卿塵(けいじん)/巫女…リウ・シーシー(劉詩詩)
元凌(げんりょう)/皇帝…ウィリアム・チャン(陳偉霆)
元湛(げんたん)…シュー・ハイチャオ(徐海喬)
元澈(げんてつ)/第十一皇子
元安(げんあん)/皇帝
元漓(げんり)/第十に皇子
朶霞(たか)/阿紫族公主
うなされていた卿塵がハッとして目を覚ます。傍らには冥魘がいた。
体を起こした卿塵は、元凌が今、どこにいるのか聞く。兵を率いて洮陽城に入ったと答える冥魘。卿塵は元凌が故意に自分を遠ざけていると感じる。そんな卿塵に冥魘は「長老からの知らせでは蓮妃様が陛下より死を賜ったそうよ。だけど不可解だわ、知らせでは“蓮妃は暗巫の長老”だとも。それならば死を受け入れたりする?」と話す。
何か裏があると思い、卿塵は寝台から抜け出そうとする。しかし衰弱している卿塵は思うように動けず、しばらく両手も半透明になってまう。それでも卿塵は歩きだすが、数歩しか進むことしかできない。その時、卿塵の体から生命の花が出てくる。花びらが1枚落ち「あと2カ月しかない」とつぶやく卿塵。
その頃、元漓も吐血していた。元漓も卿塵には時間がないと分かる。
ようやく洮陽に着いた殷采倩は元湛と会う。「澈は?」と聞く殷采倩に何も言えず、うつむく元湛。殷采倩は「死んだという噂は嘘なんでしょ?」と尋ねる。元湛が「本当だ」と答え、殷采倩は「嘘よ、あり得ない。約束したもの、凱旋したら私を娶ると」と涙を流す。
卿塵は「心変わりするようなことがあった?」と元凌に言う。元凌は「はっきり伝えておく。私に関わるな」と返す。「隠し事を?」と聞く卿塵。元凌は卿塵の顔も見ず「何もない」と答える。卿塵は「私との出会いを悔やみ、もう信じないと?」と言う。卿塵を見ると「君も隠し事をした。互いを信じられぬなら、共にいる必要はない」と話す元凌。そこに入ってきた冥魘が「愛し合っているのに、なぜ?玉の輪で卿塵の痛みを肩代わりまでしたのに、今になって愛が冷めたと?」と言う。
驚いて「だから痛みが増した時に玉が砕けたの?私が何者か知っていたのね」と言う卿塵。莫不平は「今は力を合わせることが大事である。2人は互いのため、己を犠牲にしてきた。素直に向き合うべきであろう」と話す。卿塵は「私を遠ざけ、1人で帰京し、片をつけるつもりだったの?」と聞く。「巫族を巻き込めぬ」と言う元凌。冥魘は「巫族の務めは皇族を守ること。離境天を害する今上陛下を巫族も見過ごせません」と話す。
元凌は「こたびの帰京は謀反のためだぞ」と卿塵に言う。卿塵が「死も恐れぬ私に怖いものなどないわ」と返し、元凌は卿塵を抱きしめる。
卿塵は冥魘と2人になると「さっきは、ありがとう」と礼を言い「だけど私の猶予が2カ月だとは彼に言わないで」と頼む。
「なぜ澈王殿下の生存を凌王殿下に伝えなかったの?」と冥魘が聞く。卿塵は「月華石は瀕死の者を呼び戻す。でも澈王は目覚めず、助かるか分からない。ほんのわずかな希望しかないわ。希望を抱けば失望も増す。元凌をこれ以上、傷つけたくないの。今は悲しみが増えなければいい」と話す。
冥魘が「凌王殿下にそこまで尽くす意味があるの?」と言う。「意味があるかは…。置き換えてみて。もし元漓が元凌の立場だったら?」と言う卿塵。卿塵は冥魘に「あなたも私と同じよ、他に道はない。ここまで来たら思い悩まず、自分の心に従って」と言う。
ひと気のない場所で元漓は昔邪と会う。卿塵と元凌が帰京すると伝えた元漓は「戻れば父上は四兄上を容赦せぬ」と話す。予測していた昔邪は、先に皇宮へ潜伏し、2人の到着に備えることに。
「玲瓏陣は崩れ始め、卿塵には時間がない」と言う元漓。昔邪は「双星の片方は滅び、大業は成就する。避けられぬ運命です。卿塵が残れば凌王は死を免れない」と言う。
元漓は「だが、いまだ9つの霊石は集まっていない。四兄上が命を懸けても卿塵を救えるか…。そのうえ卿塵は十一弟を救うため月華石を使った」と話す。「玲瓏使として何か手立ては?」と尋ねる昔邪。元漓は「霊石を1つ欠いても手はあるが、黒曜石がなければ2つの霊石を欠き、恐らく私自身も消える」と答える。昔邪は「黒曜石ならば…私に心当たりがあります。それ以外はどうかご協力を」と頼む。
蓮池宮に来た元安は“蓮妃よ、凌が戻ってくる。二十数年に及ぶ父子の関係を、どう終わらせろと?朕は恐れている。巫女の予言どおり、孤独に老いてゆくことを。もしそれが誠ならば、死よりはるかに恐ろしい。朕は夫であり父親でもあるが、やはり魏国の皇帝なのだ。多くのことを犠牲にしても、やむを得まい。帝位を奪う者とは、すなわちこの天下を奪い取る者であり、孤独の極みにあるのだ”と思う。そこに孫太監が駆けてくる。
「凌王が魏国に入ったとの報告がありました。すぐにも都に戻りますが、捕縛はされておりません」と孫太監は伝える。
洮陽は梁軍が撤退したことで落ち着く。「あとのことは王子にお任せし、玄甲軍は直ちに帰還します」と夸呂に言う元湛。夸呂は「阿紫族は魏国の永遠の盟友となりましょう」と言い、盟約の印を元湛に渡す。元湛は「朶霞公主は、我々、魏国の友でした。阿紫族の誇りです」と言う。
夸呂が帰ったあと“父上は密旨で四兄上の捕縛を命じたが、兄弟に手は出せぬ。四兄上が帰京し2人が和解できれば、勅命に逆らう大罪を犯したかいもある”と思い、元湛は密報を燃やしてしまう。
殷監正は「湛王殿下はすでに兵権を掌握しました。凌王は帰京の途にあります」と殷貴妃に話す。「それは吉報ね」と喜ぶ殷貴妃。しかし殷貴妃は元湛が強力な軍を掌握しても、あの性格では凌王に帝位を奪われるやもと考える。陛下はあの女を長年愛し続けた、その情に動かされ凌王を生かせば取り除けない憂いとなる、凌王には資格はなくとも帝位を奪う力はある、と。
殷貴妃は殷家が長年育ててきた私兵を用い、元凌を帰京させないよう企む。
卿塵の元に来た元凌は「準備は整った。明朝、皇宮に攻め入る」と言う。「分かったわ。師匠も巫族の者を宮中に潜ませた」と話す卿塵。
元凌は「莫長老に聞いたが、母上は生きている。あの日、洮陽城で一体何があった?母上に関わりが?」と聞く。頷いた卿塵は「蓮妃様の手段は解せぬとも、気持ちは分かるわ。程度の差はあれど、私も同じ。夫と再会し、共に生きたいと願っている」と言う。「だが、誰かの命を犠牲にするなど許されぬ」と言う元凌。母上の罪は私が償う、君に私の母をとがめてほしくないと。
卿塵は元凌の手をにぎり「あなたの母なら、私の義母でもある。妻や母として彼女は正しいわ。やり方を間違えただけ。でも、あなたがすべての罪を背負う必要などないのよ」と話す。元凌は「だが母は巫族を殲滅しようと」と言う。「それは…」と言いかけた卿塵は突然苦しくなり、体全体が半透明になる。
卿塵の顔に自分の顔を近づけ、声を絞るように「君を愛してる」と言う元凌。卿塵も泣きながら「私も愛している」と言う。卿塵の体が元に戻り、2人は口づけをする。
刺客が卿塵といる元凌を狙おうとする。しかし見張っていた蝙蝠たちが刺客を倒し、元凌たちは気づかない。
蝙蝠が戻り「1人は巫族の聖巫女。もう1人は皇子。どうあっても結ばれぬ運命なのよ。私とあなたの父上が愛し合い、結局、引き裂かれたように。凌、母が犯した罪を肩代わりする必要などない。今後、あなたを傷つける者が誰であろうと容赦せぬ」と言う蓮妃。
明朝。元漓が“元の時空には戻らない”という卿塵の伝言を元凌に伝えに来る。「その意味は?」と尋ねる元凌に「十一兄上に月華石を使い、黒曜石を見つけても霊石はそろわない」と答える元漓。驚いた元凌が「だが十一弟は、すでに…」と言う。元漓は卿塵がかくまい、容体が安定に向かっているそうだと話す。
元凌は卿塵がどこにいるのか聞く。「先に皇宮に入り制圧する。四兄上には堂々と、乱の平定を名目に皇宮入りしてほしいと」と言う元漓。
元漓は「即位は彼女の最後の願いだ」と止めるが、元凌は「己の女子も守れず、天下を治められるか」と言い、急いで玄甲軍と皇宮へ向かう。
巫女たちと皇宮に来た卿塵は、兵を次々と倒していく。後から来た莫不平が「ここは私に任せ、致遠殿へ」と言い、卿塵は元安の元へ向かう。
元安に「巫族が天下に代わり、国の礎を正し、明君を立てる」と告げる卿塵。笑った元安は「“国の礎を正し、明君を立てる”だと?謀反を企て帝位を狙う者が、なぜ、自ら来ないのだ?」と言う。その時「私が来なければ父上を失望させる」と言いながら元凌が現れる。父上の教えです、“欲しいものは自ら取りに行け”と、と。「朕はそちを待っていた」と言う元安。元凌は「この二十数年間、父上は私が最も尊敬する方でした。幾度も追い込まれたりしなければ結末は違っていた」と話す。
元安は「ついに凶暴な野心をあらわにしたか。今日、ここに朕と朕の天下のすべてがある。気概があるなら、この妖女に闘わせず自ら挑め」と言う。帝位の正当性を守る巫族がここは相手になると言う卿塵。しかし元凌は「父上と私の恩讐は私が自ら断ち切る」と言う。
「お前に問う。私の父を殺し、母上を辱め、巫族を迫害した。これらの事実に、どう決着をつけるつもりだ?」と言う元凌。元安が「父を殺され、母を辱められた恨みだけで、20年以上育てられた恩は感じぬのか?まあよい。今日の一戦で、すべて決着が着くであろう」と言う。
外に出た元凌と元安は互いに剣を持つ。「来い。朕を殺せば、すべて片がつくぞ。実の息子ではないお前が、最も朕に似ているとはな。情にとらわれ、巫族と結託し、帝位簒奪の罪を背負う。その気分をとくと味わうがいい」と言う元安。
剣と剣がぶつかり合い、互いに一歩も引かない闘いが始まる。そして激しい闘いの末、元安の手から剣が離れ、元凌が勝利する。
元安に剣を向けながら「知らぬだろう、母上は生きている。母上は暗巫の長老だ。お前の生き地獄を望んでいる」と言う元凌。「何だと?蓮妃が暗巫の長老で、まだ生きている?」と言う元安。
決着がつき、卿塵が2人のそばへ行く。「更に言えば、皇后を殺したのも最愛の蓮妃よ」と言う卿塵。元安は「あり得ぬ」と言う。卿塵は「巫族は魏国に尽くし、帝位の正当性と離境天の名誉を守る」と告げる。吐血する元安。
元凌は「長年、父子だった。私を教え、育てたお前を殺しはしない、なぜならば君主の道に殺戮や陰謀など必要なく、平和は保てると示すためだ」と言う。
玉璽を持って莫不平が致遠殿から出てくると、卿塵が元凌に跪く。「陛下は病で政は困難ですが、国に主は不可欠。凌王殿下は文武の才があり、民の信頼厚く、魏国のため即位が望まれています。魏国のため、凌王殿下の即位を求めます」と言う。重臣たちもひざまずき「新帝を祝します」とつづく。
蝙蝠から報告を受けた蓮妃は「元安、予想できたかしら?こんな日が来ることを」とつぶやく。そこに呼んだ殷貴妃が来る。死んだはずの蓮妃が生きていたことを知り「あなた…。この妖婦め。巫族の仲間だったとは、陛下を欺いていたのね」と言う殷貴妃。蓮妃は「長年、願い続けたわ。あなたたち母子を消したいと。今日、呼び出したのは見届けさせるためよ。私の息子が帝位を得た姿を。あなたの息子に、もう機会は訪れない」と言う。殷貴妃は「それは違う。湛が争わぬのは争えぬからではない。それに、あの子は何より義理と情を重んじる」と言って笑う。私の湛が負けるはずないと。そして「我が殷家は永遠に敗北などせぬ。決して負けはしない」と言うと、殷貴妃は城壁から飛び降りて自害してしまう。
元湛が都に戻る途中で殷監正が待っていた。
「元凌母子が巫族と組み、帝位を簒奪し、貴妃様は…。母君は身投げを強いられ亡くなりました」と言う殷監正。愕然とした元湛は、涙を流しながら「四兄上、私は争わなかった。なのに、なぜ。母上さえも許さぬのか」言う。さらに殷監正が「元凌は先帝の遺児ゆえ、謀反を企てたのです。どうか父上と母上のためにも天下を取り、魏国をお守りに。母上は元凌の身分を知ったために、追い詰められたのでしょう」と話す。
李麟を呼び「命を下す。都を包囲せよ」と告げる元湛。
蓮池宮に来た卿塵は、苦しくなり座り込む。卿塵の体から出てきた生命の花の花びらが、また1枚落ちてしまう。
痛みを感じた元漓は、ハッとし急いで卿塵を捜しに行く。
卿塵を見つけ霊力で癒す元漓。卿塵はつらそうに「彼には内緒に」と頼む。「もう時間がないぞ。己のことを考えろ」と言う元漓。「あなたを巻き込みたくない」と言う卿塵に、元漓は「出会いは闘いだった。お前のあとを追い、今は戻ることもできぬ。だが、ここでの出会いは無駄ではなかった」と話す。
卿塵は凌王府にいる元凌の元へ向かう。
凌王府。「新皇帝が皇宮入りせず、ここで何を?」と元凌に聞く卿塵。元凌は「皇宮の冷たい雰囲気は、兄弟間の帝位争いを思い出させる。やはり、ここが好きだ」と言う。卿塵は「あなたの気持ちは分かるわ。でも皇帝となった今、下の者たちを心配させないで」と話す。「分かっている」と言う元凌。そんな中「湛王が都を包囲し、布告書を」という報告が。元凌は「守りを固めろ」と命を下す。
卿塵がどう対処するつもりか聞く。元凌は「元安は軟禁され、殷貴妃は死んで対抗した。七弟は兵権を持つ。戦いは避けられぬだろう」と答える。“兄弟で殺し合う運命は、やはり変えられないの?”と思う卿塵。
ーつづくー
元安がすごく強くてビックリ(✽ ゚д゚ ✽)
戦神と言われている元凌は現役だものね。
そんな元凌とここまで戦えるなんて、すごい。
殷貴妃も最後の最後まで元湛を皇帝にすることを諦めなかったというか…。
自分の命を犠牲にしてもかなえようとしているというか。
殷監正も嘘ばかり言って(@_@;)
元湛が冷静になった時、元凌がそんなことをする人じゃないと気づいてくれるといいんだけど。
とうとう残りもあと1話。
まだまだいろんな問題があるけど、あと1話で全部、解決できるのかな!?
どんな結末が待っているんだろう?
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元凌が母を庇うというか、卿塵に対して「君に私の母をとがめてほしくない」と言ったこと。
元安に対して「お前」呼ばわりして、育ててくれた恩や昔抱いていた尊敬を捨て去っていたこと。
ちょっと違和感を抱いてしまいました。(字幕の都合もあるのかもしれないけど)
それに対して卿塵は「元凌の母は自分の義母だ」と言ってたし、また、鳳えんと敵対してからも義父上と呼び続けたり礼を尽くしている気がして。
・・て、あんまり深く考えちゃいけないところかもしれないですね(^^ゞ
ラストの元湛の悲しみようは辛いものがありますね。
殷貴妃は死なないといけなかったのかな・・。よく分からないです。
元湛の気持ちからすると、争わなかったのになぜ許されないの?となりますよね。
元灝のように皇子の身分を捨てないといけなかったのかな、とか・・・Σ(゚д゚lll)ガーン
元凌が悪いというのではなく立場がそうさせるというか・・王族は大変・・( ̄▽ ̄;)