【登場人物】
錦覓(きんべき)…楊紫(ヤン・ズー) 花女神の娘
旭鳳(きょくほう)…鄧倫(ダン・ルン) 天帝の息子
潤玉(じゅんぎょく)…羅云熙(レオ・ロー) 天帝の息子 旭鳳の兄
鎏英(りゅうえい)…陳钰琪(チェン・ユーチー) 魔界の王女
「私は色が識別できぬ。そなたの色の識別能力と引き換えなら応じよう。どうだ?」と錦覓に言う廉晁。月下仙人は「今後、花界をつかさどる可能性もある。色が分からねば…」と言いかける。それをさえぎるように「構いません」と言う錦覓。彦佑は「色のない日々は味気ない。よく考えるのだ」と説得しようとする。それでも錦覓は廉晁の前まで歩いて行き「私は情に苦しまぬよう、幼い頃、隕丹をのまされました。愛する相手を殺め、隕丹が消えるまで愛が何か分からなかったのです。鳳凰がいないなら、この世が色鮮やかでも無意味です。廉晁殿が色の識別能力をお望みなら、私は喜んで差し上げます」と言う。
廉晁は「愛のために、それほど大きな代償を?そなたとは分かり合えそうだ」と言う。廉晁が色の識別能力が必要なのは、愛する人のためだと分かる錦覓。
錦覓たちが目をそらすほどの光を放つ“玄穹の光”を出した廉晁は「これが玄穹の光だが、誰も受容できぬ。霊力の高い上神でも三刻しかもたない」と言う。共に「私が」と言う月下仙人と彦佑。しかし錦覓は自ら玄穹の光に触れる。
「荼姚(廃皇后)よ、私ができる最後のことだ」と言う廉晁。ふらつく体で錦覓は「当然よ。もともと私の犯した過ちだもの。自ら罪を償うわ。2人には頼めない」と言うと、自分から取り出した色の識別能力を玉にする。錦覓の目から色がなくなる。
あらゆる色が集まった玉は透明だった。錦覓から受け取った廉晁は「最高に美しい品は、最も純粋なもの。荼姚、それに気づくべきだ」と言う。
廉晁は荼姚との思い出を多彩な色の中に込め、この玉を荼姚に渡して欲しいと錦覓に頼む。錦覓は間違いなく届けることを約束する。
錦覓たちが廉晁の住まいから出ると家が消え始める。「ここは兄の元神が化した山。この蛇山が消えるということは…」と言う月下仙人。
家の中にいた廉晁は、以前、二度と会わないと言った荼姚が訪ねて来た時のことを思い返す。太微(先帝)が重傷を負い、玄穹の光が欲しいと頼みに来た荼姚。救ってくれぬなら旭鳳と一緒に太微の後を追うしかないと。その時、太微を救うため、元神の半分を失っていた廉晁。
霊力の制限がなくなり、3人は飛んで下山しようとする。しかし蛇毒のせいでしばらく飛べない錦覓。錦覓は「これで早く旭鳳を救って」と玄穹の光を空中に留まっていた月下仙人に差し出す。その時、錦覓の腕をつかんで飛ぶ者が。それは潤玉だった。
下山すると、月下仙人と彦佑はその場を後にする。
兜率宮から出てきた錦覓に、外で待っていた潤玉が「玄穹の光を炉の中に?」と聞く。頷く錦覓。潤玉が「運命は君たちの味方のようだ。私も助かるよ。旭鳳が生き返れば君は宿願を果たせる。そうすれば元気な錦覓が戻ってきてくれるだろう」と言う。そして「さっき叔父から事情を聞いた。君は一途な伯父に会っても私を理解できぬのか?私は伯父が羨ましい。あれほど真剣に誰かを愛せれば、生きた甲斐がある。君は分かっているか?君のしたことを旭鳳は喜ばない」と言う潤玉。
錦覓は「これは償いだもの。それでいいわ」と言う。潤玉は「ならば私との婚約は?」と聞く。それに答える前に、鄺露が「太巳仙人が前線の報告を」と伝えに来る。「先に戻る」と錦覓に言って、潤玉は行ってしまう。
臨淵台へ行った錦覓は、託された玉を差し出し「廉晁殿があなたにと」と廃皇后に言う。廃皇后が受け取り「この玉を見て何か悟られたあと、元神が消失しました」と話す錦覓。多彩な色を融合したこの玉が最高に美しい玉だと、廉晁殿はこれのために自らを犠牲に、と。「バカね、真に受けるなんて」とつぶやいた廃皇后は「寰諦鳳翎は鳳凰族の宝なの。欲しければ最高に美しい品を持ってきて。それと交換よ」と言った時のことを思い返す。
錦覓は「廉晁殿は生涯、あなただけを愛してた。あなたは選択を間違ったのでは?」と言うと、その場を離れる。
錦覓は玄穹の光のせいで体がつらくなり倒れてしまう。
廃皇后の前に幻の廉晁が現れる。「私たちの美しい過去を見てくれたか?忘れようとしたが、無理だった。あらゆる色の集まりが透明だったのを見て気づいたのだ。最高に美しいのは誰かを愛する純粋な心だと。ついに約束を果たせた」と言う廉晁。これで私は思い残すことはない、と言うと廉晁は消えてしまう。
涙を流し「私の望んだ最高に美しい品とは最高の権力のことだった。廉晁、私の今世での選択は全て間違っていたわ」と言うと廃皇后は臨淵台から飛び降りる。落ちていきながら廉晁と太微、旭鳳を見る廃皇后。
璇璣宮。固城王が魔界の勢力を強化し兵馬を集結している、陛下の即位後、間を置かず天界に攻め入る気かと、と太巳仙人から報告を受ける潤玉。潤玉は「兵を率いるのは?」と聞く。「卞城公主です」と答える太巳仙人。潤玉は「固城王に従って出兵を。旭鳳のためなら危険も顧みないと?」と言う。
魔界が積極的に忘川に派兵をしていると聞き、潤玉は「兵を集めて忘川の破軍星君と合流を。不穏な動きがあれば攻撃せよ」と命じる。
太巳仙人を下がらせた潤玉は、残っていた鄺露にも「そなたも下がってくれ。どう対応すべきか、じっくり考えたい」と言う。
下がろうとした鄺露は戻ってくると「水神殿(錦覓)が九転金丹を手に入れられるやも。もし火神殿下の魄が集められていたら涅槃入りの後のようによみがえり…」と話す。潤玉に見られ、急いで跪き「口がすぎました」と言う鄺露。潤玉は「いつ跪けと言った。立つのだ」と言う。
鄺露と入れ替わりに兵が入ってくる。
「廃天后が臨淵台から身投げを」と報告するする兵。さらに兵は「それから水神殿が重傷を負い、お倒れになりました」と伝える。
寝台で横たわる錦覓に霊力を送る潤玉。潤玉が原因を聞くと、太上老君は「どうやら玄穹の光は真の姿を入れ物とするようです。恐らく強烈な光で水神殿の真の姿が損傷を。霊力をお送りになっても長くは持ちこたえられぬでしょう」と答える。
太上老君を下がらせた後も霊力を送り続けていた潤玉は、錦覓の手をにぎり「必ず救ってみせる」と言う。
潤玉は母の残してくれた“夢陀経”を読み「“血霊子。天命を覆す”」とつぶやく。
潤玉が血霊子で錦覓を助けようとしているのを見た鄺露。鄺露は「もうすぐ魔軍が侵犯してきます。陛下が傷つけば天界に勝算はありません」と止めようとする。しかし「今、錦覓を救わねば手遅れになる」と潤玉は聞こうとしない。涙を流す鄺露に「下がれ」と強く言う潤玉。
鎏英が戦へ行くと知り「魔界のためならやめろ。ろくな結果を招かぬ。火神殿下のためでも意地を張るべきではない」と説得する暮辞。「今から断れば尻込みしたと思われる。後には引けないわ」と言う鎏英。殿下が殺されたのに父上は天帝に言われるがまま、父上を怒らせたとしても黙って引き下がれない、あなたは戦に行く必要ないわ、と。暮辞は鎏英の手を取り「何があろうと君と生死を共にする覚悟だ」と言う。
鄺露は机の上に置かれていた“夢陀経”を目にする。そこに顔色の悪い潤玉が。鄺露が「“夢陀経”にある術を?」と尋ねる。「錦覓には内密に」と言う潤玉。天界の禁術だ、天帝の私が使ったことが伝わったら六界に波乱が、錦覓も非難されるだろう、絶対に誰にも知られてはならぬ、と。
潤玉に鄺露は薬を渡す。しかし潤玉は口に運ぶ力もない。
「鳳凰」と言いながら目覚めた錦覓。すぐに近くへ来た鄺露に「玄穹の光の威力でお身体を損なわれ、昨日、兜率宮を出られたあとお倒れに。幸い陛下が霊力をお送りになったので、すぐ回復されます」と聞く。錦覓は「陛下の具合は?」と気にかける。「お元気です。今は公務で多忙ですが、夜にはこちらに」と嘘をつく鄺露。
鄺露は「この話は私たちだけの秘密に」と念を押し「錦覓殿の心は氷でできているので?そうだとしても何度も陛下の優しさに触れれば氷の心も解けるはず。錦覓殿、お願いです。陛下に情をお示しに。表面だけでも構いません。今のままでは陛下が気の毒で見ていられないのです」と話す。「陛下への情はある。でも愛情ではないわ。もし私が愛してるふりをしたら、余計、陛下は傷つく。あなたは頼まれたらできるの?陛下に対して情のないふりが」と言う錦覓。
動揺した鄺露は「何を仰せに?高貴な陛下に妄想など抱きません」と言う。錦覓は「慌てなくて大丈夫よ。あなたを責めていない。私もあなたと同じ。愛する相手と一緒になれなくても、自分の心は欺けない。今、あなたと話したことは誰にも言わないわ。だから何も心配しないで」と話す。
鄺露が下がり“玄穹の光による傷が、こんなに早く回復するかしら”と思う錦覓。
鄺露は錦覓が目覚めたことを潤玉に伝える。咳き込む潤玉を心配する鄺露。鄺露が「血霊子は寿命の半分を失います。どうして、そこまでされるのです?」と尋ねる。潤玉はそれには答えず「太巳仙人は出兵を?」と聞く。鄺露が頷き「開戦したら私も加わると、お父上に伝えてくれ」と言う潤玉。鄺露は体が弱っている潤玉に、休息が必要だと言う。しかし「私は天帝なのだ。天界への責がある」と潤玉は返す。
兜率宮に来た錦覓を見て「昨日はなす術がなかったのに、これほど早く回復されるとは」と言う太上老君。錦覓は「なす術がない?そんな状態から何の丹薬で治ったのですか?」と尋ねる。太上老君は「治せる丹薬などありませぬ。玄穹の光による傷ですからね」と言う。錦覓はどんな治療法があるか聞く。太上老君は「禁術が記された“夢陀経”という太古の書物があります。以前、聞いた話によると、その中の血霊子という術で天命を覆せるとか。ですが…」と言ってためらう。
「何です?」と言う錦覓。太上老君は「書物には、こう記されているそうです。“7本の血脈を裂き、霊力の半分を血に注ぎ込む。それを凝縮させた血霊子を負傷者に与える”。そして“術を施した者は寿命の半分を失う”とも」と答える。
錦覓は潤玉の元へ行き、潤玉の右手首を見る。血の滲んでいる包帯を見て「血霊子という禁術を使ったのね。あなたは自らを傷つけ、その術で私を救った」と言う錦覓。「どこから、そんな根拠のない話を?天界で邪道な術は使えぬ。軽傷だった故、霊力を送ったら回復を」と潤玉は言う。錦覓は「それなら岐黄仙官に診てもらいましょう」と行こうとする。そんな錦覓を潤玉が止める。
「どうかしてる。寿命の半分を失うと知らなかったの?」と言う錦覓。潤玉は「君が死ぬよりはいい」と返す。錦覓は「夢の玉の色を変える術も血霊子も“夢陀経”に載っている。読んだことはないと?」と言う。「私が旭鳳を下手人に仕立て上げたとでも?」と言う潤玉。夢の玉に細工をしたのは、きっとお父上を殺めた奴だ、と。
潤玉は「血霊子が“夢陀経”に載っている禁術だとは知らなかった。洞庭湖から持ち帰った母の記した法術の書に血霊子のことが書いてあったのだ。半信半疑だったが、危険を冒して効果を試すしかなかった」と話す。「私は死んでも仕方がない。以前、命を救ってくれた撲哧君には千年かけて恩返しを。でも…寿命を縮めたあなたには、どう報いれば?」と言う錦覓。潤玉は「報いる必要はない。君のそばにいて顔が見られるだけで私は十分だ。夜空を掌握しても寂しさは埋められなかった。今は君がいてくれて、とても幸せだ」と言う。
錦覓を抱きしめ「君には思い煩うことなく、ただ楽しく暮らしていてほしい。私たちが初めて出会った頃のように」と言う潤玉。涙を流し潤玉を自分から離した錦覓は「許して。私の心には…鳳凰しかいない。恋しくて、忘れられないの。鳳凰を想うと髪の毛1本まで痛みを感じるわ。もう私のために自分を傷つけないで。ごめんなさい」と謝って歩き出す。潤玉が「私のことも命懸けで救ってくれるのか?」と聞く。立ち止まった錦覓は「もちろんよ。あなたには借りがあるもの」と言って出て行く。
ーつづくー
廉晁が交換条件を出した時に「え?」とも思ったのだけどヾ(・ω・`;)ノ
自分も亡くなるのがわかっていたから、最後に廃皇后との約束を守りたかったのかもしれないけど。
それぞれが愛のために何かを犠牲にしてる。
でも廃皇后は死ぬなら錦覓に色の識別能力を返すことができなかったのかな?
一度取り出したら戻せない?
潤玉も寿命の半分を失ってもいいと思うほど錦覓を愛しているのにつらい(;д;)
命懸けで救うのも、潤玉には借りがあるからで旭鳳は愛しているからだものね。
でも錦覓に好きな人がいる以上、受け入れることはできないよね。
潤玉だって逆の立場なら錦覓以外を受け入れることはできないはず(;´д`)ノ
そして旭鳳が出ないまま来週へ続くなのね(இωஇ )
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