準備は整っており、いつでも出撃できます」と言う。梁国に盾つくなら慶事を弔にしてやる、と考えた簫続は、柴項に「帰国して伝えよ。阿紫族から滅ぼす」と告げる。
殷監正は「まもなく皇太子が決まります。大勢に湛王殿下を推挙させましたが、陛下の意向は不明です。凌王の出自の秘密を明かしてはいかがでしょう?」と殷貴妃に相談する。しかし殷貴妃は首を横に振り「焦らないで、それは最後の切り札よ。湛が皇太子に選ばれたら、梁国との戦が終わるまで元凌とは対立しない。選ばれなければ、即刻、その件を奏上して状況を挽回するわ」と言う。さらに「陛下は太学士たちの意見を重視される。上手に利用しなさい」と言う殷貴妃。
朶霞は鞘に収まっている剣に触れながら「不孝者の私をお許しください。最期を看取れず、葬儀にも出られません。阿紫族と領土のため、喪が明けぬうちに嫁ぎます。どうかお許しを」と泣きながら父に謝る。「目下、王子の命で王の死は伏せられています。しかし露呈すれば八大部族の反乱は必至。私が先に帰国して対応します」と話す木頦沙。朶霞は「あなたは民思いね。急いで帰国できるよう手配するわ。ただし帰国する時は私も一緒よ。共に梁国を負かして、阿紫族を守りましょう」と言う。
木頦沙は「約束してください。梁軍を撃退したら凌王と離縁すると。民の元に帰るのです。私が生涯、お守りします。約束するなら、凌王に従いましょう」と話す。朶霞は木頦沙の元へ行き「約束するわ」と言う。そんな中、卿塵が使者として、朶霞の婚礼の衣装を持ってくる。
朶霞は「あなたのおかげで阿紫族は救われたわ。この衣装はあなたの物だったはず。同じ女子として気持ちは痛いほど分かる。偽りの結婚でもね」と言う。「少しも気にしていないと言えば嘘になります。でも本当に許せなければ使者にはなりません。どうか、お気になさらず。この衣装を阿紫族への礼物と見なしてください。結盟が永久に続きますように」と言う卿塵。朶霞は「それなら約束できる。私が生きている限り、阿紫族は永久に魏国の盟友よ」と言う。
卿塵は「凌王殿下が派遣した間者によれば、婚礼の日、簫続は公主を殺して帰国するつもりのようです。この件に関し、凌王殿下と湛王殿下が対策を練っています。簫続を捕らえられたら梁国に勝ったも同然です」と伝える。朶霞は「ずっと知りたかったの。どんな女子が凌王殿下の目にかなうのかを。彼があなたに執心する理由が分かったわ。聡明な女子は大勢いても、彼と同じように策を巡らせられるのはあなただけね」と言う。恋では負けたけれど、心から感服していると。
卿塵は「多くの物事は時期に左右されます。私は公主より先に出会っただけ。数多い試練の中で最も解決し難いのは恋です。すべてのことを譲歩できても、想い人だけは渡せません。どうかお許しを」と話す。朶霞は「想い人より、知己のほうが得難いわ。あなたに出会えて私は幸運よ」と言う。「もっと早くに出会えば、よき友になれたことでしょう」と言う卿塵。左手を差し出し、朶霞は「今でも遅くない。親友になりましょう」と言う。卿塵はその手を握る。朶霞は「これで私の勝ちね。想い人は得られずとも、最高の友を2人も得たもの。そうでしょう?」と言う。朶霞を抱きしめ「砂漠の女将軍と友になれて、光栄です」と言う卿塵。
元澈は嬉しさのあまり、殷采倩を抱きかかえ、くるくる回る。そして下ろすと「卿塵が約束を果たしてくれた。父上が君を澈王妃にすると」と伝える元澈。殷采倩は「本当なの?」と喜ぶ。
元凌の元にも婚礼衣装と褒美が届けられる。剣を手入れしていた元凌は「分かった」とだけ言い、見ようともしない。そんな元凌に試着を催促する従者。元凌が手にしていた剣を投げつけ、柱に刺さる。そこに殷采倩と一緒に来た元澈が。驚いて「四兄上、どうした?」と言う元澈。
ーつづくー
命じるのではなく、自ら朶霞との結婚を選択をさせる元安(;´д`)ノ
それに自分が引き裂いておいて、卿塵に使者として婚礼衣装を持って行かせるなんて、元安が残酷すぎる!!(-"-#)
朶霞も卿塵もつらいと思うけど、当然、元凌だってやりきれないよね。
卿塵と結婚できないし、卿塵を傷つけてしまうし(;△;)
今は朶霞が約束を守ってくれるのを信じたい気持ちでいっぱい。
いろんな思惑があちこち飛び回ってて(;△;)
幸せそうに見える元澈も、戦が始まったら心配…。
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元凌も卿塵も朶霞もみんな複雑。
朶霞も本当に健気ですよね。
前向きに自分の運命を受け止めようとして。
それぞれの気持ちとばらばらの行動がどうなるのでしょうか。
これ以上のことが起こってほしくないですね。。。