「和議の条件」
信じたくない韋氏に、これが最善の策だったのでしょう、臣下たちも賛同したことです、と話す袁太監。韋氏が「宋に賢い者はいなかったの?」と言うと「おります。誰よりも賢いのは、皇太后が陛下に引き合わせた御史台の秦檜殿かと。今は丞相にまで上り詰めました」と袁太監は答える。しかし袁太監は、岳殿の悪評を流したのは他ならぬ秦殿で、金との和議を勧め兵糧を断ち、天子から忠臣を遠ざけ、岳元帥に12枚の金牌を与え撤退させたと言う。秦檜の真の目的は君臣たちをそそのかし争わせること、そして武官や文官を巧みに操り、甘い密を吸っていると。
「全て秦檜の仕業なの?」と聞く韋氏。袁太監は「民も知っており、ご存じないのは皇太后だけです」と言う。「私には人を見る目がなかった。私こそが国を窮地に陥れた元凶だったということなのね」と韋氏はつぶやく。
韋氏は秦檜の罷免を訴える文を書こうとする。しかし袁太監は「今の朝廷は秦丞相が牛耳っております。文は陛下に渡る前に燃やされてしまうはずです」と言う。
金。合剌は宋との和議について皆の意見を聞く。早急に和議を結ぶべきかと、と話す斡離不。では和議の条件はどうする、と合剌が言う。斡離不は「毎年、銀を25万両と絹を40万反納めては?」と話す。烏棱思謀が領土も分譲させるべきだと提案し、兀朮は陛下の意向に従うと言う。
考えた合剌は「今、出た条件をすべて宋側に伝えよ。それと両国の関係も定める。宋は金に臣下の礼をとり、金が宋の皇帝を冊封すること。もう1つ条件がある。最も重要な条件だ。この条件をのまなければ和議には応じぬ。岳飛を殺すことだ」と告げる。
高宗は岳飛が自分を軽んじる一方だと感じ怒っていた。そんな高宗に秦檜は金から送られてきた国書を渡そうとする。また金や銀の無心だと思った高宗は、秦檜に読ませることに。
読んだ秦檜は「要求は金銀ではなく、ある者の命です」と高宗に話す。誰の命か高宗が聞くと「岳飛です」と答える秦檜。和議の大前提は岳飛を殺すことだと。
高宗は、岳飛を殺してしまえば国を守る者を失う、と考える。しかし秦檜は「金の勢力は以前より衰えております。ゆえに和議を結んでも脅威にはなりませんが、身近にいる岳飛には気を許せません。岳飛は必ずや謀反を起こします」と言う。机をドンッと叩き「岳飛が謀反を起こすだと?その事実はあるのか?もし岳飛を殺せば朕は暗愚な君主となり、後世まで罵倒される」と言う高宗。秦檜は、また金と戦になれば岳飛は北伐を進めかねません、岳家軍が欽宗帝を救ったらどうなさるのです、岳飛が金から中原を奪回すれば権力も地位も得ます、謀反は免れません、祠まで建てられたのですぞ、と説得する。
「とはいえ、あれほど義に篤い男だぞ。謀反を起こすとは考えづらい」と高宗は返す。秦檜は「では陛下、岳飛を慕う者たちはどうでしょう?彼らが権力を持てば?」と言う。「そちはどうするべきだと?」と高宗は聞く。秦檜は「金の申し出を受け、岳飛を殺すべきです」と答える。岳飛を年内に殺しさえすれば、和議が結べるうえ新年を皇太后と過ごすことができると。「誠か?」と心が揺れる高宗。秦檜は「誓って確かです」と言う。
それでも高宗は「岳飛は長年、我が国のために多くの功績を上げた。その岳飛を殺せば朕は愚かな君主だと語り継がれる。そして文官や武官、民にまで知れ渡るだろう。朕は己の保身のために忠臣を殺したとな」と言う。秦檜が「二兎追う者は一兎も得られません。陛下は一兎を追うのですか?それとも二兎を?」と尋ねると「朕は二兎、手に入れる」と高宗は答える。
韓世忠は琴を弾く娘・彦芳を見ながら9年前に亡くなった紅玉を思い出す。彦芳が「なぜ新しい妻を娶らないのです?」と聞くと「お母上より素晴らしい人がいないのだ」と言う韓世忠。
彦芳は、戦が起こってほしくない、父上が陛下からいくら褒賞を頂いても、任務が増えれば責任も重くなる、国のことに心を砕けば父上の心から私は追い出される、と話す。さらに彦芳は、宋が戦に敗れて二度と父上に会えなくなることや、ずっと1人で過ごしてきた春節や上元節、中秋節をまた1人で過ごすかと思うと寂しくて不安だったと言う。
韓世忠は高宗に会いに行く。臨安に戻り、家族と会えたことに感謝した韓世忠は「最近、年老いて病気がちになりました。気持ちに体力が伴いません。どうか私を故郷へ戻し、隠居させてください」と高宗に頼む。高宗は国に30年も尽くしてくれた韓世忠の隠居を認める。
屋敷に戻った韓世忠は彦芳に隠居し故郷に戻ることを伝える。これからずっと一緒にいられることを喜ぶ彦芳。
秦檜は岳飛が兵権を失った後、張憲に“別の策を取れ”という文を送ったことを知る。それを謀反の証拠にしたい秦檜。
秦檜は幼なじみだからこそ自分より張憲を重用する岳飛に不満を持ち、牛頭山で処刑されそうになったことにもしこりを持つ王貴を利用しようと考える。
蘆山に戻った岳飛は岳霖と安娘と一緒に母の墓参りをする。墓前で「もうどこへも行きません」と言う岳飛。岳飛はお婆様の墓が北を向いているのは湯陰が北だから、お婆様の願いは故郷の墓に入ることだった、しかし、かなえてやれなかった、と2人に話す。そして故郷を奪還したら祖母上を故郷に埋葬するのだぞ、と言う。
刺繍をしていた孝娥が針で指を指してしまう。急いでその指に口をつけ「気をつけろ、危ないだろ」と言う岳飛。大げさな岳飛に「大した傷ではないわ」と孝娥が言うと、岳飛は「俺の心が痛むのだ」と返す。そして岳飛は「俺はずっと国や民に忠義を尽くした、恥じる事は何もない。だが君には心から申し訳ないと思っている。俺は人生の半分を国に捧げた。残りの人生はすべて君に捧げる。これからはもう二度と離れない。君がうれしい時は俺も喜び、悲しいときは俺が楽しくしてやる」と言う。
翌朝。岳飛は家族と一緒に日の出を見に行く。
霧が次第に晴れ、綺麗な日の出を見る事ができる岳飛たち。岳飛は孝娥に寄り添い「蘆山はこんなにも風光明媚な地なのだな。これが俺たちの宋で、俺たちの国なのだ」と話す。「あなたが江南を救ったのよ。あなたがいたからこの楽土もある。でももうあなたは役目を果たしたわ」と言う孝娥。岳飛も「今や俺の出る幕ではない。これからは隠居の身だ」と言う。
張用は岳雲を人けのないところへ連れて行き、岳軍楼の件が書かれた文が盗まれたことを話す。その文には“別の策を取れ”とだけ岳飛が記していたと。そんな話をしている中“腕比べを開催する”という秦熺からの招待状が岳雲に届く。
丞相府へ向かった岳雲と張用。
皆の前で「今日は岳家の八大錘の奥義を披露していただき、見識を広げさせてもらおう」と言う秦熺。岳雲は「承知しました。ご覧ください」と言う。
皆で乾杯をするが、秦熺は怪しげに岳雲と張用を見る。
その頃、秦檜は王貴を呼んでいた。18年物の女児紅という酒を王貴に飲ませた秦檜は「単刀直入に言おう。将軍に折り入って頼みがある」と言う。
ーつづくー
金の和解の条件が岳飛を殺す事だなんて!!
そんな条件に悩む高宗…(o´д`o)=3
今までどれだけ岳飛が国のために尽くしてきたか。
今までどれだけ高宗を救ってきたか。
自分だって岳飛が謀反を起こすとは思ってないじゃない(;△;)
張憲と比べると岳雲に警戒心がないような…( ̄▼ ̄|||)
絶対、秦熺が何か企んでいるよね。
あの目が怖いヾ(・ω・`;)ノ
怖いといえば王貴。
王貴が裏切るの!?
えぇぇ!?
たしかに岳飛に対して思うところがあったとは思う。
でも、でも、でも(;_;)
次回を見るのが本当に怖い。
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民も全て知っている?
内幕を知らないのは韋氏だけじゃなく、一番知らないのは高宗ですからぁ~。
岳飛を陥れようとする秦熺の策略がついに。
岳飛一家に幸せなひとときが戻ったのに・・ああ~
王貴が秦熺に利用される?
色々とあったにせよ、いくらなんでも、今まで一緒に辛苦をなめてきた仲間なのに、そんな裏切るなんてことしないよ~と思いたい。
国の為に忠義を尽くしてきた岳飛なのに、高宗はやっぱり悩むんだ(-_-#)
岳飛を殺せば「暗愚な君主として語り継がれる」 ってもうすでに立派に暗愚ですよね…
岳飛の隠居は認めなかったのに韓世忠にはあっさり許すんだ…納得いかない…
話はそれますが韓世忠の官服っていうのかな、あんまり似合わないですね…やっぱり鎧姿の方がカッコいい(*^^*)
家族の元に戻って穏やかな表情の岳飛だけど秦檜が虎視眈々と陥れようと画策してるし、この穏やかな時間がいつまで続くのか…
韋氏の手紙が高宗に届けば助けになりそうだけど厳しいのかな…
岳飛との間のわだかまりも解けたのかはっきりしないままになった時もあった王貴だけど、そう長い付き合いだもの心配ないよね…