週刊少年ジャンプを一流少年誌へと押し上げたとも言われる伝説の漫画「男一匹ガキ大将」
95年に刊行された文庫版では、富士すそのの決戦後の話は作者自身が大暴投と言って未収録になっていました。
そこまで言わせる展開とは一体どんなものだったのでしょう?
ちょっと簡単に紹介してみようと思います。
日本中の不良学生をまとめたあげた戸川万吉
その次の目標は・・・世界制覇!
ではなく、ふんぞり返っている政財界の大物たちを相手にすることであった。(殴る蹴るの喧嘩するわけじゃないよ)
万吉は宣戦布告とその威を示すべく、3万5千の兵を引き連れ東京までの大行進を開始する。
当面の目標は彼女である岡野友子の父親が経営する岡野建設を乗っ取った水戸のばばあこと水戸正江だ。
しかし、万吉は正江の自家用飛行機に乗せられ、その所有する土地やビルなどを見せられて、あまりの強大さに一度は挫けかける。
その後、万吉はまだ17歳なのになぜか友子と結婚、それから三海電機の株をめぐって正江と対決することになる。
序盤でも株で儲ける話はあったが、少年誌で株の仕手戦とかやってもチンプンカンプンだった読者は多かったのではないだろうか?
万吉が株の世界で大人に喧嘩を売っている頃、万吉の片腕とも言うべき銀次は、行き場を失い拗ねていた。
それというのも、万吉が家庭を持って子分と過ごす時間が少なくなったことや、株式市場という場に戦場を移したことで喧嘩しか取り得のない自分にはやることがないということが原因だった。
そのため、鬼頭(弟)にそそのかされ、一度は万吉一家を出てやり直そうと考える。
一方、万吉は三海電気の株20%を集めるべく、全国の保有者に子分たちを派遣して委任状をもらい責任者となる。
それを取引材料にして正江から見事岡野建設を取り戻すことに成功する。
とまあ、ここまでは暴投らしいものはなく、良い展開じゃないかと思ったりもする。
だが、暴投はそれからまもなくのことであった・・・
日本進出をたくらむコックベイラー
なんとこの男は、陰で中東のゲリラを組織して、日本のタンカーを沈めるなどの妨害を行わせていた。
そして、原油の届かない日本に自分の持つ石油会社が援助するという形にして恩を売り、一気に日本を食い物にする気だったのだ。
その最中、正江は生命の危機に陥り、水戸屋の後継者として万吉を指名する。
その後、一家の情報通である三吉からコックベイラーの野望を聞かされた万吉は大激怒。
政府要人との会談の場に殴りこんで文字通りコックベイラーを殴り倒す。
そして、向かってくるコックベイラーの船団を海上封鎖すべく東京湾へと迎え撃つ。
その一方で銀次たちは日本へ原油を運び込むために仲間たちを引き連れ、中東へと向かう・・・
当然、中東では妨害があり、日本へ帰るのは容易ではありません。
陸からは大砲の嵐、タンカーも炎上し犠牲者が出てしまいます。
佐々木は万吉の指令で民間機をチャーターし、援軍として駆けつける。
なんと爆弾まで投下している・・・
銀次たちのタンカー船団は砲台以外に機雷にも進路を阻まれるが、土佐源とその部下たちが、漁師の意地と命を賭けた拳で機雷を撤去する。
これによってタンカーは無事に中東を脱出、東京湾でも万吉たちがコックベイラー船団との大激戦を制し、見事原油危機から日本を救う。
だが、あまりにも犠牲が多すぎる戦いであった。
うーん、さすがにこの展開はな・・・
作者が暴投と言って収録したくなかった理由も頷けますね。
それで、大勢の子分を死なせてしまった万吉はその贖罪として、自殺を考えるのですが、子分や奇跡的に一命を取り留めた正江らの説得によって新たな目的を見つけ思いとどまる。
そして、見識を深めるために外国へと旅立つ。
一人で行くつもりだったが、抜け駆けした銀次も付いて行く。
ジャンプ編集部に散々続けさせられた本宮氏も本当の本当に最後にするつもりでこれで一旦は完結となったらしい。
その後、新連載が振るわなくて、またちょっと描かされたからその後の話もあるんだけどね。
その名残であろう。最終章との間を挟むように外伝がいくつか収録されていました。
偽万吉と偽銀次が登場して、土建屋に騙されてその土建屋を万吉たちが叩き潰す話、
中東で死んだ幹部、名古屋の川端善明の婚約者が万吉に復讐しようとする話、あとは銀次と世間知らずのご令嬢のロマンスなどもありました。
その中では銀次の話が一番よかったですね。
この話、実はあるシーンがまんま本宮氏自身の名作「俺の空」で流用されています。
喧嘩一筋で女っけがなかった銀次なので、なんか新鮮なんですよね。
話はまあ、この娘さんのお父さんの会社が資金繰りに困ってしまい、娘を人身御供にして援助してもらおうという、昔ならよくありがちな話です。
で、この娘さんはそれが嫌で家出していたところ、万吉の用事で旅していた銀次と出会ってしまうという話。
それでこの結婚の話が新聞に載っているのを見た銀次は、大人の都合の良い道具として扱われていることに激怒して式場に乗り込んで潰そうとするわけです。
その式に万吉と水戸のおばばが出席していて無事解決するという感じです。
まあ、これと結婚させられるとなれば、逃げたくもなるわね・・・
とまあ、こんな感じですね。
コックベイラーとの話さえなければ本当に良い作品で終わっていたのではないかと思います。
ちなみに最終章の方はここまで荒唐無稽じゃありません。
95年に刊行された文庫版では、富士すそのの決戦後の話は作者自身が大暴投と言って未収録になっていました。
そこまで言わせる展開とは一体どんなものだったのでしょう?
ちょっと簡単に紹介してみようと思います。
日本中の不良学生をまとめたあげた戸川万吉
その次の目標は・・・世界制覇!
ではなく、ふんぞり返っている政財界の大物たちを相手にすることであった。(殴る蹴るの喧嘩するわけじゃないよ)
万吉は宣戦布告とその威を示すべく、3万5千の兵を引き連れ東京までの大行進を開始する。
当面の目標は彼女である岡野友子の父親が経営する岡野建設を乗っ取った水戸のばばあこと水戸正江だ。
しかし、万吉は正江の自家用飛行機に乗せられ、その所有する土地やビルなどを見せられて、あまりの強大さに一度は挫けかける。
その後、万吉はまだ17歳なのになぜか友子と結婚、それから三海電機の株をめぐって正江と対決することになる。
序盤でも株で儲ける話はあったが、少年誌で株の仕手戦とかやってもチンプンカンプンだった読者は多かったのではないだろうか?
万吉が株の世界で大人に喧嘩を売っている頃、万吉の片腕とも言うべき銀次は、行き場を失い拗ねていた。
それというのも、万吉が家庭を持って子分と過ごす時間が少なくなったことや、株式市場という場に戦場を移したことで喧嘩しか取り得のない自分にはやることがないということが原因だった。
そのため、鬼頭(弟)にそそのかされ、一度は万吉一家を出てやり直そうと考える。
一方、万吉は三海電気の株20%を集めるべく、全国の保有者に子分たちを派遣して委任状をもらい責任者となる。
それを取引材料にして正江から見事岡野建設を取り戻すことに成功する。
とまあ、ここまでは暴投らしいものはなく、良い展開じゃないかと思ったりもする。
だが、暴投はそれからまもなくのことであった・・・
日本進出をたくらむコックベイラー
なんとこの男は、陰で中東のゲリラを組織して、日本のタンカーを沈めるなどの妨害を行わせていた。
そして、原油の届かない日本に自分の持つ石油会社が援助するという形にして恩を売り、一気に日本を食い物にする気だったのだ。
その最中、正江は生命の危機に陥り、水戸屋の後継者として万吉を指名する。
その後、一家の情報通である三吉からコックベイラーの野望を聞かされた万吉は大激怒。
政府要人との会談の場に殴りこんで文字通りコックベイラーを殴り倒す。
そして、向かってくるコックベイラーの船団を海上封鎖すべく東京湾へと迎え撃つ。
その一方で銀次たちは日本へ原油を運び込むために仲間たちを引き連れ、中東へと向かう・・・
当然、中東では妨害があり、日本へ帰るのは容易ではありません。
陸からは大砲の嵐、タンカーも炎上し犠牲者が出てしまいます。
佐々木は万吉の指令で民間機をチャーターし、援軍として駆けつける。
なんと爆弾まで投下している・・・
銀次たちのタンカー船団は砲台以外に機雷にも進路を阻まれるが、土佐源とその部下たちが、漁師の意地と命を賭けた拳で機雷を撤去する。
これによってタンカーは無事に中東を脱出、東京湾でも万吉たちがコックベイラー船団との大激戦を制し、見事原油危機から日本を救う。
だが、あまりにも犠牲が多すぎる戦いであった。
うーん、さすがにこの展開はな・・・
作者が暴投と言って収録したくなかった理由も頷けますね。
それで、大勢の子分を死なせてしまった万吉はその贖罪として、自殺を考えるのですが、子分や奇跡的に一命を取り留めた正江らの説得によって新たな目的を見つけ思いとどまる。
そして、見識を深めるために外国へと旅立つ。
一人で行くつもりだったが、抜け駆けした銀次も付いて行く。
ジャンプ編集部に散々続けさせられた本宮氏も本当の本当に最後にするつもりでこれで一旦は完結となったらしい。
その後、新連載が振るわなくて、またちょっと描かされたからその後の話もあるんだけどね。
その名残であろう。最終章との間を挟むように外伝がいくつか収録されていました。
偽万吉と偽銀次が登場して、土建屋に騙されてその土建屋を万吉たちが叩き潰す話、
中東で死んだ幹部、名古屋の川端善明の婚約者が万吉に復讐しようとする話、あとは銀次と世間知らずのご令嬢のロマンスなどもありました。
その中では銀次の話が一番よかったですね。
この話、実はあるシーンがまんま本宮氏自身の名作「俺の空」で流用されています。
喧嘩一筋で女っけがなかった銀次なので、なんか新鮮なんですよね。
話はまあ、この娘さんのお父さんの会社が資金繰りに困ってしまい、娘を人身御供にして援助してもらおうという、昔ならよくありがちな話です。
で、この娘さんはそれが嫌で家出していたところ、万吉の用事で旅していた銀次と出会ってしまうという話。
それでこの結婚の話が新聞に載っているのを見た銀次は、大人の都合の良い道具として扱われていることに激怒して式場に乗り込んで潰そうとするわけです。
その式に万吉と水戸のおばばが出席していて無事解決するという感じです。
まあ、これと結婚させられるとなれば、逃げたくもなるわね・・・
とまあ、こんな感じですね。
コックベイラーとの話さえなければ本当に良い作品で終わっていたのではないかと思います。
ちなみに最終章の方はここまで荒唐無稽じゃありません。
昔の漫画って1コマの表現がすごく
細かい気がする・・・ こういう絵かけていいなぁ・・・。
最後の画像www 顔が適当すぎてw
そうですね、見開きとか少なくて、コマの一つ一つが細かくて、
尚且つテンポが良いというのが特徴な気がします。
これはひどい・・・の一言ですよねw
荒唐無稽、魑魅魍魎のオンパレードではないか。
本宮ひろしは、気が狂ったとしか思えん。
いや、正気に戻ったから、恥ずかしいと思ったのか(笑)。
学生同士の喧嘩だったのが急に戦争みたいな話になったからじゃないですかね?
で、「ああ、これやり過ぎたかもしれない」と思って封印したくなったみたいな?