「未来の証として」
目を伏せ、涙を流しながら立ち尽くすシャンシャンのうしろにフォン・トンが戻ってくる。「シャンシャン」と呼ばれ振り返るシャンシャン。「結婚式は大切だと思う。だがフォン家のしきたりは複雑すぎる。だからユエに任せたんだ。ある意味、僕にとって婚礼は伝統的な儀式でしかない。そんなものより君の方が大切なんだ」と言ったあと、フォン・トンはシャンシャンの涙を拭う。
フォン・トンは指輪を見せながら「この指輪は母が祖母から受け継いだもので、フォン家の嫁の証だ。今を生きる僕たちにとって指輪は過去のものだが、君がこれを指にはめれば2人の未来の証になる」と話す。そして「シャンシャン、結婚してほしい。僕に嫁いでくれるか?」と言うフォン・トン。シャンシャンはフォン・トンを見つめ頬笑むとうなずき「もちろんよ」と言う。
フォン・トンはシャンシャンの指に指輪をはめシャンシャンにキスをする。
翌日。シャンシャンは社長室でチャン弁護と会う。「婚前契約は基本契約と贈与契約からなります」と話すチャン弁護士。「あなたは企業資産に権利を持たない。これに関しては異存はないですね」とチャン弁護士に聞かれ「ええ…ありません」と答えるシャンシャン。次に「こちらは贈与契約です。彼名義の居住用および商業用不動産、貴金属類、株式、それに投資信託などがフォンさんと結婚後はあなたの物になります」と言われ“そんなに…”とシャンシャンは驚く。
たくさんある書類に目を通したシャンシャンは「基本契約は異議なしよ。贈与はこれだけでいいわ」とフォン・トンが家主だと知らずに借りていたマンションの贈与契約書をチャン弁護士に見せる。「それだけですか?」と言うチャン弁護士。フォン・トンは2人だけで話がしたいと、チャン弁護士には帰ってもらうことにする。
2人きりになり「婚前契約が気に入らないのか?」とフォン・トンが聞く。「違うわ、そんなことない」とシャンシャンは答える。基本契約は祖父が決めた、どんな状況かでも企業資産を確保するためだ、贈与契約で僕個人の資産を君に譲る、企業の利益を守るなら、君の利益も守りたい、最悪の事態になっても、これだけは君の物だ、とフォン・トンは話す。「私を裏切る結果を想定してるの?」とシャンシャンが言うと「違う。契約が重要だとは思わない。だが人生は長いんだ。将来、何があるか分からない。これらを譲ることで僕は少し安心できる」と返すフォン・トン。
シャンシャンは、なぜ、このマンションを選んだか分かる?あなた名義の資産の中で、2人の思い出があるのはこれだけ、だから大切にしたい、契約することで気持ちのつながりをあいまいにしたくない、私はあなたの資産と結婚したいわけじゃないわ、あなたさえいればいいの、あなたがいないなら、こんな資産は何の意味もない、と言う。「これに署名しなければ何も残らないぞ」とフォン・トンが言うと、シャンシャンは「うん」とうなずく。フォン・トンが「僕だけでいいのか?」と聞いても「うん」とうなずくシャンシャン。フォン・トンはそんなシャンシャンにキスをする。
フォン・トンに肩を抱かれながら母に電話をかけたシャンシャンは「私、結婚するわ」と告げる。
シャンシャンがフォン・トンと付き合っていることすら夫に話せないでいるシャンシャン母は、どう切り出していいのか分からない。迷った末「また春節が来た。時間の経つのは早いわ。あの子と幼稚園に行ったのが昨日のことみたい」と話したあと、何て事のない会話のように「春節が終われば、あの子もお嫁に行くのね」とさらりと言う。「何だって?」と手が止るシャンシャン父。
「あの子からの電話でそう言ってたのよ」と言うシャンシャン母。シャンシャン父は、相手がシャンシャンの務める会社の社長だと知り驚く。
シャンシャン父はリウリウの弟・トントンに、タブレットでフォン・トンを調べてもらう。企業買収や推定保有株数など経済のニュースばかりで、女性絡みのゴシップはなかった。それでもシャンシャン父は認められない。
シャンシャン父はシャンシャンに電話をかける。「交際相手はフォン・トンなのか?」と聞く父。彼の地位ではなく、本当に彼自身が好きなのかと。「そのとおりよ」とシャンシャンは答える。父が「彼はどうだ?」と言うと「彼も同じよ」と返すシャンシャン。シャンシャンは「本当にいい人なの。実際に会えば分かるわ」と言う。「彼に会う?だったら彼にスーツを作ってやろう。初対面の挨拶代わりだ」と父は話す。スーツならたくさん持ってるからいいとシャンシャンは断わろうとするが「何着あろうと関係ない。サイズを教えてくれ。富豪の家に育った彼だ、私のスーツを喜ぶとは思えない。だが、私の精一杯の気持ちだ。自分が作ったスーツを人に贈るのは、これが始めてだ」と父は言う。
電話を切ると、歩いてきたフォン・トンが「何だった?」と聞く。「あなたに会いたいって」とシャンシャンは話す。うなずき「時間を作るよ。ご両親に挨拶に行こう」とフォン・トンは言う。
ソファに座るフォン・トンの横に来たシャンシャンは、インテリアの本を見ているフォン・トンに話かけながら、気づかれないようサイズを測る。
朝食を食べながら、フォン・トンは「今年は旧宅で年越しだ」とシャンシャンに話す。シャンシャンが「ダメよ、故郷に帰りたいわ。あなたと結婚したら、春節も家で過ごせないでしょ」と言うと、君の家へは旧正月1日にフォン・ユエ夫婦と行く、と返すフォン・トン。そこにシャンシャン宛の荷物が届く。
「君の家からだ」とフォン・トンに言われ“ひょっとして…”と思ったシャンシャンが急いで開けてみる。中には父がフォン・トンのために作ったスーツが入っていた。「説明しろ」とフォン・トンに言われ「前に話さなかったかしら。父さんは洋裁師なの」と言うシャンシャン。フォン・トンは「聞いてないな」と答える。シャンシャンは笑ってごまかしながら「今、聞いたでしょ。このスーツは父さんが作ったの。あなたにこのスーツを着て会いに来てほしいってことよ、春節にね。あなたが気に入らないなら、無理しなくていいわ」と言う。
シャンシャンの実家へ行く日。旧宅で皆の前に現れたフォン・トンは、シャンシャン父が作ったスーツを着ていた。嬉しいシャンシャン。ユエも「ステキ」と言う。
シャンシャンの実家の前には、大勢の人が詰めかけていた。ユエは迎えてくれた人たちに春節のご祝儀を渡す。
家の中には大叔父や村長なども来ていた。リウリウ母が家族写真を撮ろうと言い出すが、シャンシャン父は「写真など不要だ。まだ認めてない」と言い、みんなに引き取ってもらう。そしてフォン・トンと2人で話したいという父のため、ユエ夫婦に近所を案内することにするシャンシャン。
「娘は学歴も家柄もない。どこがよかったんだね?」とフォン・トンに聞くシャンシャン父。フォン・トンは「僕が求めているのは、堅実な女性です。ビジネスの世界で戦う僕に、シャンシャンは安らぎを与えてくれます」と話す。実家は嫁いだ娘にとって頼みの綱だ、だが、君の家に嫁げばうちの状況では娘の力になれない、とシャンシャン父が言うと「僕が付いてます。彼女さえ望むなら、一生、そばを離れません。地に足がついた彼女を好きになりました。安心してください。彼女と2人で堅実に暮らすつもりです」と言うフォン・トン。言葉だけでは信じないと思った父は、今後の行動で判断することにする。そして「結婚は反対しない。だが、いいか、1つ条件がある」と言う。
シャンシャンが外で待っているとフォン・トンが来る。父が許してくれたと分かったシャンシャンは、2人でどんな話しをしたの?と聞く。
夜。両親と鍋を食べていたシャンシャンは、父が3年子供をつらないという条件を出したことを知る。父は実際に一緒に暮らしてみて、うまくいかなければやり直せばいいと考えていた。
父の気持ちは理解できるが、なぜフォン・トンが受け入れたのかシャンシャンは分からない。
シャンシャンは宿泊先にいるフォン・トンに会いに行く。「どうして父さんの条件をのんだの?」と言うシャンシャン。「それで結婚できるんだ。難しい条件じゃない」とフォン・トンは返す。「条件を出した理由が分かる?」とシャンシャンが聞くと「離婚の可能性を考慮したからだ」と答えるフォン・トン。シャンシャンは「じゃ、父さんと同じ考えだから条件をのんだの?」と言う。「前にも言ったように、結婚して当分は2人きりでいたい。君だってまだ若い。“当分子供をつくらない”その点には同意できる」とフォン・トンは話す。
「2人きりで生活したいのは、うまくいかなかった時にきれいに別れるため?だったら心が決まってから結婚したほうがいいわ」と目を伏せるシャンシャン。フォン・トンは一歩シャンシャンに近づき「僕は常に最高を求める。いくつかの恋愛を経て君を妻と決めた。結婚したなら、生涯添い遂げる覚悟でいる。でも君は僕が初恋の相手だろう?僕を選んだら、生涯男は僕1人だ」と言う。シャンシャンはフォン・トンに抱きつき“そうよ。愛情の世界では離れられないほうが負けよね。でもこうして頼れる肩と胸があるなら、負けたって構わない”と思う。
翌日。シャンシャンは春節で帰ってきていたリウリウを見かけ声をかける。しかし結婚の許しがでたというシャンシャンに「おめでとう」とだけ言うと、慌ただしくリウリウは行ってしまう。
ーつづくー
シャンシャン、改めてプロポーズしてらってよかったね(*´ー`*人)
しかも、すごく大切な指輪までもらって。
基本契約とか贈与契約とか、フォン・トンと結婚するのは大変(@_@;)
フォン・トンもシャンシャンみたいないい娘と出会えて良かったと思う。
シャンシャンがフォン・トンのサイズを測った時が好きー。
ここ、何度もリピしちゃったの(*´艸`*)
フォン・トンに気づかれないように指で測って♪
リウリウ…すごく慌てていたけど何かあったの???
また何か問題が起きるのかな?
早く続きが見たいですーヾ(・ω・`;)ノ
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