快読日記

日々の読書記録

「受験脳の作り方-脳科学で考える効率的学習法-」池谷裕二

2014年09月10日 | 暮らし・健康・理科っぽい話
《9/7読了 新潮文庫 2013年刊(「高校生の勉強法」(2002年 ナガセ刊)を改題、増補、一部改稿して文庫化 【脳科学】 いけがや・ゆうじ(1970~)》

旧題のとおり、脳科学者から高校生に向けた勉強法のすすめ。

記憶は“繰り返し”だ、“入力”より“出力”だ(だから何度も使うと定着する)とか、学習とはものごとの関連性を理解することだ、とか、“大人になると実感できる”ことがたくさん出てきて、これを中高生のときにわかっていたら…とがっかりするわけですが、それはさておき。
(わかっていたとしても、たかがしれてる気がするけど)

おもしろかったのは、「ファジーな脳」の項。
記憶というのはあんまり厳密だと役に立たない、人間は臨機応変にさまざまな判断をしなきゃならないけど、人生で完全に同じ状況が何度も来ることはまずないので、変化に対応できる曖昧な記憶こそが有用だ、という話です。
だから、最初からひとつのことを正確に覚えるのではなく、失敗を繰り返し、消去法で必要な情報を記憶するやり方を脳が選んでいるんだそうです。
しかも、脳は疲れないんだって。
(疲れたと感じるのは目とか首とか)
これにはちょっと希望が持てた。

我が身を振り返るに、40を過ぎて、ますますいろんなことを覚えられなくなり、忘れっぽくなり、大丈夫か自分?と問いかける毎日ですが、脳の仕組みや癖を理解してコツコツ勉強していったら楽しいかもしれないですね。
若い脳科学者というイメージがあった筆者も、もう40代。
この人の脳も衰えるのか。
彼が書く中高年向けの脳の話もぜひ読んでみたいです。

「私たちが人生とは何かを知る前に人生はもう半分過ぎている。(ヘンリー 詩人)」(208p)

/「受験脳の作り方-脳科学で考える効率的学習法-」池谷裕二
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