「仕組まれた祝宴」
宛が陥落した時から覚悟はしていた、劉縯殿のご慈悲で今日まで生きてこられたことに感謝する、と言う岑彭。劉秀が「兄を持ち出せば私は殺さぬと?」と言うと、岑彭は「違う。劉縯殿は大業のため私怨を捨てられる名君だ。臣下としてお仕えしたかった。ただ無念なことに恩返しができぬ」と言う。
劉秀は岑彭の書いていた“武”がなぜ1画多いのか聞く。岑彭は「かつて鬼谷子を読み乱世で戦う意義を悟った。すなわち戦を止めることだ」と答える。劉秀は剣で岑彭の結んだ髪を斬り「髪を首と見なし、恩讐を帳消しにする。だが漢軍、もしくは兄を裏切れば、必ずや首を斬る」と告げる。
朱鮪は「陛下は劉兄弟に加え、鄧晨や陰家にも多大な恩賞を授けました。これでは今後、より大きな手柄に報いる術がなくなるかと」と劉玄に話す。「劉縯は宛を落とし、劉秀は新軍を撃破した。この程度の褒美は当然だ。何が気に食わん」と返す劉玄。朱鮪は「お許しを。漢軍は今、名声を博し、身を寄せる好漢も増えております」と言う。劉玄が「盛名を馳せれば、おのずと人は集まってくる」と言うと「皆が慕うのは劉縯で陛下ではありません」と言う朱鮪。
朱鮪はかつて陛下は王匡や元緑林群の支持もあり劉縯を抑え込めた、しかし今や劉縯の勢力が拡大し王匡はおろか陛下の座まで危ういと話す。劉玄は「つまり新を倒す前に劉兄弟が朕に反逆するとでも?あり得ぬ」と言う。「劉稷にけしかけられれば分かりません。城外での一件をお忘れに?」と言う朱鮪。劉玄は「忘れるわけがない」と返す。
「劉玄は連日、諸将を歓待し、劉秀は宛に来たのち岑彭を訪ねるも親族の敵を討ちませんでした。劉兄弟は人心掌握に必死なのです。また噂によれば劉稷はこう言い放ちました、帝位は本来、劉縯のものだと」と朱鮪は言う。劉縯は必ず真に受けるはず、禍根は早急にお断ちくださいと。劉玄はどう処置するのか聞く。朱鮪は祝勝の宴を開く劉玄に“鴻門の会”を提案し「“鴻門の会”には項羽が必要です。陛下が玉玦を手にされたら劉縯を誅します」と言う。
宴が始まる。劉秀も陰識も不穏な空気を感じていた。
自分の後ろの席に座り、兄と酒を飲もうとしていた麗華に「傷が癒えたばかりだ。酒は控えろ」と言う劉秀。陰識は「劉文淑(劉秀)、何様のつもりだ」と言い返す。劉秀は「麗華を負傷させたこと、後日、謝罪に伺います」と言う。
麗華は劉縯が剣を持ってきていることを知り、不敬罪に問われる事を心配する。劉秀は止めたが聞かなかったことを話す。
席を立った劉玄が、劉縯に乾杯しようと言う。ふらつく足で立った劉縯を支える劉玄。2人は同族で心を1つにしようと酒を交わす。
劉玄は劉縯が剣を持ってきた事に気付く。見てもいいか?と劉玄が言い、手渡す劉縯。鞘から剣を抜き、劉玄は持ったまま自分の席に戻る。
劉秀は泥酔している兄に「ご挨拶して失礼しよう」と言う。その時、男が劉玄の前に玉玦持って行く。「陛下。玉玦をどうぞ」と言う朱鮪。ためらう劉玄を見て、麗華はすっと立つと劉玄の前にひざまずき「私も勝利に貢献したので、ぜひ恩賞を」と言う。「では、何が欲しい?」と聞く劉玄。麗華は「優美な玉は気高き君子のごとし。この玉玦を頂きたいのですが」と言う。王匡が「下っ端の分際で何を抜かす。下がれ」と言うと「私は勅命で昆昜に赴き手柄を立てました。褒賞は当然では?何より決めるのは陛下です。なぜ干渉なさるので?」と言う麗華。
韓姫がすかさず「陛下がいつお前を昆陽に行かせたの?嘘はおよし」と強く言う。麗華は胆照剣を出し「陛下はこの胆照剣で“肝胆相照らす”仲間を鼓舞された。そうですね?」と劉玄を見る。劉玄は笑い、劉縯の剣を手から離すと「玉玦でよければ持っていけ」と言う。麗華は感謝し、離そうとしない玉佩を男から取っていく。しかし収まりかけた時。劉稷が「論功行賞だって?口先だけだ、ふざけるな」と言い出す。
「何を言う」と劉稷に怒り、慌てて「酔った上での失言をお許しください」と劉玄に許しを請う劉秀。それでも劉稷が「秀兄上が新軍42万を破らなければ、この南陽はいまだに…」と続けようとし、劉秀は重ねて劉玄に詫びる。劉縯も「何とぞご容赦ください。ただ事情がありまして、春陵の劉氏は皆、褒美を賜りましたが、他の仲間たちは何も頂戴しておりません。劉稷が無礼な物言いをしたのは仲間のためなのです。懸命に戦い、軍功を立てた彼らにも報いていただきますよう」と取り繕う。劉玄は「何事にも順序がある。劉縯、安心せよ。功労のある者を忘れはしない。劉秀については父城を落としたら改めて祝おう」と告げる。
宴の帰り。縯兄さんの所へ行ってくると言う麗華に「ならぬ、すぐに私と戻れ」と言う陰識。そこに麗華を呼び止める声が。陛下が呼んでいると言われ、麗華だけ劉玄の元へ向かう。
麗華は劉玄に玉玦を返す。それを受け取った劉玄は投げ捨て「私の物ではない」と言う。そして「君のおかげで、最悪の事態を免れた」と話す劉玄。「王匡たちに脅されたので?」と麗華が聞く。劉玄は「天涯孤独の私をどう脅すのだ」と答える。麗華は「奥様もおられるのに天涯孤独とは?」と言う。劉玄は「私の最も大切な人はもういない。師匠、父上、兄弟、残ったのは私だけ。“欲を出して得たばかりに退路を失い野心ある者に狙われる。それでも手放しはしない”。世の争いは、大概、こうして起きる」と返す。
麗華は胆照剣を持つと「私はこの剣で王尋を討ちました。陛下と共に母の敵を取ったのです。剣は陛下にお返しします」と差し出す。劉玄は麗華の元へ押し戻し「師匠の物だ、持っていろ」と言う。傀儡皇帝の元にあっても意味がない、と。麗華は「ご心配なく。私は全力で陛下をもり立てます」と言う。劉玄は「劉縯や劉稷だが…君は親しいから折りを見て話をしてくれ。私を困らせるなと」と頼む。うなずく麗華。
大司徒府。「俺たちを危険な前線で戦わせて、手柄は横取りを…」と怒りの収まらない劉稷。劉秀は「いい加減にしろ。我らは臣下だぞ、死を賜れば拒めない」と怒鳴りつける。それでも「なぜだ」と劉稷が言い、劉稷の胸ぐらをつかんだ劉秀が「暴言で兄上を殺す気か」と言う。「よせ」と劉秀を止める劉縯。劉秀は怒ったまま屋敷の中へ入って行く。
追いかけてきた劉縯は「劉稷は一本気だから仕方ないだろ」と劉秀をなだめようとする。「あの玉玦は殺害決行の合図だった。麗華がいなければ大変なことに」と言い返す劉秀。劉縯は「分かっている。あれは奴らが企てた“鴻門の会”だ。だが手を下せなかった」と言う。劉秀が「劉玄は皇帝なんだぞ」と言うと「だから何だ。考えてもみろ、今、劉玄に従っていてもいずれ排除される。あまり心配するな」と話す。私が過ちを犯さない限り奴らも下手な真似はできないと。
劉縯は父城へ発つ前に、ひと目、麗華に会いに行くよう勧める。その話を偶然聞いた伯姫が「行っても無駄よ、門前払いに遭うわ」と言う。「馬鹿を言うな、麗華はお前の義姉になる」と言う劉縯。しかし伯姫は「“義姉”なんて気が早すぎるわ。彼女は望まないかも」と言う。そこに「いやに陰戟(麗華)を嫌うがやきもちか?」と言いながら劉稷が入ってくる。
「やきもち?ええ、私は彼女に勝てない。陛下や大司徒ばかりか、偏将軍まで骨抜きに」と言う伯姫。劉秀は「口が過ぎるぞ」と声を荒げる。伯姫は「男を誘惑する人よりマシよ。彼女が陛下に媚びるから、今回、秀兄上を差し置いて陰家が冊封された。こんな不公平なのは陰麗華のせいよ」と言い返す。「やめろ、それ以上言うな。麗華は昆陽で戦い命を落としかけた。彼女を屈辱するなら宛を去れ」と劉縯は叱る。皆が麗華の味方をし「彼女がいたら私の居場所はない。なら私が出て行く」と伯姫は行ってしまう。
兄たちが捜しに来ず、座り込む伯姫。そんな伯姫に通りかかった李通が声をかける。
伯姫の様子から兄たちとケンカをしたことを悟った李通は「今度、腹が立ったら私を訪ねてくれ。君の怒りの炎を消せなくても、話し相手くらいにはなれる」と言う。伯姫はなぜそんなに優しいのか聞く。李通は「君を見ると、妹の李珺を思い出す。兄思いの子だったが、私の決起の巻き添えとなり、新軍に惨殺された」と話す。じきに新は滅ぶ、もう悲しまないで、と伯姫は慰める。
家まで送ってくれるという李通と一緒に歩いていた伯姫。それを朱鮪と馬車に乗っていた李軼が見てしまう。不快な思いをしている李軼に「あの2人は、かなり親密そうだ。先ほどの話は胸に納めておいてくれ。従兄君には内密に」と言う朱鮪。李軼は「劉縯は結盟した仲間で、多少、親交がある。決行すれば…」と言う。朱鮪は「劉兄弟は貴殿を仲間とは考えておらんだろう。貴殿は昆陽で捕虜となったのに、彼らは何も問わず逆に貴殿を敬遠している。妙だと思わぬか?」と話す。昆陽で敵を欺き勝利したのは馮異、馮異は劉秀に貴殿のことを話したに違いない、さすれば劉兄弟は貴殿が裏切ったと疑っているはずだと。
「陛下と私は貴殿を信じるぞ。“劉氏また興り、李氏が支える”。貴殿は今後、漢の柱石となるであろう」と言った朱鮪は、迷っている李軼に「劉縯の妹を娶りたいか?陛下のため事を成せば、いくらでも機会はある」と告げる。「お引き立てに感謝します」と李軼は言う。
名医の姿に変装した劉秀を鄧奉が麗華の部屋へ連れて来る。「そんなに兄上が怖いの?」と麗華が聞くと、つけ髭をとった劉秀が「君に会いたい一心だ」と言う。
朱鮪たちを警戒するよう話す麗華に、劉秀は、明日、父城へ立つが、これは私と兄上を引き離す策かもしれないと心配する。そして「不用意に事を起こさぬよう注意を促してくれ。君は兄上より洞察力がある。敵の奇襲に注意しろ」と頼む劉秀。麗華は「大丈夫。陛下には縯兄さんを除く気はないし、劉兄弟なくして天下を取れないとも知っている」と言う。
劉秀は麗華の手をにぎり「早めに戻る。戻ったら、もう離れない」と告げる。その時、部屋の外で立っていた鄧奉に、陰興が話しかける声が聞こえる。慌てて逃げようとする劉秀が、髭を忘れていることに気付く麗華。麗華は劉秀にひげをつけたあと、頬に口づけをする。
無理やり入ろうとする陰興を止めるため「思い出した、一大事だぞ。琥珀だ。最近、毎日、尉遅峻と一緒にいる」と言う鄧奉。琥珀が気になる陰興は、すぐに琥珀の元へと向かう。
陰興は笑いながら防備の相談をしている尉遅峻と琥珀を目にする。「琥珀には私を守る努めがある。万一、わたしに何かあったら?」とすねる陰興に、琥珀はひざまずき「お許しください」と謝る。出て行く尉遅峻。
大司徒府。劉秀は劉縯を酒に誘う。「今の私があるのは兄上のおかげだ」と劉秀が言うと「私がそばにいなくともお前なら大丈夫だ」と言う劉縯。劉秀は私の旗下の者は少ないから劉稷を連れて行たいと話す。「ならん、劉稷は私の配下だぞ。朱鮪たちに知られたら面倒だ。また劉稷が暴走すると?」と劉縯が聞く。劉秀がうなずき「私のそばに置くから何も起こりはせん」と劉縯は言う。
劉秀は「私が父城から戻ったら陰家に縁談を申し入れてくれ」と頼む。劉縯は喜び「必ず盛大な婚礼を執り行なってやるぞ」と言う。
立った劉秀が「願わくば今生、兄上に付き従い、生死を共にせんことを」と言い、劉縯も立って「よくぞ言った。“生死を共にせん”。我らが力を合わせれば、必ずや漢を再興できる」と続け、乾杯する。
抜け出そうとする麗華に「回復したばかりの身でどこへ?」とお見通しの陰識が言う。「部屋に何日もいたら苔が生えてきそうだから散歩したいの」と話す麗華。陰識は「昨日、来た名医が取ってくれたのでは?」と言う。
陰識は鄧奉に「麗華と行け。万一の時は帰ってくるな、育陽へ逃げろ」と告げ、麗華は喜んで鄧奉と出て行く。
父城に着いた劉秀は馮異の元へ行く。酒を持ってきた丁柔に驚く劉秀。馮異は「私の父は勝手に後妻を迎えた。丁柔は私といるために」と説明する。劉秀が「律儀な君ならこのままにはしないはず」と言い「必ず責任を持つ」と返す馮異。
丁柔は劉秀が戻ったら劉縯が陰家に縁談を申し入れてくれると聞き喜ぶ。
ーつづくー
劉稷、もっと慎重にしてくれないとヒヤヒヤしちゃうよぉぉぉ。
とりあえず劉縯が助かって良かったけど(o´д`o)=3
尉遅峻にやきもちをやく陰興が可愛い(´艸`●)
でも琥珀も自分の立場を分かっているものね…。
陰興の思いが、いつかかなうといいんだけど。
陰識すごい!!
何もかもお見通しだったとは(≧▽≦)
でも、以前より麗華を自由にしてくれるようになったのかな…。
そうそう、李軼も何かしそうで心配…。
↓ポチッと押していただけると嬉しいな。
よろしくお願いします
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/eto_uma.gif)
![にほんブログ村 テレビブログ 華流・アジアドラマ(韓国以外)へ](http://tv.blogmura.com/tv_asiandrama/img/tv_asiandrama88_31_pink_1.gif)
にほんブログ村
いつもポチッをありがとうございます(*´ー`*)
再来・鴻門の宴の時も、全体を俯瞰しながら、
麗華の行動もうまくコントロールして。
そばにいると本当に頼りになりますよね!
更に、お髭先生の来訪もお見通しで(笑)
その助言一つ一つが若気の至りを間違えのない行動にしていますねー
今回、ふと秀麗の男装の時の
襟や帯の色の組み合わせが
とっても効いていることに目を引きました。
宴会での劉玄の衣装も威厳がある感じでよかったです。
さらに、劉縯が劉秀と二人で飲んでいた時の
あの衣装もとっても素敵でした~
いつもあの衣装だったらいいのにと思わず思ってしまいました。
大人の兄・陰識さんに比べて、弟・陰興の甘えん坊ぶりは何なんでしょう?(笑)。琥珀はオロオロ。
今回はポージー(伯姫)の馬鹿っぷりがすごかったですね(笑)。夜に町をふらつくあれはプチ家出なのか・・・・・・。
まるっと全てお見通しだったとはね。
1話の時から、日本のある俳優さんにお顔立ちが似てるなあと思い気になってました。
沈着冷静で思慮深くて、この回で更に好感度UP・・とにかく素敵です。
timeさんと浜浜さんと同じく陰識兄さん魅力にやられた私です。
陰興はいかにもかわいい弟て感じですね。