卿塵(けいじん)/巫女…リウ・シーシー(劉詩詩)
元凌(げんりょう)/皇帝…ウィリアム・チャン(陳偉霆)
元湛(げんたん)…シュー・ハイチャオ(徐海喬)
元澈(げんてつ)/第十一皇子
元安(げんあん)/皇帝
元漓(げんり)/第十に皇子
朶霞(たか)/阿紫族公主
「殿下」と言う張束に「私は死んだことになった。もう“殿下”は存在しない」と返す元灝。張束は「西に向かっては?」と話す。うなずいた元灝は「西域の文化は中原と大きく異なるとか。見に行こう。ただ、四弟は父上に責められよう。悪いことをした」と言う。「きっと大事を成すはず。私たちも人生を全うせねば」と言う張束。そして張束は「これからは、ずっと兄貴についていきます」と言う。
卿塵は朶霞が凌王との離縁を宣言し、木頦沙に嫁ぐと冥魘から聞く。冥魘は「朶霞は凌王に執心していたはず。自分から捨てるなんて」と理解できないが、卿塵は阿紫族の安寧を願い、朶霞が我が身を犠牲にしたと気づく。
卿塵は朶霞に会いに行く。「洮陽が落ちたと聞き、あなたと澈王殿下を案じていた。どんなに探っても行方が知れなかったわ」と言う朶霞。卿塵は洮陽を守れなかったことを謝る。
「今日はある噂を聞き、会いに来たの」と言う卿塵。朶霞は噂ではないことを話し「木頦沙を撤兵させたかったの。玄甲軍に洮陽の奪還を任せれば甚大な犠牲が出る」と言う。猶予は3日間、3日以内に凌王殿下が戻らなければ…婚儀の夜、木頦沙を刺し殺すと。
丸一日、食事を断っている元安に「お体を悪くしては、あの世にいる灝王殿下が心を痛めることでしょう」と心配する孫太監。元安は「あっけない死だ。別れの言葉も残さなかった」と溜め息をつく。そして「灝が健在なら、それで満足だったのだ。帝位も強いなかったのに。朕は年老いた。あと何年、皇帝でいられるかも分からぬ」と言う元安。孫太監は「陛下は長命です。この先、何年も何十年も陛下に仕えさせてください」と言う。
元安は「朕はよい父親だったか?」と聞く。孫太監が言葉を詰まらせ、元安は「思ったことを正直に申せ。とがめはせぬ」と言う。「私は何年もおそばに控えてきました。陛下が各皇子を心から慈しまれる様子を、この目で見ております。昔から今に至るまで、陛下はすばらしい父親です」と答える孫太監。
元安は「間違っている。朕はよい皇帝だが、よい父親ではなかった。各皇子たちの勢力均衡を計ることに必死で、実の息子たちに互いに競い合い、争い合うよう強いてきたのだ。目的は遂げたが、このやり方が正しかったかは分からぬ。もしかすると卿塵の言うとおりになるやも。朕は皆から裏切られた果てに、孤独な最期を遂げるのだ」と話す。孫太監が「天子ともあろうお方が、あり得ません」と言う。「そのとおりだな。朕は天子であり、この国の帝王だ。自分の息子たちも臣下にすぎず、帝位を狙って謀反を起こしかねない。朕は陳国と索蘭を破り、礼を励行し官制を改めた。後世、大いに評価されるだろう。今日のような事態を招き罪悪感はあるが、後悔は少しもない」と言う元安。
元澈は内傷が重かった。
卿塵は弱った自分体を治すという理由で、冥魘に薬材の調達を頼む。冥魘が調達へ行くと、月華石使って元澈の施術を始める卿塵。
冥魘は途中で卿塵が何をしようとしているのかに気づき急いで戻る。しかし卿塵が結界を張り近づくことができない。冥魘の説得に応じなかった卿塵は、月華石に精気を奪われ意識を失ってしまう。
意識を取り戻した卿塵は「澈王の具合はどう?」と冥魘に聞く。「まだ昏睡している」と答える冥魘。冥魘に元澈の見守りを頼んだ卿塵は“元凌、あなたとは連れ添えないから、あなたを守れる人を救うわ”と思う。
朶霞と木頦沙の婚儀の日。
兵たちに祝福され、機嫌のいい木頦沙。夜になり、木頦沙は朶霞の待っている部屋へ行く。
朶霞の隣に座った木頦沙は「新婚初夜だ。どれだけ長い間、この日を待ったか。共に育った私に君の心が分からぬとでも?知っているぞ、今日に至るまで、今、この時も私に嫁ぎたくないと。構わぬ。私は待とう。ずっと待ったのだ、まだ待てる」と言う。
朶霞が目をつぶり、木頦沙は立つと「君は阿紫族の公主だ。雲の上の存在で、私は一介の…。ずっと君への愛を胸の内に隠してきた。だが凌王にへつらう君を見過ごせなかったのだ。ともかく感謝している。君のおかげで、いかに想い人を追うか学べた。そして今日、やり遂げたのだ」と話す。朶霞は「ええ、あなたは正しいわ。でも恋において妥協や強要があってはならない。元凌は卿塵だけを求め、私は元凌に執着した。あなたは私への想いを断てない。でも阿紫族でありながら、あなたは敵国と結び民を戦禍に巻き込んだわ。想いを果たすため、大勢の命を犠牲にしたのよ」と言う。
「それが何だ!」と木頦沙が怒鳴る。君に知らせたかった、誰よりも大切だとな、と。朶霞は「あなたは阿紫族を裏切ったわ。その瞬間から私の心に、あなたの居場所はない。犠牲になった者の敵を討つわ。刺し違えてでも、あなたを殺す。今日、あなたと決着をつけるわ」と言う。
卿塵は朶霞を助けようと、2人のいる部屋へ向かっていた。そんな卿塵の前に蓮妃が現れる。「凌を生かしたいなら、ついてきて」と言う蓮妃。仕方なく、卿塵は蓮妃について行く。
朶霞と木頦沙は剣を交えて戦いを始める。やがて蝋燭が倒れ、部屋が燃えだす。それでも互いにやめようとしない。
「師匠の言うとおり、あなたが定水だったのですね」と卿塵は蓮妃に尋ねる。蓮妃は「それが何?すべて私の計画どおりよ。今さら知ろうと手遅れね」と言って、卿塵を攻撃する。卿塵も対抗し「おやめください」と言う。
朶霞の持っていた剣に刺さる木頦沙。木頦沙は「私を殺したいほど憎んでいるのか?」と聞く。朶霞が何も答えず、火の回りを見た木頦沙は「逃げろ。早く行かねば死んでしまうぞ」と叫ぶ。「あなたと、ここで果てるわ」と言う朶霞。高笑いをした木頦沙は「その言葉を聞けて私は満足だ。幼い頃から是非を問わず君に尽くしてきた。引き換えに君を私だけのものにできたのだ。この人生に悔いはない」と言って亡くなる。木頦沙を見つめながら「まさか私たちが、こんな終わり方を迎えるとは」と言い、横になった朶霞は静かに目を閉じる。
「元凌の気持ちを考えるべきでは?」と言う卿塵。蓮妃は「その必要はないわ。凌の即位で、すべてが丸く収まる」と言い返す。卿塵が「暗巫の禁術を習得して、無辜の命を犠牲にしましたね」と言うと「お黙り。それの何が悪いの?勇敢な朶霞の鮮血は血玲瓏を作る。そうすれば九転霊石が全部そろうわ」と言う蓮妃。驚く卿塵に、蓮妃は「私に感謝してはどう?」と言うと、禁術で卿塵を飛ばし、その場を去っていく。
卿塵はつらい体で朶霞のいる部屋へ向かう。しかし部屋は炎に包まれていた。急いで朶霞を助けに行こうとするが、卿塵の体から生命の花が出てきて花びらが1枚落ちる。そして卿塵の元に血玲瓏がゆっくりと飛んでくる。「朶霞」とつぶやく卿塵。そこに元凌が駆けつける。
「何があった?」と聞く元凌。卿塵は「朶霞と約束したの。今宵、木頦沙を殺すと。朶霞と木頦沙は死んだわ」と泣きながら話す。元凌は火の中へ飛び込もうとするが「もう手遅れよ」と卿塵が必死で止める。
肩を落としてその場から離れる元凌を、卿塵は涙を流して見つめることしかできない。
元凌は莫不平から「殿下の母君・蓮妃様の真の姿は暗巫の長老・定水です。定水の目的は卿塵を利用し、九転霊石を集めること。黒曜石の行方を知るのは、恐らく彼女だけです」と言われた時のことを思い返す。暗巫の禁術で多くの犠牲を出しました、卿塵が元の時空に戻れぬ場合、定水に殺されるでしょう、阻止できるのは殿下だけです、と。
“卿塵、私のそばにいては母上に殺されてしまう。私のため苦しんだ君を、もう二度と危険な目には遭わせない”と思う元凌。
卿塵は意識を失い倒れてしまう。そんな卿塵に誰かが近づいてくる。
座り込んでいる元凌を見つける元湛。元湛は「兵糧を手配しておいた。卿塵と十一弟も捜させている」と話す。しかし「捜すな」と元凌は止める。
元凌は元湛が都から届いた2つの密報を持っていることに気づく。「蓮妃様が死を賜った」と元湛から聞き、急いで密報を読む元凌。元凌はもう1つの密報の内容を尋ねる。元湛は「父上は私に兵権を引き継ぎ、四兄上を帰京させよと」と答える。
元凌は「なぜ早く言わぬ?」と言う。「宮中で一大事が起きた。父上の魂胆は分からぬ。四兄上に判断を委ねたい」と言う元湛。元凌は「簫続は死んだ。木頦沙も滅び、梁軍は撤退した。今後のことは、お前が処理できる。玄甲軍を任せたぞ。父上に会いに行く」と言う。
出て行く元凌の後ろ姿を見ながら、元湛は“密旨によれば、私は兵権を引き継いだ後、四兄上を捕縛せねばならなかった。私が助けられるのは、ここまでだ”と思う。
洮陽へ向かっていた殷采倩は、ようやく道が分かったが馬を盗まれてしまう。さらに洮陽まであとどれくらいで着くか尋ねた相手から、洮陽は近いが戦場となり城は半壊、朶霞公主と木頦沙が死に、魏国の澈王も戦で死んだらしい、と聞いて驚く。
ーつづくー
元灝は死んだということにして、自由の身になったのね。
皇子だった人が生きていけるかな?と思ったけど、張束がそばにいてくれてよかった♪
張束の「兄貴」もナイス(*>ω<)b
木頦沙と朶霞の結婚衣装が変わっていたかも?
これはこれで奇麗だったけど、あまり見たことがないような感じがして。
でも、まさか2人とも亡くなってしまうなんて!!(;△;)
木頦沙はともかく(え?)朶霞まで…。
殷采倩は道が分からなくて、なかなか洮陽にたどり着けなかったのねヾ(・ω・`;)ノ
やっと行く道が分かったのに、馬が盗まれてしまうなんて…。
元澈も死んだと聞かされて可哀想(;д;)
帰京することになった元凌が心配。
それに元凌、卿塵を遠ざけるつもり!?(✽ ゚д゚ ✽)
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張束が支えてくれるかな。
うささん、木頦沙と朶霞の婚礼衣装は黒ベースの着物の上に赤い着物を着てましたね。
見慣れないのは阿紫族の衣装だからかなぁ?
木頦沙の何がダメか考えてみたけど、やはり、国を売ったこと、民のことを考えられないことが致命的かも。
朶霞は最後まで国と民のことを考えていたのに、木頦沙は自分の想いを遂げることしか考えられない。
これではどこまで行っても平行線ですね( ;∀;)
朶霞が逃げなかったのは、責任を取ったということなんでしょうね。
(部下の不始末は自分の責任、みたいな)
朶霞のせいじゃないのに・・悲しすぎる結末でした( ;∀;)
そしてやっぱり生きていた蓮妃。画面に向かって思わず「出た!」と言っちゃった(;'∀')
朶霞の死を聞いた元凌は、母親の正体を聞いた時よりも明らかに動揺していたようですね。
火の中に飛び込もうとしたあの一瞬だけは、夫の顔だったように思います。
Berryさんと同じく、卿塵にはショックな場面だったかもしれない、という気がしました。
木頦沙は最悪の行動にでてましたが、剣に刺されたのは事故というか、偶然にみえてました。自分から刺されたのなら、この事態でせっかくの婚礼後に明るい結果を予想していなかったのかな、? 朶霞は、刺してしまい、責任を取る形でそのままだったのかな、、まさか少しは情が出てきたのでしょうか。
それにしても元凌は、いつも岩の陰に隠れても探しだすのに、あれでは朶霞の死にショックで実は朶霞と結婚したのでそちらの方が大事なの!?って、卿塵からしたら辛いですよね。卿塵はもう、自分が助かることも諦めてるようですよね。