独孤伽羅(どっこから)…胡冰卿(フー・ビンチン) 独孤家の末娘
楊堅(ようけん)…張丹峰(チャン・ダンフォン)
独孤曼陀(どっこばんた)…李依晓(リー・イーシャオ)
宇文護(うぶんご)/太師…徐正溪(シュー・ジェンシー)
宇文邕(うぶんよう)/皇帝…イン・ハオミン
独孤般若(どっこはんじゃく)…安以軒(アンアン)
ひざまずかされた曼陀の首に白綾がかけられる。宇文邕は知り合ったばかりで曼陀を案ずるアシナ皇后に「分かったぞ。この者にそそのかされ乾安殿に来たな?」と聞く。アシナ皇后は「確かに行きました。隠し通せるとお思いですか。やましいことがあるから侍衛どもに見張らせて人払いをしたのでは?口封じに曼陀を殺すつもりですね」と言い返す。曼陀を殺すなら草原に帰って父に訴えると。
宇文邕は乾安殿に自分を除いて誰がいたか何泉に言わせる。何泉は楊堅殿と夫人、ご息女を召されて魯国公と共に遊んでおられたと答える。「あの娘は陛下を“父上”と呼びました」と言うアシナ皇后。宇文邕は「幼い時より面倒を見た娘で、我が皇太子の妃に望んでおる。朕を“父上”と呼ばせて何が悪い」と返す。
宇文邕は「唐国公夫人は独孤家の者だが、生まれつき性根が腐り人品も卑しい。嫁ぐ前は幾度も朕を誘惑してきた。相手にされぬと激怒し、仕返しをする」と話す。一向に心を改めず、ついに皇后まで操った、もはや見逃せぬ、と。曼陀は過ちを認め改心すると必死に命乞いをする。しかし宇文邕は許そうとしない。曼陀が首を締められ、アシナ皇后は「駄目よ、やめて。私の宮殿ですよ」と止める。
宇文邕は首を絞めるのをやめさせると「しかと心に刻むがよい。むやみに朕の行動を探るな。簡単に他の者を信じるな。事あるごとに“草原へ帰る”と騒ぐな」とアシナ皇后に話す。そして「確かに我が国は突厥の助けが要る。しかし貴国とて周の助けが要るのでは?ここから突厥までの道のりは長い。帰郷の途上で病に倒れたらどうする」と脅す宇文邕。
宇文邕はアナにアシナ皇后を連れて出て行かせる。
「本日、曼陀は皇宮にはおらぬ。亡骸を送り返して李澄を殺した黒幕だと知らせてやれ。そして唐国公に夫人の急死を上奏させよ」と宇文邕は命じる。曼陀は「私とて独孤家の者よ。父を死に追いやり、娘の私も殺すのね。真実はいずれ伽羅の耳に入るわ。妹が許すとでも?」と叫ぶ。さらに悪霊になって伽羅を祟るわ、私と同じように“母子共に死ね”とね、と言う曼陀。宇文邕が抜いた剣を振り、曼陀の髪が少し切れる。
「そなたの言葉は一理ある。伽羅に免じて今すぐには殺さぬ。唐国公のそばで腹の子を産むがよい。勅命を受けずして都に戻ってくるな。そなたが関わらずとも悪意ある噂が流れれば、有無を言わさずあの世へ送ってやる」と宇文邕は告げる。
取り乱したまま皇宮を後にする曼陀。
楊忠が亡くなり、楊堅も伽羅も涙を流す。
楊家の屋敷で葬儀が行われ、宇文邕が訪れる。楊忠には太保の位と都督同朔等十三州諸軍事などの位が追贈され、楊堅は随国公の位と食邑を継ぐことに。
楊堅が宇文邕に、お願いが…、と言いかけた時、宇文護が来てしまう。急いで冬曲が別の部屋へ麗華を連れて行く。
生まれたばかりの次男を見た宇文護は、麗華という娘が見えぬようだ、と言う。娘は部屋で泣き伏しいていますと言う伽羅。
宇文護が「涇豳霊雲塩顕六州諸軍事の重職も楊堅どのが継ぐことになる」と言う。しかし楊堅は父の遺言に従い帰郷して3年の喪に服すと辞退する。そして「太師がお越しになる前に申すつもりでした。喪に服すことをお許しください。父は死ぬ前に故郷へ帰りたがっていました。亡き父への親孝行を果たさせてください」と宇文邕と宇文護に頼む楊堅。
楊堅は楊忠の残した官印と兵符を宇文邕に「お納めください」と差し出す。背後にいる宇文護に気づかれないよう目配せする楊堅。宇文邕は「親孝行が望みなら許そう」と言い、何泉に受け取らせる。「隨国公は父の棺と共に帰郷し孝行をすべし。長子・楊勇を博平侯とし、次子・楊広を雁門郡公とする」と命を下す宇文邕。宇文護は何も言わず出て行く。
楊家の屋敷を出ると宇文護は「楊堅が各州の官印と兵符を宇文邕に渡しおった」と哥舒に言う。独狐信と趙貴の配下が守る土地のため、宇文護にとって皇帝に兵符が渡るのは一大事だった。さらに宇文邕が楊堅夫妻と娘を皇宮に招き皇后を怒らせたことを知っている哥舒が「恐らく魯国公に楊家の娘を…」と話す。自分に麗華を会わせないのは、皇太子妃にするためだと思う宇文護。哥舒は「身の程知らずの皇帝はいっそのこと…」と言う。しかし宇文護は皇后が嫡子を産むまで待つことにする。最近は斉との戦に立て続けに敗れた、私の即位を老臣が認めぬ、味方とするなら赤の他人より宇文家の赤子を、と。
哥舒は楊堅を殺すべきだと言い「間もなく長年の宿願を果たせます。独孤伽羅の命さえ取らねば誓に背かぬかと」と話す。「分かった。ならば手配せよ。しかし私が自ら指揮を執る。お前は信用ならぬ」と宇文護は言う。
伽羅が旅支度に行き、鄭栄は「地方に引っ込む気などないでしょう。若様ならば陛下と宇文護を争わせて漁夫の利を得る」と楊堅に言う。「来る日に備えて力を温存しておくべきだ」と返す楊堅。楊堅は奇妙な予言を伝えられたことを話し、信じようと思う、己の運を試してみたい、と言う。
楊忠の初七日が過ぎ、楊堅たちは故郷へ発つ。その報告を受け、哥舒は「奴らは本日、新豊の宿に泊まるはず。都から150里ゆえ1刻後に発てば真夜中に着きます。あの辺りは盗賊が出るので物取りに見せかけて殺します」と宇文護に話す。喪に服す間、夫人は楊堅と寝所を別にします、傷つけませぬ、と。
新豊旅館。別の部屋に行こうとする伽羅を、喪中ではあるが1人で床に就くのは慣れない、と引き止める楊堅。楊堅は伽羅と一緒に寝台に座り、幼い頃、ある者に生まれつき吉相を持つと言われたと話す。のちに私を占った者は帝王の相だと、と。くすりと笑った伽羅は「信じたの?“独孤の天下”の予言は有名だけど、今はどう?」と聞く。楊堅は「そなたの夫が皇帝となれば独孤の子が天下を取る」と言う。
「夢を見ないで。皇帝は宇文氏よ」と言う伽羅。しかし楊堅は「だが数年前、玉座についたのは元氏。さらに前は司馬氏、曹氏、そして劉氏だ」と言う。真面目に話す楊堅に「まさか第二の宇文護になるつもり?」と伽羅は心配になる。その場では「随国公を継いだばかりで、そんな余裕はない」と雑談にしてしまう楊堅。
「言っていいことと悪いことがあるわ」と伽羅は言う。いつだって権力者の一存で皇帝が代わる、その裏で多くの民が血を流してる、父が自害したのは宇文護を押え込み民を苦しめないためだと。楊堅は「ならば民の苦しみは減ったか。帝位争いはなくとも斉や梁との戦いが続いておる。時に思うのだ、真の英雄になりたい」と話す。伽羅は「本気で皇帝になると?」と言う。「ただの空想を真に受けるな。宇文邕から帝位を奪う気はない」と言う楊堅。
現実に戻ろう、と言い楊堅と伽羅が口づけしようとする。そこに「宇文護の急襲です」という声が。急いで2人が部屋を飛び出し階段を下りると、宇文護が攻めてきました、と鄭栄が言う。
鄭栄は楊堅の命で伽羅と子供たち、冬曲を連れて逃げる。
麗華が途中で楊堅を捜しに戻ってしまう。伽羅は他の子供たちを鄭栄に任せ、麗華の後を追う。
哥舒が楊堅の腹を斬る。楊堅が倒れ「父上を殺さないで」と言いながら駆けてきた麗華が、哥舒を叩く。麗華を突き飛ばす哥舒。そんな麗華の右目が青くなり、それに宇文護が気づく。哥舒が麗華を殺そうとし「やめよ」と止める宇文護。宇文護はゆっくり麗華に近づき、麗華の目を見つめる。そこに伽羅が。
伽羅は楊堅に駆け寄り立たせる。宇文護が「誰の子だ」と言う。「誰の子か見て分からない?」と言う伽羅。宇文護が触れようとすると、麗華は「あっちへ行って」とその手を払う。宇文護の右目も青くなる。宇文護が「息子との縁談を拒み、私に会わせぬわけだ。なぜ知らせなかった」と言う。伽羅は「般若姉上が恨んでたからよ。父親を死に追いやり、夫を殺した。姉上のことも。そして今は妹と娘を殺すの?」と怒鳴る。よろめくように数歩下がった宇文護は「このまま逃せ」と命じる。
馬車の中。伽羅の膝枕で横になっていた楊堅は、心配する伽羅に「そなたは信じるか。こたび生死の境を切り抜ければ、今後は何もかも禍を転じて福となすだろう。うまくすれば皇帝すらなれるぞ」と苦しそうな声で言う。そして、そうなれば、そなたは皇后だ、と言うと意識を失う。
馬車の中で麗華のことを考えていた宇文護は引き返す。
重い傷を負った楊堅は、高熱で幻覚の症状が出て苦しんでいた。興奮を鎮めねば体力が持たないと医者に言われ、伽羅は「持ちこたえてね。麗華も広も勇もあなたが守らなきゃ」と声をかける。それで鎮まり、伽羅は鄭栄に楊堅を任せ、その場を離れる。
町を出て西へ1里先に薬師如来を祭る寺があると知った伽羅は、素足になりその寺へ向かう。それは兵士の妻が素足になり寺に参拝すれば、兵士の傷が癒えるという軍の風習だった。
足から血を流し、ようやく寺へ着く伽羅。伽羅は薬師如来に「私の寿命を20年縮める代わりに、夫をお救いください」と祈る。しかし何も起きず、まだ足りないと思った伽羅は「楊堅が助かるなら、私は薬を絶ちます」ともう一度祈る。線香が揺れ、お聞き届けになったと伽羅は喜ぶ。そして伽羅は倒れてしまう。
棒を持って遊んでいる麗華を見る宇文護。宇文護は般若のことを思い出しながら麗華に近づく。麗華は棒を宇文護に向け「近づかないで」と言う。宇文護は両親が優しいか聞く。「この世で一番優しい」と答える麗華。宇文護は「ならば孝行に励め」と言う。
麗華が棒で叩き、宇文護はまた般若を思い出す。棒をつかんで止めた宇文護はしゃがむと「そなたは私の知人に似ておる。周りの者を愛して重責を背負って生きた。あの人こそ天下で最も素晴らしい女子だ」と話す。「私も大きくなったら、そう言われたい」と言う麗華。宇文護は「得るものが大きければ、失うものも大きい。周りの者たちを思いやり大切にせよ。さすれば、この世に生まれた甲斐もある」と言う。
宇文護が麗華に背を向けて歩き出す。麗華は宇文護を後ろから抱きしめ、泣きながら「あなたを知ってる」と言う。麗華の手をにぎり、振り返る宇文護。麗華の右目も宇文護の右目も青くなる。「青い目をしてる。あの日、父上と母上を殺しに来た人でしょ。違う?」と麗華が聞く。宇文護も泣きながら「そうと知っていて恐れぬと?」と言う。「怖くない」と麗華が言い、宇文護は麗華の涙を拭う。「頼むから泣くな」と言って宇文護は愛おしいそうに麗華の腕や手に触れる。
ーつづくー
宇文邕が怖かった(∩˃o˂∩)
独狐信の目に狂いはなかったかもしれない、と思うくらい。
アシナ皇后は人の話だけを信じるのではなくて、伽羅と会って話をして欲しかったな。
そして曼陀( ̄▼ ̄|||)
もう、どうしようもないね。
今回もこんなに怖い目にあったのに、本当に反省するかどうか。
また「恨んでやるぅぅぅぅぅ」とか言いそうな気も…。
今まで隠してきた秘密を宇文護が知ってしまい。
死を恐れず楊堅を守ろうとした麗華は般若にそっくり。
まさか、あの時の子が生きていたなんて思いもよらないものね。
宇文護にやられた。
最後の最後で完全にやられた。
ここにきて宇文護に泣かされるとは思わなかった。
もうポロポロポロポロ(;д;)
これまでもこの先も、これ以上泣くことはないと思う。
家族愛の強い宇文護だから。
それが一途に愛した人との子ならなおさら愛おしいよね(ノ_・。)
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太師が麗華にかける言葉もよくて。
こんな出会い方をしてほしくなったですけれど、
麗華はちゃんとわかっているようで、
通じるところがあって、感動的でした!
曼陀もしばらくはおとなしくなりそうですし、
楊堅も次に向けてステップアップしそうです。
ラスト数話ですが、動きがありそうですね。
それにしても、楊堅は結構甘えん坊ですねw