「早くも破約へ」
酔っている岳飛は大白が倒れたことが分からず、ただ寝ているだけだと思い飼い葉を食べさせようとする。
孝娥は馬小屋にいる岳飛を部屋に戻そうとするが「大白といる」と言って岳飛は動こうとしない。そんな大白が死んでいることに気付く孝娥。孝娥は知らない岳飛に「大白はもう…死んでる」と告げる。「馬鹿を言え、死ぬはずがない。共に100戦以上戦い、一度も負けたことがないのに。誰が殺したんだ。兀朮か」と言う岳飛。孝娥は首を横にふる。「奴じゃない。北狄は“岳”の旗を見ると避けて通る。なら誰だ?斉か?匪賊?まさか陛下が…。いや、違う。きっと秦丞相だ。そうだ、彼に違いない。大白、大白。俺に長年付き添い、幾度も死線を超えてきた。なのに戦場ではなく、蘆山で息絶えるとは…。無能な主人のせいで才能を振るえなかった。無念で憤死したのだな」と言って岳飛は涙を流す。
孝娥は「馬は20~30歳の寿命よ。天寿が尽きたの、自分を攻めないで」と慰める。つらい岳飛はまた酒を飲む。「目が腫れている。これ以上悪化したらどうするの」と止める孝娥。岳飛は「目があっても希望は見えない。何も見えない。ここはどこだ。どこへ行けばいい。俺には見えない」と言いながら大白にもたれて眠ってしまう。
目が覚めた岳飛は目がまったく見えなくなっていた。動揺する岳飛に「落ち着いてちょうだい。つらいなら私に当たればいいわ。義母上のためにも、しっかり生きなきゃ」と泣きながら言う孝娥。孝娥の顔を両手で触れ「孝娥か?」と岳飛が聞く。うなずき「ええ」と孝娥は答え、岳飛は孝娥を抱き締める。「俺はこのまま失明してしまうのか」と言う岳飛。孝娥はいいえ、そんなことない」と否定する。すぐ素素さんを呼んでくると。「いや、やめてくれ。正義にもとる行いを目にするくらいなら、何も見えないほうが心静かでいられる」と岳飛は止める。
「とにかく目を治しましょ。目さえ治せば、また何でもできるはずよ」と言う孝娥。その時、子供たちが部屋に入ってくる。
岳飛は「一体何ができるんだ。金と戦おうにも機会がない。かなわぬ夢だ。機会があっても俺は朝廷に戻れるのか?たとえ戻れても、この目で何ができる。何もできなくなった。田畑さえ耕せない。もはや苗が見えず、鋤も見えなくなり使えなくなった。神様、不公平だ。残忍すぎるぞ。俺に帰郷させず、北伐もさせてくれない。このまま蘆山で俺を客死させる気なのか。誰にも必要とされない、さまよう魂にするのだな」と嘆きながら外に出る。孝娥は岳飛を抱き「もう言わないで。苦しくても子供を立派に育てましょう。私たちが無理でも、子供たちには帰郷させないと」と話す。
我に返った岳飛は「見苦しい姿を見せた。目のことは分かってる。やがて快復する。このことは他人に知られないようにしろ」と言う。
目を布で覆い、薬を飲む日々が続く岳飛に次々と義兄弟が訪れる。「和議のあと、秦檜が朝廷を牛耳り、文武百官を威圧している。敵対者には濡れ衣を着せ死に追いやった。趙鼎殿を含め、多くの忠臣が粛清された」「朝廷は陝西、河南に兵を駐屯させるも防御は脆弱です。また金の豪傑が投降しても、送還せよとの命が下りました」「兄貴が兵権を張憲に譲ってからというもの、王貴はくさってる。王貴は湯陰にいた頃から兄貴と戦ってきた最古参だ。このままじゃ内紛が起きる」「兀朮は“武力なくして国に平和なし”と密かに鉄浮屠を訓練している」と話していく義兄弟たち。
金と宗の和議によって両国の境は黄河と定められる。しかし“もし宋軍が北上すれば、中原の民は呼応するだろう。ならば先制攻撃し、災いの根を断つべきだ”と考える兀朮。
金。「和議で宋に割譲した土地を取り返す。夏金烏、陝西を攻めろ。烏棱思謀は東へ回れ。私は主力群を率いて汴京を攻める」と兀朮は話す。いずれも防備が手薄な地だ、1か月以内にすべて取り返せる、と。韓常が「私の役目がまだですが」と訴える。鼻で笑い「私に付き添え」と言う夏金烏。2人がもめそうになり、兀朮は「よせ、私と共に汴京を政略してくれ」と言う。
そこに止められながらも無理やり宇文虚中が入ってくる。
「舌の根も乾かぬうちに破約すると?道義にもとりますぞ」言う宇文虚中。兀朮は「私が攻めねば宋にやられる。重用してやってもまだ宋の味方か?」と返す。宇文虚中は「そうではありません。四太子が道義にもとれば民に嘲笑されると心配しただけです」と言う。兀朮は「私を安じるなら南征に従軍せよ。私の参謀になるのだ」と命じる。宇文虚中は言い返そうとするが、兀朮はそれ以上聞こうとしない。
荷物をまとめる宇文虚中は、息子・小宝に「帰郷する」と話す。母が「今さら帰れるの?」と聞くと「南下に従軍するよう命じられました。2人も連れていきます。策はあります」と答える宇文虚中。小宝は「大丈夫、怖がることない。岳飛が守ってくれるよ」と言う。岳飛のことを知らない宇文虚中に、小宝は「“幽霊が一番恐れるのは誰?魔除けの神、鍾馗だ。兀朮が恐れるのは?国を守る岳飛だ”」と教える。
和議から1年もたたないうちに破約され、金が大軍で宋に攻めてくる。和議を主張した秦檜が責任を問われることに。
秦檜は「1年前、金との和議において陛下はみごとに領土の一部を奪還しました。しかし兀朮によって和議が破約された今、英明なる陛下は金討伐を決意なさるでしょう。私も征伐に従軍する覚悟です」と高宗に話す。「金は10万の大軍ゆえ、軍が団結せねば太刀打ちできません。特に近年の抗金の主力、岳家軍が鍵となりましょう。岳家軍には傑出した統率者、岳飛がいるからです。しかし今、岳飛は蘆山にいます。もし岳飛が下山しないのであれば、全ては机上の空論です」と言う韓世忠。
高宗は「岳飛が隠居したのは金との和議に不服だったからだ。下山せぬのは、そちへの腹いせかもしれん。岳飛の下山の件はそちにまかせる」と秦檜に告げる。
張俊と韓世忠は河南北路招討使に。
丞相府。岳飛を説得できなければ高宗の怒りを買い死は免れない、しかし岳飛が復帰し、金に勝利しても命がないとイラつく秦檜。
悩む秦檜のために考えた秦熺は「岳飛の一番の義兄弟を利用しましょう」と言う。
王貴は“皇帝陛下より勅命を発す。王貴は10日以内に岳飛を下山させよ。遅れた場合は軍法で罰す”という聖旨を受け取る。
小満を張用の館に住まわせようと、素素は梁興と孟邦傑と一緒に張用の店へと向かう。しかし店には宋の兵がいた。何かあったと思った梁興は、皆と下馬をし様子をうかがうことにする。
店の中には、岳飛の下山を命じられた王貴と万俟离が。「岳殿が下山を承諾しなければ、陛下は我々を生かしておかぬぞ」と焦ったように話す万俟离。話を聞いた張用は、調子よく王貴のことを「岳飛の一番の友です。王貴のひと言で岳飛は承諾します」と万俟离に話す。気が重い王貴は口が達者な張用に「一緒に兄貴の元へ行ってくれ。口添えしてほしい」と頼む。「兄貴に羊肉を届けようと思ってた」と張用は快く承諾する。
隠れて見ていた梁興は「秦檜の腹心、万俟だ。なぜ、ここに?」と言う。「王貴や張用と一緒よ」と素素が返す。
立ち去るのを見てから店に行った素素たちは、王貴たちは岳飛に下山を促すために来たと烏詩瑪から聞く。拒まれたら殺されると。「臨安で聞いたわ。でも殺されるのは万俟じゃなくて秦檜よ」と言う素素。小満は「岳殿には拒んでほしい」と言う。烏詩瑪が「彼女は…」と聞き、素素は「趙鼎丞相の令嬢・小満よ。秦檜に陥れられたの。身を隠させて」と頼む。「いいわ、大丈夫」と烏詩瑪は言う。
王貴が門を叩くが、孝娥は「夫は寝たわ。明日にして」と言い開けない。諦めず「兄貴、開けてほしい。大事な話がある」と叫び続ける王貴。万俟离は王貴の剣を手に取り「岳殿に会わせろ。会わせぬのなら私は帰らんぞ」と言う。それでも孝娥が「どうか明日に」と言うと、万俟离は「明日では私は死罪になってしまう。死罪になるくらいなら、ここで死ぬ」と言い出す。
「王将軍、来世で会おう」と言う万俟离を必死で王貴が止める。その時、門が開き孝娥と一緒に岳飛が出てくる。
ーつづくー
大白がっΣ(゜д゜;)
ま、まさか大白が死ぬとは思わなかった…。
共に命懸けで戦ってきたんだものね。
岳飛もすごくつらいと思うし、こんな馬ともう巡り会えないかも…(;_;)
小満はどうなるんだろう?と思っていたら、張用のところへ。
それなら安心、よかった(*´ー`*)
万俟离が店で王貴に話ていたことや、岳飛の家の前で自害しようとしたのってわざとだよね?
秦檜の悪知恵に違いない( ̄△ ̄;)
下山しろと言われても、今の岳飛は目も見えないし、目が見えるようになっても大白がいない(;△;)
岳飛、どうするんだろう…。
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今で言う、ストレスもかなり溜まっているに違いないですし。。。
前回で金が破約とすることを
岳飛が来たの故郷へ戻る人々に行っていた記憶があり
その通りのように思いますが、
こんな状態では戦には・・・
そこへ無理やり引っ張りだそうとする朝廷の人々が。。。
なぜこのタイミングなのでしょう?
再登場している宇文虚中も大丈夫なのでしょうか。
今回は、梁興が回復していたのでよかったです♪
あんなにお酒を飲んで弱気になった岳飛は初めて見た。
太白にだけ見せられる姿だったのに、もう今まで一緒に戦かった太白はいない。
太白との想い出が流れると、ぐっと来ました。
太白は戦場で死ぬより、岳飛に見守られて天国に行けたからある意味幸せだたっと思います。