「尽忠報国」
誰だか分からないほど痛々しい張憲と岳雲を目にする岳飛。張憲は岳飛に逃げるように言う。しかし岳飛も殴られ、捕らえられてしまう。
張用の考えで小満の父が亡くなった事にし、秦檜をおびき出すことに。
父親役の張用も剣を持ちながら、お棺の中で秦檜が来るのを待つ。しかし家に来た秦檜は、耳打ちをされると小満に声をかけることもなく、その場を去ってしまう。
大理寺。隗順がそっと岳飛に玉佩を渡してくれる。そのまま連行され、尋問官・何鋳の前まで連れて行かれる岳飛。
岳飛は自分で歩けないほど弱っていたが、何鋳の前で気力を振り絞って立つ。
岳飛は左後ろと右後ろの人物について聞かれ、配下の張憲と息子の岳雲だと答える。何鋳は“別の策を取れ”と書かれた文について問う。岳飛は「張憲と岳雲は臨安で銀子と材木を集め、岳軍楼を建てようとしました。戦で負傷した兵を仮住まいさせる家屋です。私は2人の案に再考の余地があると考え“別の策”を勧めました」と答える。「だが、この文の中には岳軍楼のことなど、ひと言も書かれておらぬ」と言う何鋳。それを渡された岳飛は、文の裏を見ると「この文が指す“別の案”とは?黄河流域の義勇軍と協力し、黄龍府を攻め、和議を妨害することだ」と言う。
張憲と岳雲を指差し「その2人は気絶するまで拷問を加えても決して罪を認めなかった。2人の潔白を証明できるのか?」と言う何鋳。岳飛は「我が軍の文であれば、日付けを裏側に書いているはずです。また日付けの位置も、各統制により異なっています。しかし、その文の日付けは表側の末尾に書かれています。軍の規定に反しているので、その文を書いたのは岳家軍以外の者です」と話す。下手人を知りたいなら、張憲と岳雲ではなく秦丞相にお尋ねをと。さらに「謀反を疑われることは無念でなりません。お尋ねの嫌疑に関して4文字で答えましょう」と言う岳飛。
「では、心して聞こう」と何鋳が言うと、岳飛は背中の“尽忠報国”を何鋳に見せる。思わず席から立ち上がる何鋳。同じように“尽忠報国”を目にした隗順たちは岳飛の無罪を訴える。秦檜と陰から見ていた万俟离は、飛び出し隗順を斬ろうとするが、それを「やめろ」と止める岳飛。「私が無罪かどうかは法が決める」と。
何鋳は岳飛を獄に戻し、日を改めて審議することにする。
怒った秦檜は「全員、罷免しろ」と万俟离に言う。
張憲は牛皐に軽挙を慎むよう伝えたことや、万俟离が秦府に入り浸っていることを素素や大脚丫たちに話す。
「数日後、西湖で舟遊びがあるの。京劇の役者として潜り込み、暗殺してはどう?」と提案する素素。独眼竜が「そうしよう」と言い、張用は小満に伝える事にする。
岳飛が捕まり怒っている牛皐は、兵たちと一緒に秦檜と陛下に会いに行き、解放を求めようと考えていた。酒浸りの王貴がそんな皆を見ていると梁在平が来る。
武力を使ってはいけないと言い、韓元帥が秦府に行き真相を明らかにすると話す梁在平。仕方なく牛皐は日没まで便りを待つ事に。
秦府。秦檜に拝謁した何鋳は「命に従い何度も岳飛を尋問しましたが、確固たる罪はありません。謀反に関する証拠も皆無です。和議を結ぶ前に名将を失うのは大きな痛手、どうか恩赦を施し、岳飛を放免してください」と言う。秦檜の気持ちを察し、下がらせる万俟离。
秦檜は万俟离に「尋問を任せる。もとより証拠などない。だが必ず有罪にしろ」と告げる。
尋問官が万俟离に代わる。上奏書の1通を取り「これには“兵を温存し、軍令に背いた”とある。“顎州にいた際、淮西への援軍が遅れた。勝敗の行方を見て動こうとしたのだろう。これは謀反の証拠である”。まだしらを切るつもりか」と言う万俟离。岳飛は「私は援軍に赴く途上で金軍を追撃し、その戦功を賞する聖諭を2月19日に拝受している。聖諭いわく“中興の功、この一挙にあり。卿、善戦す”。信じられぬなら聖諭を見るがよい」と返す。万俟离は聖諭が蘆山の岳飛の家にあると聞く。
次の上奏書を手に持ち、北伐に赴いた時のことを万俟离が聞く。「“朱仙鎮に駐在している際、帰京を命じられた。張俊や韓世忠らが即日撤兵したが、岳飛のみ帰京を拒み続けた。12枚の金牌を受けても撤兵しなかったのは、逆心を抱いていたからだ”さっさと自供するがよい」と笑う万俟离。ふんっ、と鼻で笑い「私はただひたすら中原の回復を願ってきた。兀朮を朱仙鎮へ追い込むまでに10年も要したのだ。あの時、兀朮は汴京を捨てようとしていた。あと3日あれば汴京に陛下をお迎えし、燕雲や黄龍府さえ攻め落とせたのだぞ。これは宿願であり、逆心ではない」とキッパリと言う岳飛。「妄言を申すな」と万俟离が言うと、岳飛は笑い「貴様も金の味方なのか」と言い返す。怒った万俟离は岳飛を20回打つよう命じるが、誰も動こうとしない。
「太祖は“忠臣を刑すべからず”と遺言された。万寿観使に任じられた私も忠臣では?」と岳飛が言う。「太祖の時代と今は違う。その聖諭とやらを大理寺に持ってこない限り、お前が忠臣であることを証明する手だてはない」と言う万俟离。岳飛は「勅命を受けたのか?」と聞く。聖諭には封がかけられている、勅命がない限り他人には見せられない、見せれば大逆の罪に問われると。
聖諭のことを保留にした万俟离は「太祖と言えば、お前はかつて謀反心を表す詩を書いた」と言い出す。そして「“寒門に何ぞ富貴を載せん”。天竺寺の壁に書き付けた詩だ。何を意味する?」と聞く万俟离。岳飛は「“寒門”とは岳家の故郷・湯陰を指し、“富貴”とは万寿観使を指す。私は貧しい身から出世を遂げた。私に倣い、国に尽くすよう後進を励ましたのだ。この詩のどこに謀反心があると?」と答える。万俟离は「ある者が言うには“寒門”という語を使い、自分と太祖を重ね合わせたとか。貧しい家に生まれた太祖は、陳橋の変を起こして皇帝の座に就いた。自分を皇帝に比するなど、大逆であるぞ」と言う。
「私の出自は変えようがない。納得できぬなら天下の貧民をすべて捕らえよ」と返す岳飛。万俟离は「己の立身出世を誇るから謀反を疑われたのだ」と笑う。「では万俟离よ。貴殿は鮮婢の子孫でありながら出世を遂げた。見識ある者なら貴殿が奸臣だと見抜くはずだ」と言いながら岳飛は万俟离に近づいて行く。顔色を変え「不届き者め、何をするつもりだ。まさか私に手を出す気か」と言う万俟离。岳飛は「正義のために怒るは至極当然のこと。貴殿の虚言聞くに絶えず怒りが込み上げる。馬鹿にするにも程があるぞ」と縛られた手で卓の上の物を万俟离に向かって投げ始める。そんな岳飛を「抑えてください」と止める隗順。さらに岳飛は「“寒門”や“富貴”が太祖を暗示しているだと?そのように難癖を付ければ誰も詩など書けぬ」と言う。
「残念だが、他にも証拠がある」と言う万俟离。別の上奏書を開き「30歳で節度使になった時、お前は何と言った?“30歳で節度使になるのは自分と太祖だけだ”。自分を太祖になぞられるとは甚だしく不敬な言葉だぞ」と万俟离は言う。「嘘を言うな。任を受けたのは32歳の時だ。年齢まで都合良く変える気か。偽りの証拠ばかり並べるな。後世の民にあざ笑われることになるぞ」と岳飛は怒鳴る。万俟离は、私には証人がいる、その証人はお前の配下でお前に殺されかけた者だと言う。すぐに王貴だと分かる岳飛。「王貴は裏切らぬ」と岳飛が言うと、万俟离は「もっとも近しい者にまで裏切られるとはな」と笑う。岳飛は「誰が証人であっても構わぬ。その言葉で私を罪に問えるのか。私の罪状は何だ?」と言い放つ。万俟离はそれ以上、何も言えなくなる。
尋問がうまくいかない秦檜は、秦熺に蘆山へ行き聖諭を取ってくるよう命じる。
蘆山へ行った秦熺は「御林軍だ。調査に来た」と孝娥に告げ、岳飛宛の聖諭を全て出すように言う。他人には渡せないと気丈に言う孝娥。秦熺は聖諭を渡せないなら命を差し出せと言い、連れてきた兵たちと家の中を探し始める。そんな中、娟児たちと隠れていた安娘は、兵たちに乱暴されそうになり井戸に身を投げてしまう。
舟遊びの日。秦檜と一緒に舟に乗った小満は、隙を見て酒の中に薬を入れる。
ーつづくー
張憲や岳雲、岳飛が痛々しくてつらい。
今まで国のために尽くしてきた岳飛が、獄であんな惨めな扱いをされるなんて…(;_;)
何鋳と隗順は正しい判断ができていたのに…。
尋問官を誰にでもすることができる秦檜が、すでに岳飛の命を握っている(;д;)
高宗も口のうまい秦檜の言いなりでは、韓世忠がいくら説得しても聞いてはくれないと思う。
聖諭のこともひどいけど、財宝まで取ろうするってどういうこと!?
そして安娘がΣ( ̄ロ ̄lll)
そんな…。
まさか安娘までこんなことになるなんて…。
小満たちの計画も心配(;△;)
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清廉潔白な岳飛には尋問官も相手にはならなかったけれど
一枚も二枚も上をいく悪党の秦檜には勝てない。
安娘が井戸へ・・・そんなことになるなんて(T_T)
小満もまさか、まさか・・・。
あと2話、このまま辛い展開になるのでしょうね。
もう何を言っても秦檜の思うままの状況の中で、尋問官や役人たちが潔白を訴える岳飛に呼応するシーンには少し救われました。
それでも岳飛たちは救われませんが…
王貴もお酒屋飲むしかないよね…
ここへ来て安娘があんなことに!(TT)
岳飛はどんなに偉くなっても蓄財なんかしなかったんだから!
財宝なんてないよ!
うささん、ゲコゲコ言っても笑えない(;△;)