《3/5読了 角川文庫 2012年刊(2009年に日経BP社から刊行された「もう私のことはわからないのだけれど」を改題・加筆修正して文庫化) 【日本の小説 短編集】 ひめの・かおるこ(1958~)》
姫野カオルコが介護もの?と、タイトルで驚いたけど、
「はじめに」にもあるように、晩婚だった両親を筆頭に若い時期からずっと親族の介護をしてきたんだそうです。
そんな中で知り合った人々のエピソードをもとに、介護する人たちのつぶやきを綴った作品。
実は、まず文字の大きさに「詩集か!」と叫びそうになったり、
数ページに渡る独白の後にその人のプロフィール、という形式に初めは馴染めなかったりしましたが、
読み進むうちに、意図的にたどたどしく書かれた文章が、まるでその人自身の肉声のように響いてきました。
嫌いだった姑や父親の世話をしながら彼らを好きになっていく話が特によかった。
現在、わたしは両親とも元気で、今まで“家に病人がいる”という経験も全くありません。
そのためかかえって介護生活への怯えみたいなものがあって、そういう話を聞いたり読んだりするときはちょっと真剣になるのですが、
こうして介護する人たちの心の奥(たとえフィクションであっても)に少しでも触れると、「なんとかなる」と思えてきます。
介護そのものより、それをする“人間”に焦点が合っているからかな。
介護経験を持つ藤田香織の解説もとてもよかったです。
/「風のささやき 介護する人への13の話」姫野カオルコ
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姫野カオルコが介護もの?と、タイトルで驚いたけど、
「はじめに」にもあるように、晩婚だった両親を筆頭に若い時期からずっと親族の介護をしてきたんだそうです。
そんな中で知り合った人々のエピソードをもとに、介護する人たちのつぶやきを綴った作品。
実は、まず文字の大きさに「詩集か!」と叫びそうになったり、
数ページに渡る独白の後にその人のプロフィール、という形式に初めは馴染めなかったりしましたが、
読み進むうちに、意図的にたどたどしく書かれた文章が、まるでその人自身の肉声のように響いてきました。
嫌いだった姑や父親の世話をしながら彼らを好きになっていく話が特によかった。
現在、わたしは両親とも元気で、今まで“家に病人がいる”という経験も全くありません。
そのためかかえって介護生活への怯えみたいなものがあって、そういう話を聞いたり読んだりするときはちょっと真剣になるのですが、
こうして介護する人たちの心の奥(たとえフィクションであっても)に少しでも触れると、「なんとかなる」と思えてきます。
介護そのものより、それをする“人間”に焦点が合っているからかな。
介護経験を持つ藤田香織の解説もとてもよかったです。
/「風のささやき 介護する人への13の話」姫野カオルコ
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