「想い焦がれて」
目を覚ました白娉婷に「私を知らないでしょ?私は酔菊、あなたの医者よ」と話す酔菊。床の血を拭いていた漠然も「気がつかれましたか」と言う。酔菊は「これはあなたの血よ。昨夜、吐いたの。安心して、いいことだから。あなたを薬湯に入れたから、体にたまった悪い血が出たのよ。きれいさっぱりね。ただ薬効は強いし、あなたの体は弱いわ。今日からしっかり養生しましょう」と言う。
娉婷が「北捷様は?」と聞く。「えっと…」と酔菊が言いよどみ、漠然は「そなた厨房で粥を炊いていたな」と酔菊に言うと逃げてしまう。酔菊は仕方なく「北捷様?誰のことかしら。あなたを助けたのは則尹という人と漠然さんよ」と作り笑いをしてごまかす。そして「桂円が足りないわ」と言って、酔菊も慌てて部屋を出て行こうとする。しかし娉婷に呼び止められてしまう。「食事は要らない。北捷様に伝えて“会いに来ないなら食べない”と」と言う娉婷。
厨房に来るなり「よくも逃げたわね」と漠然に言う酔菊。漠然は「私は嘘のつけぬ男だと知っておろう」と言う。
酔菊は「北捷様、早く来てください。私たちでは、ごまかせません」とつぶやく。
1人だけ戻ってきた刺客の男を「この役立たずが」と言って殴る張文征。しかし張貴妃は「行かせたのが悪いのです。楚北捷の相手になるとでも?いつも慎重な父上が、なぜ、かような失態を?」と言う。これではやぶへびもいいところ、うかつに次の手が打てないと。そして「楚北捷のことは、お任せください」と言う張貴妃。張文征が「どうする気だ」と言うと、張貴妃は「晋のため、犠牲になってもらうのです」と答える。
刺客の男が「気になることが。楚北捷はずっと西の間を守らせていました」と話す。それを聞いた張貴妃は「挽回の機会をやろう。西の間を調べてこい」と命じる。
隠れ家に来た北捷に「娉婷様が何も食べずに困っております。言い聞かせてください」と言う漠然。あくびをしながら部屋から出てきた酔菊も、北捷を見ると漠然を押しのけ「やっと来てくれたんですね。あの白さんは賢い人で、私の話をまるで信じてくれません。ずっとここにいてください。これ以上、嘘はつけません」と言う。それでも「己の体を祖末にするとは」とだけ言って、北捷は娉婷と会わずに帰ってしまう。
寝台から起きた娉婷は“南華真経”という書物を手に取る。座った娉婷が書物を開いた時、ふと、壁にかかっている北捷の描いた自分の似顔絵に気づく。その前まで歩いて行った娉婷は“生きていれば必ず戻る 死んでも思い続ける”と書かれている詩を目にする。「蘇武の“留別妻”ね」とつぶやく娉婷。娉婷はその横に書き加えると、傷口が痛み筆を落とす。そこに酔菊が来る。「あなたと北捷様は変わってる」と言って、酔菊は娉婷を寝台へ連れて行く。
卓の上にあった書物を見て、酔菊が「いくら書を読んでも、剣は防げない」と言う。その書物を酔菊から受け取り「読まないと空っぽになる気がして」と言う娉婷。酔菊は「空っぽなのは胃の中よ。うすっぺらい紙になっちゃうわよ。北捷様が“必ず食べさせろ”って」と言って粥を食べさせようとする。「酔菊さん、ありがとう」と娉婷が言い「嘘をつくのがばかみたいだもの」と言う酔菊。
酔菊は「正直に言うわ。今朝も北捷様が来てたの。でも、すぐ帰ったわ。“2日食べてない”と言ったけど、帰った」と話す。娉婷は「いいの、そのうち会えるわ」と言う。「飢え死にするわよ」と酔菊が言うと「ならば詩のとおり、死んで思い続けるわ」と娉婷は返す。
厨房に戻ってきた酔菊に「今日、娉婷様は食べたか?」と漠然が聞く。「食べないわよ」と酔菊が話していると「粥はあるか?1杯くれ」と言いながら北捷が来る。
北捷は粥を持って部屋へ行く。しかし寝台に娉婷の姿はなかった。部屋を出て行こうとした北捷は、自分の描いた娉婷の似顔絵に“私は星で あなたは月 毎夜 明るく照らし合う”と書き加えられている詩に気づく。
急いで雪の降る外へ出た北捷は、すぐに傘をさして佇む娉婷を見つける。「私に会えたぞ、これで満足か?」と聞く北捷。娉婷は「大将軍が全力で剣を刺したのに女子を殺せぬとは。私を助けるため、わざとやったのね。あの日、あなたの剣で死んでいれば済んだものを。私は生きているわ、どうするつもり?」と話す。北捷は「そなたが賢くなければよかった。そなたに罪があれば罰したが、私を助けるために、そなたが死ぬのは耐えられぬ。生きるのだ。そなたが自分を傷つけるなら、私は今ここで死ぬ。何を隠しているか知らぬが、皇子の件は私が調べ真相を暴く。私は名声など要らぬ。そなたを刺してから、そんなものは捨てた」と言う。
「今の話を聞き、しっかり生きると決めたわ。今朝“南華真経”を読み、ある句が頭に残った。“この身は己のものにあらず”。人を愛することは己を犠牲にすること、そう思っていた。生死をさまよい、生が死より難しいと知った今、あなたを置いて逝けない。こう書いていたわね、“生きていれば必ず戻る 死んでも思い続ける”。あなたに思い続けさせたくない。あなたが私を信じようが恨もうが構わない。私は決めたわ、ずっとそばにいる」と言う娉婷。北捷は「それはよかった。ここは冷える、帰れ。そなたを晋から連れ出させる。あさって発とう。旅には体力が要るゆえ、作った飯は全部食べろ」と言うと行ってしまう。
「娉婷に大量の薬が要るゆえ、薬商人に扮する。白蘭と涼を経て、嘉峪関へ行くのだ。道中の町で休む時は、護衛隊が娉婷より2日先に到着し、安全を確かめる。護衛と娉婷は怪しまれぬよう距離を保て」と北捷は漠然に命じる。娉婷にはお前と酔菊が付き添い、護衛は2度の休憩ごとに交代を、と。漠然は「娉婷様との再会は難しくなりますな」と言う。そして「娉婷様は潔白だとお信じに?」と聞く漠然。北捷は「晋へ戻る前、娉婷に会った時、こう言ってた。“何が起きても、最後には誤解だと分かる”」と答える。
白蘭。朝議で「この10年、白蘭は国力の回復に努め、天災や戦を逃れました。富める国となったものの、兵力は、晋、燕、涼より弱い。対抗できませぬ。そこで本日より租税を引き上げ、軍備を増し、徴兵を始めては?今後は民が兵を養い、兵が民を守るのです」と何侠が提案する。しかし貴丞相は、徴兵は平和な暮らしを望む民の意に反します、“再び戦が始まり、平和は消え、苦しむのか”と民は不安に思いましょう、と反対する。何侠は「丞相の言う平和は、かりそめのものにすぎぬ。晋と燕が牽制し合い、生まれた平静です。この均衡が崩れた途端、白蘭は他国の餌食となりましょう」と言う。
「それは憶測にすぎませぬ。そのような理由なき憶測を根拠に白蘭が軍備を増すなど論外。民の不安をあおるだけです。しかも白蘭は近隣諸国と友好関係を築いておる。軍備を拡張すれば、警戒され、敵視されるやも」と言う貴丞相。他の重臣たちも貴丞相に賛同し、耀天皇女が「駙馬の憂慮にも一理ある」と話しても、貴丞相に「今日は、ここまでに」と止められてしまう。
晋。司馬弘が見つからず、大騒ぎとなる。そんな中、永延殿にいることが分かり、王総管と張貴妃が向かう。そこには酔った司馬弘が。
張貴妃が連れて行かせようとした時、司馬弘が「皇后の泣き声が」と言い出す。平静を装いながら「まさか。それほどまで皇后様をお思いなのですね」と言う張貴妃。
司馬弘が行った後、王総管を呼び止めた張貴妃は「今、後宮にいる者はお前が選んだ。皆、お前の配下ゆえ、失態の責を負うべきはお前だな。表立ってお前をかばえぬぞ」と言う。自分の落ち度を認め「陛下から目を離さぬよう、皆に言い聞かせますゆえ、ご心配なきよう」と言う王総管。
張貴妃が「陛下のご様子は?」と聞く。王総管は「食欲はあまりなく、ぼうっとされたり激怒されたり。金丹をお召しになると急にお元気になられ、女子を何人か呼ばれます。私が見たところ、お元気な時は短くなっています」と答える。
「引き続き、金丹を差し上げて」と言う張貴妃。そして張貴妃は永延殿を見ながら「死んでもまだ、何かする気?」とつぶやくと、王総管に「陛下の勅命である。“永延殿の不浄のものを呉道士に追い払わせよ。今後、立ち入りを禁ず”」と告げる。王総管が「陛下が仰せに?」と聞く。ふっと笑った張貴妃は「陛下はお年で、すぐ忘れる。だが、お前は覚えておろう?」と言う。慌てて「覚えております。仰せのとおりに」と言う王総管。
白蘭。皇女が宴を開く。貴炎と前に出てきた貴丞相は「私と愚息の貴炎が、ご成婚のお喜びを申し上げます」と皇女に言う。礼を言った皇女が「私からも貴将軍にお祝いが。貴炎よ、聞け。そなたの働きをたたえ、征鎮将軍に任ずる。その名に恥じぬよう白蘭に尽くせ」と告げる。陳傅は急いで前へ行き「貴炎将軍は才のある方なれど、まだ戦功がありませぬ。征鎮将軍にはふさわしくないかと」と反対する。陸栄澤も出てきて「同感です」と言う。戦功なき者を征鎮将軍としては、長く辺境の地で国を守る兵らが納得しないと。
皇女は「2人が自ら出てきたゆえ、呼ぶ手間が省けた。刺史・陳傅と御史中丞・陸栄澤は清廉にして優秀なる働きである。よって陳傅を中書令に、陸栄澤を左民尚書に任ずる」と言う。そして皇女は「執政にあたり女の身で皆を従える難しさを思い知った。帰国して間もなく、分からぬことも多い。未熟な私に進言する臣下の忠義の心は分かっておる。なれど、忠心とは国に対して抱くもの。私も含めて人ではない。周辺では戦が起きておる。白蘭は国力回復に努めたが、往年の勢いはない。そこで、わだかまりを捨て、共に国の未来を考えてほしい」と話す。
酔った皇女を抱きかかえ、寝台へ運ぶ何侠。皆が下がり、皇女は起きると「駙馬、行かないで」と言って歩き出す。しかし、数歩、歩いたところで倒れそうに。そんな皇女を支え、何侠は座らせる。
皇女は「“皇女”と呼んでばかり。私には名前があるわ」と言う。何侠が「では「“耀天”と呼びましょう」と言い、皇女は嬉しそうにうなずく。
「自分に腹を立てているの。私に老臣らを抑える力がないゆえ、私の望みはかなわず、あなたを守ってもあげられず、ごめんなさい」と言う皇女。何侠は「ご自分をお責めにならぬよう。深く根を張った老木は、一朝一夕では動かせぬ。少しずつ気長にやりましょう。焦っても始まりませぬ」と慰める。
隠れ家。娉婷が髪をすいていると酔菊が部屋に来る。「頬紅と眉墨を貸してくれる?」と言う娉婷。「いいわよ、でも…」と酔菊が言うと、娉婷は「数日、手入れを怠ると汚らしくなるわ。女は美しくあらねば。相手の気持ちを変えるなら、なおさらね」と話す。酔菊は「気持ちを変える?その体で、どこかへ出かけるつもり?明日、発つのだから、早めに休まないと」と言う。娉婷は「行かない」と返す。私はどこへも行かない、行けば、もう二度と北捷様に会えぬかも、それは死に別れるのと同じこと、私を助けておいて、なぜ遠くへやるの、北捷様の芝居や私の傷は何のため?来ないなら私が会いにいくわ、すがって頼んでもいい、殺されでもしない限り離れないわ、と。喜んだ酔菊は、娉婷の支度を手伝う。
ーつづくー
酔菊と一緒いる時だけ、漠然が面白くなる(*≧ω≦*)
自分だけ逃げちゃうなんて!!
酔菊も正直者だから、嘘はつけないよね。
娉婷のように賢くなくても、この時のこの2人の態度は分かりすぎ(≧∇≦)ノ彡
娉婷と北捷が外で話していたけど、刺客に見られなかったのかな?
あと晋のために犠牲になってもらうと言っていた、張貴妃の言葉も気になるけど…。
皇后の泣き声、本当に司馬弘には聞こえたのかも…と思ったり。
あれでは皇后が、うかばれないよね"(ノ_・、)"
娉婷は絶対気持ちを曲げないと思うから、北捷がどうするか楽しみ(*´艸`*)
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司馬弘は宅間伸、北捷は仲村トオルです。
冬灼は・・・最近出てこないので思いつきません。
このドラマは何気なくお姫様抱っこが多いですね。
お話の筋とは全然関係ないことに目がいってます。
アンジェラベイビーだから お姫様だっこできるんですよね。
とぶとぶ くるくるファンタジードラマとは思ってなかったのですが 面白いです。物悲しくなる年末まで 突っ走っていけそうです。画像が粗いところもへっちゃらです。
大迷惑ですね(苦笑)
そのうえ、刺客まで登場して。。。
それぞれがそれぞれを思いやるからこそですが、
素直になれるといいですよね。
ところで、ねこさんやみいこさんの空耳アワーならぬ、
空見たアワー、面白いです!
の冬灼 ですが、タッキーこと、滝沢秀明をおもいだします。
本編とは違う所での一言でございました。
ちゃんちゃん