ザウスは、

　SSAWSと書きます。これはSpring Summer Autumn Winter in Snowの略です。ザウスはオールシーズンでスキーが楽しめる施設です。しかし今はもうありません。

今から30年前、千県県船橋市にザウスはオープンしました。この施設を造ったのは三井不動産でした。驚くべき事にザウスの総工費は400億円を超していたと言いますからいかに凄い施設であったかがよく分かります。Wikipediaによると当初は10年間だけ営業し、その後は売却を予定していたようです。ザウスが出来た90年代はちょうどバブル経済が崩壊した頃です。もしかするとどこかで再び景気の回復を期待して、このような施設を造ったのでしょうか。しかしオープンしてみると利用者は増加して収益は上がり黒字経営になっていきました。但し施設の維持費や人件費にお金がかかりすぎた事が、後に大きな痛手になっていきました。

さて、ザウスがオープンした1993年の秋に私は後輩たちと一緒に千葉県へ学会出張しました。これはチャンスと思い、学会が終わった夜に皆でザウスへ行きました。当時ザウスのキャッチフレーズは「スーツでスキーに行こう」でした。私たちはまさにこのパターンで、何も持たずスーツ姿でザウスに行きましたが、スキーウエアからスキー用具を全てレンタルできるシステムを利用する事ができました。入場料と2時間滑走で￥5900でしたが、これにレンタル料を加えるので まあまあのお値段になったと思います（おそらく館内で食事もしたと思います）。

ドーム内はオールシーズン気温が低く保たれており、天井には降雪機が備えられていました。ゲレンデの長さは500mで幅は100m、高低差は80mでした。私が行った時のコンディションは残念ながらアイスバーン状態で、なかなかスキーのエッジが効かなかった事を覚えています。斜面の上部へはリフトかベルトコンベアを利用して上がりました。ただ決まった坂をひたすら滑り降りる事を繰り返すので、2時間はあっと言う間でした。

さて現在も室内スキー場が存在している国があります。2005年にオープンしたドバイにあるスキードバイは建物の4階の部分がスキー場になっているそうです。中国のハルピンにも巨大な室内スキー場があるようです。しかしよく考えてみると、ザウスでさえこのような経営状況だったのにそれを上回る規模の施設で運営してゆけるのだろうかという疑問が沸いてきます。やはりコロナ禍の影響は少なからず受けていると予測され、これからが正念場でしょうね。

もし今後、日本でもう一度ザウスのような室内スキー場が出来たら、是非とも私は行ってみたいと思います。90年代の日本の良き時代を再び体験してみたい、そんな期待を抱きつつ昔の思い出に浸っていました。

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