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中国ドラマ「岳飛伝 THE LAST HERO」 第64話 あらすじ

2016年03月08日 18時47分17秒 | 岳飛伝(中)

「無念の撤退」 


疲れ切った素素が金牌を持って岳家軍の陣営に来る。金牌は1枚ではなく、12枚あると話す素素。素素は「ごめんなさい。最後の1枚が阻止できず…」と涙を流しながら岳飛に謝る。そこに張俊と韓世忠が撤退したという知らせが。さらに岳飛のもとに韓世忠からの文書も届く。

ゆっくりと韓世忠の文を手に取る岳飛。それには“撤兵は私とて不本意だ。しかし勅命には背けぬ。岳元帥も国のため命に従い撤兵することを望む。くれぐれも軽率に動くな”と書かれていた。素素は「もう1つ情報が。朝廷が食糧の輸送を断ったわ。あろうことか張俊は兵3万を率いて移動したの。岳家軍が撤兵しなければ金と連携し挟撃する気よ」と話す。

牛皐は笑い出し「面白いじゃないか。それが朝廷の本音なら遠慮はせん。張俊など大した相手じゃない。皆でやっちまおう」と言う。「意義なし。一緒に行きます」と岳雲が言い、兵たちも「そうだ、やるぞ」と剣を持つ。そんな皆に「いい加減にしろ!」と怒鳴る王貴。食糧の調達は?朝廷に見放され、どうやって腹を満たす?と。剣を鞘から抜いた牛皐は、王貴に剣を向けると「金に肝を潰されたか?汴京に攻め入れば問題はなくなる」と言う。王貴は前へ歩き、牛皐の向けた剣の先端を自分の体にあてると「兄貴が戦うと決めたのなら、俺も死など恐れず戦うつもりだ」と返す。

岳雲は「父上は言いましたよね。“国の興隆のために武将は死を惜しまず”。今がその時では?」と岳飛に訴える。岳飛は岳雲を見つめながら「お前は馬鹿か。では聞くが、戦をするのは何のためだ?民に平和をもたらすためだ。もし戦えば金軍に道を塞がれ、宋の兵に包囲討伐される。味方同士が殺し合うのだ。それを喜ぶのは朝廷の奸臣で、利を得るのは金であり、苦しむのは天下の庶民なのだ。そして更に大きな内乱が起きることになる」と話す。「諦めるのは嫌です」と言う岳雲。岳飛は「お前1人の天下ではない」と怒鳴りつける。それでも岳雲と牛皐が戻らないと言い張り「黙れ、命令が聞けぬのか。俺の命令なしに出陣は許さない」と岳飛は言うと倒れてしまう。


何日も食べていない岳飛にお粥を作った素素。「兄さんが倒れたら仲間はどうなるの?民も兄さんを待ってるのよ」と素素が説得し、岳飛はようやく器を手に持つ。
「天下のことを、いかんせん」とつぶやく岳飛。張憲が「仰せのままに」と言う。そんな張憲に目をやり、見つめる岳飛。素素は「天下の人々はすでに覚悟を決め、緊張しながらも兄さんの号令を待っているわ」と話す。

岳飛は一口も食べなかった器を置くと「“十年の功、一日にして消失し、得るところの州郡、一朝にして休す。社稷江山、何をもって中興か。乾坤の世の中、再び回復せず”。張憲、ここにあと5日残り、河を渡ったふりをして民を南に移動させろ」と涙を流しながら言う。「はい」とつらそうに返事をする張憲。


庶民を移動させたと張憲は岳飛に報告する。剣の手入れをしていた岳飛は「我らも出発だ」と静かに告げる。


岳家軍と共に撤退する岳飛は、民たちから「行かないでください」と懇願された時のことを思い返す。民たちに「申し訳ありません」と泣きながら謝った岳飛。

王貴は「もう少しで朱仙鎮の境界だ」と岳飛に話す。岳飛をはじめ皆は馬を降り、河向こうへ向かってひざまずくと頭を下げる。


張俊と韓世忠が臨安に戻り引見を待っていると秦檜が伝えると「岳飛は?」と聞く高宗。秦檜は「恐らく道中かと」と答える。ため息をついた高宗は「今回3人の大将は全員召集に応じて戻ったが、心までここに戻ったとは言えぬ。特に岳飛は、いまだ北伐を望んでいる。また北の地を奪い返すと言いかねない」と言う。「心が戻らぬ原因は兵権を掌握しているからです。戦乱の世を終わらすには、兵権を剥奪すべきです。兵権を失えば野心もなくなりましょう」と秦檜は話す。高宗が「だが兵権を奪うのは容易ではないぞ」と言うと「太祖皇帝に倣い、酒で権勢を奪えばよいかと」と返す秦檜。


岳飛と2人だけで会った高宗は「有利な形勢の時に朝廷に呼び戻され、さそがし朕を攻めておるであろうな」と言う。「はい。かつて我々は鉄浮屠に苦しめられましたが、現在、連戦連勝の我が軍に金は恐れ肝を潰しております。今が中原を取り戻す好機です」と答える岳飛。高宗は「確かに、そちの言うとおりだ。だが戦のたびに銀子が使われ、税も増えれば民の負担は大きくなる。まさしく今は我々に絶対的に有利な形勢だ。だからこそ我々は談判の主導権を握れるのだぞ。今こそ和議の絶好の機会なのだ」と言う。戦に勝って和議の主導権を取るのが上策、戦わず和議もせず服従し、貢ぎ物を献上するのが中策、そして戦のみで和議をせず民に負担をかけることが最下策だと。

高宗は“武”と書かれた紙を見せ「この理屈は分かるな?」と岳飛に聞く。「“武”という字は“戈を止める”と書きます。“武”とは好戦的という意味ではなく、戦を止めるためのもの。金は信用するに足りません。戦火の再熱する時こそ国庫が疲弊し、天下が安定しなくなるのでは?陛下、誠に民を思うなら、帰る家がなくなり、路頭に迷う民を想像できるはず。和議は陛下が国土の片隅に甘んじ、江南の主となるための口実」と返す岳飛。高宗は「今日のそちの態度、朕は覚えておく。太祖は言われた、“吾が法を犯した者には、制裁を加えるのみ”。以後、同じ過ちを犯せば朕とそちは君臣の関係ではなくなる」と言って、書かれた“武”を破ってしまう。「承知いたしました」と岳飛は言う。


岳飛、韓世忠、張俊を労う宴を高宗が開く。その席で張俊が地方官たちに邪魔をされたと言い出す。食糧調達を拒絶されたと。秦檜は岳飛たち3名に相当の肩書きを与えれば地方官を指揮できると提案。高宗は張俊と韓世忠を枢密使に封じ、岳飛を枢密副使に封ずることを決める。しかし新しい職を与えられれば、古い職からは手を引かなければいけない。岳飛たちは兵権を差し出すことになる。

岳飛は「どうか帰郷をお許しください」と高宗に頼む。「故郷に帰りたいだと?陛下のお心を傷つけると思い至らぬか」と言う秦檜。岳飛は「堂々たる宋において貴殿のような奸臣たちがぐるになって国や民を欺いてきたのだ。戦場での経験がなくとも、その手は血にまみれている。貴殿こそ、宋を壊滅させる敵だ」と言い放つ。そして「私の望みは他でもない。故郷に戻り、隠居させていただきたい」と岳飛は高宗に言う。


東屋で岳飛は義兄弟たちに今日で岳家軍の元帥ではなくなると話す。今後、宗に岳家軍は存在しない、後は張憲に任せると。
昇格が兵権を奪う狙いだとすぐに分かる王貴。張憲は「陛下の計算では、金が攻めてきても和議を交渉すれば江南の主としての地位は保てる。だが武将が謀反を起こせば、一気にその身分さえ危うくなる」と言う。
岳飛は十年以上、共に奮闘したみんなと別れの杯を交わす。
「達者でな」と言うと、去って行く岳飛。


韋氏は岳飛が兀朮との一戦を控え、朱仙鎮で陣を敷いたことを袁太監から聞く。それならば岳飛がこの場所の近くにいるはずだと思う韋氏。しかし袁太監は、岳飛はすでに撤兵し、朝廷へ戻ってしまったと話す。韋氏は驚き「なぜ?」と言う。朱仙鎮や汴京、黄河や相州まで来れば、ここまでは遠くないのにと。「陛下は12枚の金牌を下し、岳飛を朝廷に呼び戻したのです」と答える袁太監。さらに袁太監は「陛下は岳元帥を臨安に戻して兵権を剥奪し、岳家軍を解散させたうえ閑職の枢密副使に任命したのです」と伝える。「嘘よ、陛下に限ってあり得ないわ」と韋氏は言う。


ーつづくー


宴で張俊と秦檜と高宗がグルになって( ̄^ ̄メ)
岳飛が隠居したいと言うのだから、隠居させてあげたらいいのに。
そしたら高宗が心配することもなくなるんじゃないのかな?
と、いうか、目が悪いと言ってるのに無理やり呼びつけてこの仕打ち(;д;)

岳飛が義兄弟たちと別れの杯を交わした時が切なくて切なくて(;_;)
岳雲はどうするのかな?

韋氏だって息子が助けに来てくれると信じていたよね…(o´д`o)=3
まさか岳飛を撤退させていたとは。
高宗は母のことをどう思っているんだろう…。



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1 コメント

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断腸の思い (ねこ)
2016-03-10 07:31:44
前回、岳飛の祠と民の態度を見て高宗の嫉妬心に火がついてしまった高宗と秦檜、張俊のあくどい企み。

民を思い、一度は北伐を続行しようと思ったけれど
やっぱり民のことを考えて断腸の思いで撤退し、高宗の元に帰った岳飛に待ち受けていたものは・・・。辛い

二度の隠居生活の申し出になぜ許してあげないの。
忠臣と奸臣との区別がつかない高宗、猜疑心と疑心暗鬼と嫉妬心の塊だから
隠居しても謀反に怯えることになるからか。
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