忘れられた日本 麻布七不思議 祟り神を祀る
狸穴(まみあな)稲荷神社
講談「江戸名物麻布七不思議」。明治31(1898)年の本です。
狸穴 の怪物の話は、こちらの神社をモチーフにしている講談。
江戸時代は湿地帯の土地を埋め立て、開墾し、川の流れを変え、
水害をなくし、民が暮らしやすいように変えていった時期。
人が豊かになっていく一方、その犠牲になっていったと思われる
動物の御霊が起こした恐ろしい事件をモチーフとしたお話です。
悲しいお話。
怪物が花嫁を迎える花嫁行列のシーンもあり、悲しいながらも
美しく、そして怪物も人と同じように生きているのを感じます。
けれど、その怪物は人に退治され、埋められた地でひっそりと
子猫を育て上げ、その猫も化け猫となり退治される。
人は、その御霊を神として大切に祀るのです。
そうすると、御霊の魂は休まり、今度は本当の神様となっていく。
日本人の知恵だと思います。
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