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(仁田山を越えた先から名栗湖方面の眺め)
タイトルのとおり蕨山から棒ノ嶺へと縦走してきました。9時間超の長いルートということもあり、前半は有間山を越えて日向沢ノ峰まで、後半は日向沢ノ峰からさわらびの湯まで、と分けて掲載することにします。
原市場・武蔵日原の地形図を眺めると、有間ダム(名栗湖)を起点として、蕨山から有間山、日向沢ノ峰、棒ノ嶺、と有間谷(※1)を囲む長大な周回ルートを形成していることが分かる。蕨山あるいは棒ノ嶺は単体であれば、比較的軽い日帰りルートとして歩くことが出来るが、有間ダムを起点とした周回ルートの場合、10時間超(※2)のロングルートとなる。橋小屋ノ頭(有間山の一部 1163)から南、あるいは棒ノ嶺から西のルートは以前から興味のある所ではあった。だが日帰りとしては長すぎる上、かつてはタタラノ頭(有間山最高峰 1213.5)から日向沢ノ峰までは酷い藪があったため、なかなかこの縦走を実現できないでいた。しかし当ブログを始めて以降、マイナールートも順調に消化し、未踏のルートも少なくなってきた。そこで今回長年の懸案であった有間谷周回ルートの一部を歩き通してみることにした。有間谷を本当に周回するのであれば、さわらびの湯バス停から金比羅山に取り付くのが本筋であろう。だがあまりにも距離が長くなるので、今回は名郷から直接蕨山に取り付くことにした(これでも9時間超掛かる)。
4ヶ月ぶりに飯能駅発の国際興業バスに乗ろうとすると珍しく行列ができている。立客がいるほどに混んでいることにも驚いたが、乗客の多くが若い人であることにも驚いてしまった。クドいようだが、ボクが山歩きを始めた数年前には考えられなかった光景である。久々の名郷は街中に比べるといくらか涼しいようだ。他の乗客も大半が降りたので、珍しく静かな里が賑やかである。10人ほどの若者グループがいたのだが、何処へ行くのだろうか。若い人が山に戻ってきたのは良い事だと思う。だが行動や思考がボクの世代と微妙にズレているので、少々苦手なのだ。いつものようにのんびりと準備をする。どうやら蕨山へ取り付く人はいないようだ。今日も静かな山歩きとなりそうだ。
蕨山へはトイレの前の道を先ずは下っていく。川を渡り、しばらくは舗装路歩きが続く。蕨山へと直接取り付くルートはかつて一度だけ歩いたことがある。林道から沢沿いを尾根まで登り上げるまでがきついこと、更に蕨山までも断続的に急登が続くことだけが記憶にある。それ以外は全く記憶に残っていない。体力的にきつい道であるということがあまりにも強烈な印象だったからだろう。5分ほどで砂利道へと変わる。ここも記憶がない。そばを流れる沢は音が聞こえるだけで、水の流れは見えない。ここのところ殆ど雨が降っていないため、沢が伏流となってしまっているのだろう。上流になればいくらか流れがあるが、かなり細い。本当に水不足が心配になってしまった。
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(蕨入り 水流は少ない)
堰を前にして林道は終了。飛び石で沢を渡って、沢沿いに尾根まで詰めていくのだ。地形図には2本の破線路が描かれているが、今から歩く道はそのどちらでもない。一番正しい道は「山と高原地図」(最近はあまりエアリアマップとは言わないらしい)に描かれている。ピーク651を南に巻いて尾根に上がる、とイメージすると良いだろう。登り始めから杉林の中を急な登りが続く。ジグザグを描いて道が付けられているのがせめてもの救いか。整備された杉林の林床にはガクアジサイの木が花を付けていた。あと一週間もすれば満開だろうか。今日は曇り空ということもあって、林の中は薄暗い。でもあまり暑くなっては困るので、ちょうど良いのかもしれない。何度か沢を横切りつつも登っていくと不意に傾斜が緩む。上部には大きな岩らしきものも見え、尾根も近い。
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(沢地形を上がっていく)
尾根に上がると雑木林のグリーンシャワーが迎えてくれる。新緑には遅いが、それでも淡い緑が美しい。岩の向こうには尾根通しの道が付いているようだが、あまり歩いて欲しくはないようだ。蕨山へと続くこの尾根道は緩急を繰り返しつつも只管登りが続く。ここであまり頑張ってしまうのは得策でない。まずはしばらく緩やかな登りとなっているので、ここはゆっくりと進む。よく踏み固められた道は左側(南東側)の展望が所々開ける。最初に見えるのは藤棚山から金比羅山への尾根らしい。少し先へ行くと今度は振り返るような形で名郷集落が見下ろせる。左上に見える双耳峰は伊豆ヶ岳と古御岳だ。急な登り坂へと掛かる手前で中空に飛び出した岩がある。まるでザンゲ岩のようだが、あまり身を乗り出さないほうがいい。もちろんここも名郷集落と伊豆ヶ岳・古御岳の眺めが良い。
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(尾根に上がったところ)
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(左端にあるのが伊豆ヶ岳・古御岳)
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(中空に飛び出す岩)
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(名郷集落を見下ろす)
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(伊豆ヶ岳と古御岳)
ロープも括り付けられた急な岩尾根を登りきると、一旦傾斜の緩い細尾根となる。尾根が広くなったところでベンチが置かれている。きついルートとの認識はあるのか、この後もベンチは点々と置かれている。ベンチで一息入れた後、落石注意と書かれた看板の立つ急な岩尾根に取り掛かる。岩に生えた苔と淡い緑の葉を茂らせた広葉樹が麗しい。とはいえ道の厳しさが和らぐ訳ではない。手も使うような厳しい尾根を越えるとまたもベンチがある。あと二回急登をこなせば山頂直下に出るはずだ。
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(最後のベンチ)
最後のベンチで確り水分補給し、急な斜面へ取り付く。登りきれば傾斜は緩むが、尾根はまだ続く。ここで気を抜かずに最後の急斜面に取り掛かる。落葉樹に覆われた広い尾根をジグザグに登っていく。意外に長い登りが終わると有間ダムから橋小屋ノ頭へと続く縦走路上に出る。蕨山というとこの名郷分岐から東へ下りた展望台を指すことが多いのだが、本来は最高点から逆川乗越辺りまでを含めた全体を蕨山と称しているのではないだろうか。今日は先が長いので、展望台へ寄らずに最高点を目指す。整備された都市公園のような道を行けば、最高点(1044)に着く。檜が囲まれた最高点には小さな石積みがあるだけで、ここが最高点であることを示すものは何も無い。ただ最高点からすぐ下に下りた縦走路上にベンチがある。ここで少し休憩を取ることにした。
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(最後の登り)
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(尾根に出たところ)
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(蕨山最高点を見上げる)
蕨山最高点から逆川乗越までは緩やかなアップダウンを繰り返しつつ下っていく。北側は落葉樹の雑木林、南側は檜林となっていて、特に6月は雑木林の淡い緑が美しい。南側の檜林は広い台地の上に植えられていて、ちょうど伐採作業の最中であった。蕨山の最高点に着いたときからエンジン音が気にはなっていた。緩斜面には軽四も置かれていた。正面の林の切れ間から橋小屋の頭への尾根が見えてくると逆川乗越に着く。東屋の建つ広い鞍部で、クルマが数台置けるほどの砂利の広場になっている。木の陰に建てられた東屋で休憩していると、林道からバイク乗りの男性が二人やって来た。山中で挨拶を交わすのは初めてだ。
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(公園のような道が続く)
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(逆川乗越)
逆川乗越から橋小屋の頭へは距離は短いものの、標高差160mほどを一気に上がらなければならない。ここを登りきってしまえば、しばらくは急な登りが無く、前半の山場と言ってよいだろう。東屋の脇から取り付くと早速急傾斜の道が始まる。登るにつれて傾斜が急となるので、かなり辛い。前回冬に来たときは雪で覆われていたため、道がわからなかったのだが、夏道は広い尾根をジグザグに付けられている。左手から支尾根らしきものが合流してくれば、山頂は近い。といっても登りだと支尾根の合流はわかり難いのだが。合流点から少し登って橋小屋の頭(1163)に着く。山頂標識には有間山と書かれているが、もちろんここは最高点ではない。樹林に覆われた展望の無い山頂だが、ちょっとした広さがあるせいか、明るい光に溢れている。その代わり、やたらと羽虫が多い。樹林帯の中では余り気にならなかったので、展望の良い所だと虫に悩まされそうだ。
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(厳しい登り)
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(尾根が合流してくる)
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(橋小屋の頭頂上)
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(タタラノ頭・仁田山への入口)
虫が多く、ベンチも無い橋小屋の頭での休憩は避けて、先のタタラノ頭へと足を延ばす。ここからは全くの未踏ルートではあるのだが、あまり怖さは感じない。橋小屋の頭から仁田山に掛けては中腹に林道が通っているため、バイクやクルマのエンジン音が絶えない。したがって奥山へ足を踏み入れるという緊張感にはやや欠けるところがある。有間山の最高点であるタタラノ頭へは小さなコブをいくつも越えていかなければならない。踏み跡は確りと踏み固められているし、藪が煩いようなところは無い。しかし道がやや尾根を外しているために足元が不安定な点と、尾根を外すと斜面が急である点には注意が必要だ。
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(尾根の様子)
初夏の山ということもあり、既に春の花は無い。平地では終わりを迎えているヤマツツジの真っ赤な花が彩りを添える程度だ。何度かコブを越えると不意に東側の展望が開ける。対岸の斜面に林道が通っていることからすると棒ノ嶺付近だろうか。尾根の上は大抵が落葉樹となっているが、斜面を少し下ると杉・檜の林となっている。落葉樹と杉・檜の林との間には防火帯のような切り開きがあるので、道は常に明るい。ただあまり展望は無い。広葉樹に混じって落葉松の林があることに感心していると、今度は枯れた笹薮が現れる。道を覆っているわけではないので、特に支障は無い。以前は凄い笹薮だったという名残がある程度だ。コブを越えるのも飽きてきた頃、タタラノ頭(1213.5)に到着。無数のコブの一つという感じで、あまり山頂の雰囲気は無い。樹林に覆われた中、角の欠けた三角点がポツンと設置されている。他は山名板が木に括り付けられているだけだ。橋小屋の頭から休みも取らずに歩いてきたので、ザックを下ろし、休憩を取る。すると途端に数匹の羽虫に集られる。
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(ヤマツツジ)
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(何の花だろう? 木は比較的大きいのだが)
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(棒ノ嶺辺り)
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(巻き道もある)
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(鞍部へ下る アップダウンが結構きつい)
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(枯れた笹薮)
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(タタラノ頭)
虫を追い払いつつも何とか調理パンを食し終わったので、一先ず有間峠まで行ってみることにする。地形図にも描かれているように、まずは急斜面を下る。タタラノ頭手前から続く笹薮がやや濃くなった感じがする。左右から笹薮が迫り、押し潰されたように細くなった踏み跡が続く。心なしか雑木林の比率が高くなったようだ。大きな鞍部へ下った辺りは尾根が広い。踏み跡以外は殆ど笹薮だが、皆枯れているので圧迫感は無い。ディジタル地形図ほどでないものの、踏み跡は尾根の高い所を巧みに避けているようだ。有間峠手前のピークに差し掛かると青々とした笹薮が広がる。枯れていない笹薮はルートを通してこの辺りだけであった。鮮やかな赤いヤマツツジ咲く岩場を抜けると有間峠は近い。峠の手前で踏み跡は尾根を外す。
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(急斜面を下る)
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(尾根の広くなった所)
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(苔生した倒木)
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(青々とした笹薮)
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(ヤマツツジ)
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(有間峠へ)
尾根を外れて折り返すように下ると名栗湖が遠くに見える。今日山中で初めて名栗湖を見ることができた。危なっかしい道を下っていくと舗装された林道に下り立つ。この林道は広河原逆川線という名が付けられている。林道の先には秩父方面の施設を示す看板が立ち、有間峠と書かれた標柱も立てられていた。標柱の脇からも名栗湖を見下ろせるが、手前の樹木が伸びてしまって、あまり良い展望台とはなっていない。ザックを下ろして休憩しているとここでもバイク乗りの男性が数人やって来る。林道とはいっても現状はグリーンラインのような観光林道とそれほど違いは無い。まあ間伐に使っていたから文句はないのだが。
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(有間峠への下りから 名栗湖)
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(有間峠)
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(広河原逆川線の看板)
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(峠から見た名栗湖)
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(有間峠の展望台)
峠から秩父側へ少し進むと仁田山へと向かう踏み跡が延びている。崖地をコンクリートで塗り固めているので、峠からの眺めよりも良い展望が得られる。峠を見下ろす位置から眺めるとピーク1016の尾根の上に蕨山のなだらかな山容が望める。そこから右へと視線を落としていけば、藤棚山から金比羅山、更には名栗湖へと高度を落としていく尾根の連なりが見渡せる。藤棚山の上には子ノ権現まで見えている。名栗湖の向こうには楢抜山が意外と大きい。金比羅山とは反対側の棒ノ嶺辺りの尾根はピーク1121へ続く尾根に邪魔されて見えない。実に見晴らしが良い所だ。その分樹林に覆われていないといえる。つまりは羽虫がうじゃうじゃ居るのだ。
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(崖地から名栗湖)
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(有間峠を見下ろす)
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(パノラマ)
羽虫のためにあまりのんびり眺めることも出来ず、名残惜しいが先へと進む。HP「逍遥の山」のinoueさんの記事によるとこの先は藪が被る所がかなりあったという。しかし現在は人間一人分の切り開きがある上、藪は殆ど枯れてしまっているので、あまり不快には感じない。それでも背丈ほどある藪で、しかも切り開きが細いので、時々ザックが引っかかったりする。やや急な笹薮の切り開きを登っていくと仁田山(1211)頂上に飛び出す。展望の無い狭い頂上には木板の山名板があるほか、藪の中に奥武蔵研究会が書いたと思われるプレートが落ちていた。そのプレートには越し方の向かいに延びる道は行き止まりで、左に延びる道が日向沢ノ峰への道であると教えている。
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(仁田山への道 背丈ほどの枯れた笹薮)
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(仁田山のプレート)
仁田山はあまり休憩したい所でもないので、そのまま先へ進む。プレートに示された道は、木にペイントなどもしてあり、間違いないらしい。防火帯へと出る手前に道標があり、行く手に日向沢ノ峰を示している。防火帯は有間山辺りと似た雰囲気で、途中には伐採に使われたであろうケーブルの残骸などが朽ち果てていた。尾根上から東寄りに付けられた防火帯を下っていくと、長尾ノ丸から棒ノ嶺への尾根を見渡せる展望地に出る。そこから更に少し下ると林道を見下ろす展望地に出る。名栗湖から棒ノ嶺・長尾ノ丸を越えて尾根が延びているのがわかる。
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(藪っぽい道は続く)
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(日向沢ノ峰を示す道標)
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(防火帯を下る)
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(長尾ノ丸から棒ノ嶺)
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(パノラマ)
一旦近づいた林道だが、踏み跡は防火帯から笹薮の樹林帯へと入っていく。途中尾根の西側から切り開きがある踏み跡が延びてきていたが、どこから来た道なのだろうか。再び林道が近づいてくると、今度は林道から尾根道へと踏み跡が延びてきている。鉄塔管理用の黄色い標柱が立っているので、ここから先は鉄塔管理道として使われているのだろう。そのせいなのか、ここから笹薮の切り開きが先ほどよりも明らかに広くなっていく。そして傾斜が急な所にはやはりと言うべきか、土留めの木段が登場する。ステップが低いので歩きやすいほうではあるが、単なる急斜面に比べるとどうしても疲れてしまう。
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(またも笹藪へ)
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(林道から鉄塔管理道へ)
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(雑木林の道)
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(土留めの木段 ステップが低いので比較的歩きやすい)
木段を登りきると道が左に曲がる。ちょうど尾根が屈曲する辺りなのだろう。再び木段となり、そこを登ると不意に頭上が明るくなる。送電鉄塔のあるピークが近いのだろう。木段を登りきると鉄塔の下に出る。北西・北東それぞれ眺めが得られる。北東側は棒ノ嶺方面の眺めがある。但し名栗湖は山の陰となり、しかも鉄塔越しの眺めとなって、あまり具合は良くない。北西側は広河原谷方面の眺めが良い。ピーク1103辺りの伐採地の上に滝入の頭辺りの凄まじい伐採地が見える。滝入の頭の伐採地の上の平たい所辺りはウノタワで、そこから緩やかに高度を上げた先が大持山だ。その左背後にある小持山は大持山と双耳峰のように見える。それにしても滝入の頭は広く伐採したものだと思う。これから向かう日向沢ノ峰方面は、尾根が大分低く見える。実際標高差でも100mほどだろう。
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(鉄塔のピークは間近)
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(奥が棒ノ嶺)
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(大持山・滝入の頭方面)
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(日向沢ノ峰も間近い)
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(大持山)
いよいよ今日の最高点である日向沢ノ峰を目指す。やや背丈の低い広葉樹林帯に入る。緑のトンネルのようだ。枯れた笹薮が道の両側を覆い、鉄製の桟道が架けられ、苔生した岩があるなど奥山の雰囲気が漂う。奥武蔵というよりは奥多摩や奥秩父辺りの雰囲気に近いといえる。やや傾斜の急な道が続く中、鉄塔管理道が更に二手に分かれる。右はともかく、左は都県境尾根へと出られそうだ。分岐を過ぎると最後の登り。どことなく蕨山の山頂直下の登りを思わせる。ここを登りきると東京都の道標が立つ都県境尾根に出る。ちょうど蕨山方面へと向かう男性と擦れ違う。
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(トンネルのような道)
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(桟道)
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(苔生した岩 奥多摩の雰囲気が強い)
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(鉄塔管理道の分岐 左は50号で棒ノ嶺方面)
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(最後の登り)
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(東京都の道標)
とりあえず雰囲気だけでも味わおうと蕎麦粒山方面へ少し歩みを進める。広い防火帯はこれまでの道とは比べ物にならないほどに整備されている。石尾根の雰囲気にも似ているが、あそこほどには開けておらず、広葉樹に覆われた深山の雰囲気が漂う。小ピーク(これは日向沢ノ峰北峰というらしい)まで行った所で往路を戻り、日向沢ノ峰へ向かう。途中小さな赤い枝垂れた花を見つける。ドウダンツツジのようだなと思って後で調べてみると、サラサドウダンというらしい。広い鞍部の端に都県境尾根と日向沢ノ峰への分岐がある。まずは日向沢ノ峰へと登る。緩やかに登り、樹林の切れた先が日向沢ノ峰(ひなたさわのうら 1356)山頂である。岩の露出した山頂は樹林に覆われているが、西側の一部で所々展望が開ける。かなり曇っているのでどの辺りか判別はつき難いが、おそらく雲取山などが見えているのではないかと思う。富士山が見える可能性もあるそうだが、今日は流石にそこまで遠くを見ることはできない。この日向沢ノ峰は飯能市の最高峰であり、秩父地域を除けば奥武蔵で最高峰であるともいえる。そんな山に山歩きを始めて7年目でようやく頂上に立てたということに感慨深いものがある。
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(日向沢ノ峰北峰へ)
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(広い防火帯)
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(サラサドウダン 暗かったので加工しました)
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(棒ノ嶺分岐)
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(山頂は近い)
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(日向沢ノ峰)
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(雲取山方面)
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(三ッドッケを望む)
後編に続きます。
DATA:
飯能駅(国際興業バス)名郷8:16~8:57ピーク651の付近~9:59蕨山最高点~10:13逆川乗越~10:33橋小屋ノ頭~
11:04タタラノ頭~11:41有間峠~12:03仁田山~12:26鉄塔のピーク~12:45都県境尾根~12:58日向沢ノ峰
国際興業バス 飯能駅~名郷 660円
地形図 原市場 武蔵日原
※1 名栗湖へと流れ込む有間川から便宜上有間谷としている
※2 山と高原地図 奥武蔵・秩父 2010年度版 による
タイトルのとおり蕨山から棒ノ嶺へと縦走してきました。9時間超の長いルートということもあり、前半は有間山を越えて日向沢ノ峰まで、後半は日向沢ノ峰からさわらびの湯まで、と分けて掲載することにします。
原市場・武蔵日原の地形図を眺めると、有間ダム(名栗湖)を起点として、蕨山から有間山、日向沢ノ峰、棒ノ嶺、と有間谷(※1)を囲む長大な周回ルートを形成していることが分かる。蕨山あるいは棒ノ嶺は単体であれば、比較的軽い日帰りルートとして歩くことが出来るが、有間ダムを起点とした周回ルートの場合、10時間超(※2)のロングルートとなる。橋小屋ノ頭(有間山の一部 1163)から南、あるいは棒ノ嶺から西のルートは以前から興味のある所ではあった。だが日帰りとしては長すぎる上、かつてはタタラノ頭(有間山最高峰 1213.5)から日向沢ノ峰までは酷い藪があったため、なかなかこの縦走を実現できないでいた。しかし当ブログを始めて以降、マイナールートも順調に消化し、未踏のルートも少なくなってきた。そこで今回長年の懸案であった有間谷周回ルートの一部を歩き通してみることにした。有間谷を本当に周回するのであれば、さわらびの湯バス停から金比羅山に取り付くのが本筋であろう。だがあまりにも距離が長くなるので、今回は名郷から直接蕨山に取り付くことにした(これでも9時間超掛かる)。
4ヶ月ぶりに飯能駅発の国際興業バスに乗ろうとすると珍しく行列ができている。立客がいるほどに混んでいることにも驚いたが、乗客の多くが若い人であることにも驚いてしまった。クドいようだが、ボクが山歩きを始めた数年前には考えられなかった光景である。久々の名郷は街中に比べるといくらか涼しいようだ。他の乗客も大半が降りたので、珍しく静かな里が賑やかである。10人ほどの若者グループがいたのだが、何処へ行くのだろうか。若い人が山に戻ってきたのは良い事だと思う。だが行動や思考がボクの世代と微妙にズレているので、少々苦手なのだ。いつものようにのんびりと準備をする。どうやら蕨山へ取り付く人はいないようだ。今日も静かな山歩きとなりそうだ。
蕨山へはトイレの前の道を先ずは下っていく。川を渡り、しばらくは舗装路歩きが続く。蕨山へと直接取り付くルートはかつて一度だけ歩いたことがある。林道から沢沿いを尾根まで登り上げるまでがきついこと、更に蕨山までも断続的に急登が続くことだけが記憶にある。それ以外は全く記憶に残っていない。体力的にきつい道であるということがあまりにも強烈な印象だったからだろう。5分ほどで砂利道へと変わる。ここも記憶がない。そばを流れる沢は音が聞こえるだけで、水の流れは見えない。ここのところ殆ど雨が降っていないため、沢が伏流となってしまっているのだろう。上流になればいくらか流れがあるが、かなり細い。本当に水不足が心配になってしまった。
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(蕨入り 水流は少ない)
堰を前にして林道は終了。飛び石で沢を渡って、沢沿いに尾根まで詰めていくのだ。地形図には2本の破線路が描かれているが、今から歩く道はそのどちらでもない。一番正しい道は「山と高原地図」(最近はあまりエアリアマップとは言わないらしい)に描かれている。ピーク651を南に巻いて尾根に上がる、とイメージすると良いだろう。登り始めから杉林の中を急な登りが続く。ジグザグを描いて道が付けられているのがせめてもの救いか。整備された杉林の林床にはガクアジサイの木が花を付けていた。あと一週間もすれば満開だろうか。今日は曇り空ということもあって、林の中は薄暗い。でもあまり暑くなっては困るので、ちょうど良いのかもしれない。何度か沢を横切りつつも登っていくと不意に傾斜が緩む。上部には大きな岩らしきものも見え、尾根も近い。
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(沢地形を上がっていく)
尾根に上がると雑木林のグリーンシャワーが迎えてくれる。新緑には遅いが、それでも淡い緑が美しい。岩の向こうには尾根通しの道が付いているようだが、あまり歩いて欲しくはないようだ。蕨山へと続くこの尾根道は緩急を繰り返しつつも只管登りが続く。ここであまり頑張ってしまうのは得策でない。まずはしばらく緩やかな登りとなっているので、ここはゆっくりと進む。よく踏み固められた道は左側(南東側)の展望が所々開ける。最初に見えるのは藤棚山から金比羅山への尾根らしい。少し先へ行くと今度は振り返るような形で名郷集落が見下ろせる。左上に見える双耳峰は伊豆ヶ岳と古御岳だ。急な登り坂へと掛かる手前で中空に飛び出した岩がある。まるでザンゲ岩のようだが、あまり身を乗り出さないほうがいい。もちろんここも名郷集落と伊豆ヶ岳・古御岳の眺めが良い。
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(尾根に上がったところ)
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(左端にあるのが伊豆ヶ岳・古御岳)
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(中空に飛び出す岩)
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(名郷集落を見下ろす)
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(伊豆ヶ岳と古御岳)
ロープも括り付けられた急な岩尾根を登りきると、一旦傾斜の緩い細尾根となる。尾根が広くなったところでベンチが置かれている。きついルートとの認識はあるのか、この後もベンチは点々と置かれている。ベンチで一息入れた後、落石注意と書かれた看板の立つ急な岩尾根に取り掛かる。岩に生えた苔と淡い緑の葉を茂らせた広葉樹が麗しい。とはいえ道の厳しさが和らぐ訳ではない。手も使うような厳しい尾根を越えるとまたもベンチがある。あと二回急登をこなせば山頂直下に出るはずだ。
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(最後のベンチ)
最後のベンチで確り水分補給し、急な斜面へ取り付く。登りきれば傾斜は緩むが、尾根はまだ続く。ここで気を抜かずに最後の急斜面に取り掛かる。落葉樹に覆われた広い尾根をジグザグに登っていく。意外に長い登りが終わると有間ダムから橋小屋ノ頭へと続く縦走路上に出る。蕨山というとこの名郷分岐から東へ下りた展望台を指すことが多いのだが、本来は最高点から逆川乗越辺りまでを含めた全体を蕨山と称しているのではないだろうか。今日は先が長いので、展望台へ寄らずに最高点を目指す。整備された都市公園のような道を行けば、最高点(1044)に着く。檜が囲まれた最高点には小さな石積みがあるだけで、ここが最高点であることを示すものは何も無い。ただ最高点からすぐ下に下りた縦走路上にベンチがある。ここで少し休憩を取ることにした。
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(最後の登り)
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(尾根に出たところ)
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(蕨山最高点を見上げる)
蕨山最高点から逆川乗越までは緩やかなアップダウンを繰り返しつつ下っていく。北側は落葉樹の雑木林、南側は檜林となっていて、特に6月は雑木林の淡い緑が美しい。南側の檜林は広い台地の上に植えられていて、ちょうど伐採作業の最中であった。蕨山の最高点に着いたときからエンジン音が気にはなっていた。緩斜面には軽四も置かれていた。正面の林の切れ間から橋小屋の頭への尾根が見えてくると逆川乗越に着く。東屋の建つ広い鞍部で、クルマが数台置けるほどの砂利の広場になっている。木の陰に建てられた東屋で休憩していると、林道からバイク乗りの男性が二人やって来た。山中で挨拶を交わすのは初めてだ。
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(公園のような道が続く)
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(逆川乗越)
逆川乗越から橋小屋の頭へは距離は短いものの、標高差160mほどを一気に上がらなければならない。ここを登りきってしまえば、しばらくは急な登りが無く、前半の山場と言ってよいだろう。東屋の脇から取り付くと早速急傾斜の道が始まる。登るにつれて傾斜が急となるので、かなり辛い。前回冬に来たときは雪で覆われていたため、道がわからなかったのだが、夏道は広い尾根をジグザグに付けられている。左手から支尾根らしきものが合流してくれば、山頂は近い。といっても登りだと支尾根の合流はわかり難いのだが。合流点から少し登って橋小屋の頭(1163)に着く。山頂標識には有間山と書かれているが、もちろんここは最高点ではない。樹林に覆われた展望の無い山頂だが、ちょっとした広さがあるせいか、明るい光に溢れている。その代わり、やたらと羽虫が多い。樹林帯の中では余り気にならなかったので、展望の良い所だと虫に悩まされそうだ。
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(厳しい登り)
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(尾根が合流してくる)
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(橋小屋の頭頂上)
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(タタラノ頭・仁田山への入口)
虫が多く、ベンチも無い橋小屋の頭での休憩は避けて、先のタタラノ頭へと足を延ばす。ここからは全くの未踏ルートではあるのだが、あまり怖さは感じない。橋小屋の頭から仁田山に掛けては中腹に林道が通っているため、バイクやクルマのエンジン音が絶えない。したがって奥山へ足を踏み入れるという緊張感にはやや欠けるところがある。有間山の最高点であるタタラノ頭へは小さなコブをいくつも越えていかなければならない。踏み跡は確りと踏み固められているし、藪が煩いようなところは無い。しかし道がやや尾根を外しているために足元が不安定な点と、尾根を外すと斜面が急である点には注意が必要だ。
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(尾根の様子)
初夏の山ということもあり、既に春の花は無い。平地では終わりを迎えているヤマツツジの真っ赤な花が彩りを添える程度だ。何度かコブを越えると不意に東側の展望が開ける。対岸の斜面に林道が通っていることからすると棒ノ嶺付近だろうか。尾根の上は大抵が落葉樹となっているが、斜面を少し下ると杉・檜の林となっている。落葉樹と杉・檜の林との間には防火帯のような切り開きがあるので、道は常に明るい。ただあまり展望は無い。広葉樹に混じって落葉松の林があることに感心していると、今度は枯れた笹薮が現れる。道を覆っているわけではないので、特に支障は無い。以前は凄い笹薮だったという名残がある程度だ。コブを越えるのも飽きてきた頃、タタラノ頭(1213.5)に到着。無数のコブの一つという感じで、あまり山頂の雰囲気は無い。樹林に覆われた中、角の欠けた三角点がポツンと設置されている。他は山名板が木に括り付けられているだけだ。橋小屋の頭から休みも取らずに歩いてきたので、ザックを下ろし、休憩を取る。すると途端に数匹の羽虫に集られる。
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(ヤマツツジ)
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(何の花だろう? 木は比較的大きいのだが)
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(棒ノ嶺辺り)
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(巻き道もある)
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(鞍部へ下る アップダウンが結構きつい)
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(枯れた笹薮)
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(タタラノ頭)
虫を追い払いつつも何とか調理パンを食し終わったので、一先ず有間峠まで行ってみることにする。地形図にも描かれているように、まずは急斜面を下る。タタラノ頭手前から続く笹薮がやや濃くなった感じがする。左右から笹薮が迫り、押し潰されたように細くなった踏み跡が続く。心なしか雑木林の比率が高くなったようだ。大きな鞍部へ下った辺りは尾根が広い。踏み跡以外は殆ど笹薮だが、皆枯れているので圧迫感は無い。ディジタル地形図ほどでないものの、踏み跡は尾根の高い所を巧みに避けているようだ。有間峠手前のピークに差し掛かると青々とした笹薮が広がる。枯れていない笹薮はルートを通してこの辺りだけであった。鮮やかな赤いヤマツツジ咲く岩場を抜けると有間峠は近い。峠の手前で踏み跡は尾根を外す。
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(急斜面を下る)
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(尾根の広くなった所)
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(苔生した倒木)
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(青々とした笹薮)
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(ヤマツツジ)
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(有間峠へ)
尾根を外れて折り返すように下ると名栗湖が遠くに見える。今日山中で初めて名栗湖を見ることができた。危なっかしい道を下っていくと舗装された林道に下り立つ。この林道は広河原逆川線という名が付けられている。林道の先には秩父方面の施設を示す看板が立ち、有間峠と書かれた標柱も立てられていた。標柱の脇からも名栗湖を見下ろせるが、手前の樹木が伸びてしまって、あまり良い展望台とはなっていない。ザックを下ろして休憩しているとここでもバイク乗りの男性が数人やって来る。林道とはいっても現状はグリーンラインのような観光林道とそれほど違いは無い。まあ間伐に使っていたから文句はないのだが。
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(有間峠への下りから 名栗湖)
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(有間峠)
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(広河原逆川線の看板)
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(峠から見た名栗湖)
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(有間峠の展望台)
峠から秩父側へ少し進むと仁田山へと向かう踏み跡が延びている。崖地をコンクリートで塗り固めているので、峠からの眺めよりも良い展望が得られる。峠を見下ろす位置から眺めるとピーク1016の尾根の上に蕨山のなだらかな山容が望める。そこから右へと視線を落としていけば、藤棚山から金比羅山、更には名栗湖へと高度を落としていく尾根の連なりが見渡せる。藤棚山の上には子ノ権現まで見えている。名栗湖の向こうには楢抜山が意外と大きい。金比羅山とは反対側の棒ノ嶺辺りの尾根はピーク1121へ続く尾根に邪魔されて見えない。実に見晴らしが良い所だ。その分樹林に覆われていないといえる。つまりは羽虫がうじゃうじゃ居るのだ。
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(崖地から名栗湖)
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(有間峠を見下ろす)
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(パノラマ)
羽虫のためにあまりのんびり眺めることも出来ず、名残惜しいが先へと進む。HP「逍遥の山」のinoueさんの記事によるとこの先は藪が被る所がかなりあったという。しかし現在は人間一人分の切り開きがある上、藪は殆ど枯れてしまっているので、あまり不快には感じない。それでも背丈ほどある藪で、しかも切り開きが細いので、時々ザックが引っかかったりする。やや急な笹薮の切り開きを登っていくと仁田山(1211)頂上に飛び出す。展望の無い狭い頂上には木板の山名板があるほか、藪の中に奥武蔵研究会が書いたと思われるプレートが落ちていた。そのプレートには越し方の向かいに延びる道は行き止まりで、左に延びる道が日向沢ノ峰への道であると教えている。
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(仁田山への道 背丈ほどの枯れた笹薮)
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(仁田山のプレート)
仁田山はあまり休憩したい所でもないので、そのまま先へ進む。プレートに示された道は、木にペイントなどもしてあり、間違いないらしい。防火帯へと出る手前に道標があり、行く手に日向沢ノ峰を示している。防火帯は有間山辺りと似た雰囲気で、途中には伐採に使われたであろうケーブルの残骸などが朽ち果てていた。尾根上から東寄りに付けられた防火帯を下っていくと、長尾ノ丸から棒ノ嶺への尾根を見渡せる展望地に出る。そこから更に少し下ると林道を見下ろす展望地に出る。名栗湖から棒ノ嶺・長尾ノ丸を越えて尾根が延びているのがわかる。
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(藪っぽい道は続く)
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(日向沢ノ峰を示す道標)
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(防火帯を下る)
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(長尾ノ丸から棒ノ嶺)
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(パノラマ)
一旦近づいた林道だが、踏み跡は防火帯から笹薮の樹林帯へと入っていく。途中尾根の西側から切り開きがある踏み跡が延びてきていたが、どこから来た道なのだろうか。再び林道が近づいてくると、今度は林道から尾根道へと踏み跡が延びてきている。鉄塔管理用の黄色い標柱が立っているので、ここから先は鉄塔管理道として使われているのだろう。そのせいなのか、ここから笹薮の切り開きが先ほどよりも明らかに広くなっていく。そして傾斜が急な所にはやはりと言うべきか、土留めの木段が登場する。ステップが低いので歩きやすいほうではあるが、単なる急斜面に比べるとどうしても疲れてしまう。
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(またも笹藪へ)
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(林道から鉄塔管理道へ)
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(雑木林の道)
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(土留めの木段 ステップが低いので比較的歩きやすい)
木段を登りきると道が左に曲がる。ちょうど尾根が屈曲する辺りなのだろう。再び木段となり、そこを登ると不意に頭上が明るくなる。送電鉄塔のあるピークが近いのだろう。木段を登りきると鉄塔の下に出る。北西・北東それぞれ眺めが得られる。北東側は棒ノ嶺方面の眺めがある。但し名栗湖は山の陰となり、しかも鉄塔越しの眺めとなって、あまり具合は良くない。北西側は広河原谷方面の眺めが良い。ピーク1103辺りの伐採地の上に滝入の頭辺りの凄まじい伐採地が見える。滝入の頭の伐採地の上の平たい所辺りはウノタワで、そこから緩やかに高度を上げた先が大持山だ。その左背後にある小持山は大持山と双耳峰のように見える。それにしても滝入の頭は広く伐採したものだと思う。これから向かう日向沢ノ峰方面は、尾根が大分低く見える。実際標高差でも100mほどだろう。
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(鉄塔のピークは間近)
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(奥が棒ノ嶺)
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(大持山・滝入の頭方面)
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(日向沢ノ峰も間近い)
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(大持山)
いよいよ今日の最高点である日向沢ノ峰を目指す。やや背丈の低い広葉樹林帯に入る。緑のトンネルのようだ。枯れた笹薮が道の両側を覆い、鉄製の桟道が架けられ、苔生した岩があるなど奥山の雰囲気が漂う。奥武蔵というよりは奥多摩や奥秩父辺りの雰囲気に近いといえる。やや傾斜の急な道が続く中、鉄塔管理道が更に二手に分かれる。右はともかく、左は都県境尾根へと出られそうだ。分岐を過ぎると最後の登り。どことなく蕨山の山頂直下の登りを思わせる。ここを登りきると東京都の道標が立つ都県境尾根に出る。ちょうど蕨山方面へと向かう男性と擦れ違う。
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(トンネルのような道)
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(桟道)
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(苔生した岩 奥多摩の雰囲気が強い)
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(鉄塔管理道の分岐 左は50号で棒ノ嶺方面)
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(最後の登り)
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(東京都の道標)
とりあえず雰囲気だけでも味わおうと蕎麦粒山方面へ少し歩みを進める。広い防火帯はこれまでの道とは比べ物にならないほどに整備されている。石尾根の雰囲気にも似ているが、あそこほどには開けておらず、広葉樹に覆われた深山の雰囲気が漂う。小ピーク(これは日向沢ノ峰北峰というらしい)まで行った所で往路を戻り、日向沢ノ峰へ向かう。途中小さな赤い枝垂れた花を見つける。ドウダンツツジのようだなと思って後で調べてみると、サラサドウダンというらしい。広い鞍部の端に都県境尾根と日向沢ノ峰への分岐がある。まずは日向沢ノ峰へと登る。緩やかに登り、樹林の切れた先が日向沢ノ峰(ひなたさわのうら 1356)山頂である。岩の露出した山頂は樹林に覆われているが、西側の一部で所々展望が開ける。かなり曇っているのでどの辺りか判別はつき難いが、おそらく雲取山などが見えているのではないかと思う。富士山が見える可能性もあるそうだが、今日は流石にそこまで遠くを見ることはできない。この日向沢ノ峰は飯能市の最高峰であり、秩父地域を除けば奥武蔵で最高峰であるともいえる。そんな山に山歩きを始めて7年目でようやく頂上に立てたということに感慨深いものがある。
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(日向沢ノ峰北峰へ)
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(広い防火帯)
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(サラサドウダン 暗かったので加工しました)
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(棒ノ嶺分岐)
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(山頂は近い)
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(日向沢ノ峰)
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(雲取山方面)
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(三ッドッケを望む)
後編に続きます。
DATA:
飯能駅(国際興業バス)名郷8:16~8:57ピーク651の付近~9:59蕨山最高点~10:13逆川乗越~10:33橋小屋ノ頭~
11:04タタラノ頭~11:41有間峠~12:03仁田山~12:26鉄塔のピーク~12:45都県境尾根~12:58日向沢ノ峰
国際興業バス 飯能駅~名郷 660円
地形図 原市場 武蔵日原
※1 名栗湖へと流れ込む有間川から便宜上有間谷としている
※2 山と高原地図 奥武蔵・秩父 2010年度版 による