5月28日(木)
「サザエさんと長谷川町子」工藤美代子(幻冬舎新書)を読了。
結論からいうと、いまいちもの足りませんでした。
主に長谷川町子の自伝的作品や雑誌などの記事と、妹・洋子の著書を付き合わせて書かれていて、
あとは長谷川家についても調べてあるけど、
ノンフィクションというより「資料を読んでまとめたレポート」みたいでした。
「大阪市在住の建築家」という人のちょっと驚く証言もありますが、裏も取らずすんなり受け入れているのも気になります。
晩年、鞠子・町子と洋子が決別してしまう原因についても「当時の長谷川家に近かった人」ひとりの、ふわっとした話しか出てこない。
町子や洋子が“書いたこと”と“事実”との間の膜みたいなものをしっかり剥がして中を覗くような作業はほとんど為されていない、というのが感想です。
そもそも、筆者はなぜ長谷川町子について書こうとしたんでしょうか。
読めば読むほど、筆者は長谷川町子にそんなに愛着もなく、関心もなさそうに感じられます。
そういえば、この人が笹川良一を取り上げた「悪名の棺」も、同じ匂いがして読み進められませんでした。
で、今、懲りずに同じ著書が三笠宮寛仁親王について書いた「悪童殿下」を読みはじめています。
こちらはかなり昔から個人的な交流があったようで、思い入れたっぷりの「まえがき」で始まっているので、ちょっと期待できそうです。
「サザエさんと長谷川町子」工藤美代子(幻冬舎新書)を読了。
結論からいうと、いまいちもの足りませんでした。
主に長谷川町子の自伝的作品や雑誌などの記事と、妹・洋子の著書を付き合わせて書かれていて、
あとは長谷川家についても調べてあるけど、
ノンフィクションというより「資料を読んでまとめたレポート」みたいでした。
「大阪市在住の建築家」という人のちょっと驚く証言もありますが、裏も取らずすんなり受け入れているのも気になります。
晩年、鞠子・町子と洋子が決別してしまう原因についても「当時の長谷川家に近かった人」ひとりの、ふわっとした話しか出てこない。
町子や洋子が“書いたこと”と“事実”との間の膜みたいなものをしっかり剥がして中を覗くような作業はほとんど為されていない、というのが感想です。
そもそも、筆者はなぜ長谷川町子について書こうとしたんでしょうか。
読めば読むほど、筆者は長谷川町子にそんなに愛着もなく、関心もなさそうに感じられます。
そういえば、この人が笹川良一を取り上げた「悪名の棺」も、同じ匂いがして読み進められませんでした。
で、今、懲りずに同じ著書が三笠宮寛仁親王について書いた「悪童殿下」を読みはじめています。
こちらはかなり昔から個人的な交流があったようで、思い入れたっぷりの「まえがき」で始まっているので、ちょっと期待できそうです。