警察の誕生、というタイトルにひかれて購入。
古代、「警察」という概念が誕生する前の治安を担当していた様々な役職の紹介からはじまり、近代国民国家の形成に伴って、いまのような「警察」が登場するまでの概観をまとめあげている作品(ヨーロッパでは、特にフランス、神聖ローマ帝国のころのドイツ、イギリスなど)。著者がハプスブルク家の研究者らしいので、その繋がりで誕生した本(本書の後半に、急に自身の著作を参照されたし、という記述が目立ち始める……)。
簡単に警察というものが、どういう風に登場するようになったのか、を考えたい場合は読んでもいいけれど、特に細かい組織の変遷であったりだとか、日本の警察の歴史を知りたくて読む、というのならちょっと他の本にあたった方がいいかもしれない。
読みやすいし、案外ページ数が少ないので、気軽に読むことができる本です。